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音楽と歌声だけで次元を超える試み ツキプロライブ2016in中野で見たGrowth

2次元の男性アイドルキャラクターを、3次元である声優がパフォーマンスするライブイベントが、ここ数年で盛んに行われるようになりました。こうしたライブイベントでの声優の立ち位置は不安定なところにあるなと常々思います。

「声優の歌ってるところがみたいわけじゃーんだよな」

という非難の声が上がるのも無理はないと思います。声優はキャラクターの声を担う役者でしかなく、あくまでもイベントにおけるご本尊様はキャラクターですから。しかし、パフォーマンスをするのは本来キャタクターの「一部分」でしかない声優。この次元の壁をどう超えて、お客さんにコンテンツをライブ体験として届けるのか、さまざまな2次元アイドルコンテンツのイベントに参加していると、それぞれのコンテンツが試行錯誤を重ねていることが見て取れます。

今年の始めに開催された「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVELIVE 5th STAGE」は、その圧倒的な人気と規模の大きさだからこそできる、試行錯誤のひとつの到達点を見せてくれた気がします。3次元の男性アイドルさながらの難度の高いダンスや、ワイヤーアクション、花道を車に乗っての移動などのド派手な演出を取り入れることによって、単なる声優のイベントを超えた「アイドルのステージ」を作り上げ、次元の壁を融解させようとしていました。そのステージは、アニメで見たきらきらしたライブ映像を3次元で再現していく試みだったように思います。

 

 

ただし、どのコンテンツもうたプリのような規模の大きさがあるわけではありません。それぞれのコンテンツで、ライブのあり方を模索しているところだと思います。そのひとつである、架空の二次元芸能プロダクション「ツキノ芸能プロダクション」(通称ツキプロ)の所属アイドルのステージイベント「ツキプロライブ2016in中野」に行ってきました。

ツキノ芸能プロダクションもまた、2次元と3次元の壁を超えることをさまざまな形で試行錯誤してきたコンテンツです。2次元アイドルが歌う曲を、ダンサーが歌っているかのようにパフォーマンスしたり、声優がキャラクターを演じつつアドリブでラジオ番組の公開生放送したりと。そして、この日のステージでまたひとつ、声優とキャラクターという次元の壁を融解させる試みが見れたような気がしました。それは、ツキプロに所属するGrowthというユニットのライブパフォーマンスで感じました。

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この日のGrowthのライブが特徴的だったのは、まず衣装が完全な2次元キャラクター衣装の再現ではなかったところです。ライブイベントにあわせたキャラクター達の新規イラストも、ライブTシャツに私服のアレンジを加えるというラフなものになっていて、それに出来る限り声優側も着るものを近づけている、という印象でした。他のイベントでは、すでに存在するアイドルのイラストの衣装に限りなく似せた2次元的な衣装を声優が着ることが多く、3次元でのライブには衣装をいかに2次元的にするかが結構重要な要素だと思っていたので、新鮮な印象がありました。(以前からGrowthはあまりデコラティブな衣装を着てはいませんでしたが、この日は逆にキャラクター達が3次元的な衣装に近づけていたように思います)

スタイリングこそ3次元的ではあったけれどGrowthとしてステージに立った声優4人は完璧にGrowthでした。彼らをステージ上でGrowthたらしめていたのは、楽曲の力だったと思うのです。

以前、男性声優楽曲大賞2015でも書いてましたがGrowthの楽曲は非常に特徴的です。大手の芸能事務所に所属していたアイドルの卵だったキャラクターたちが、新しい自分たちの音楽を始めたいと思い結成したのがGrowth。その楽曲は作曲者のじょん自身が「ありふれたアイドルソングへのアンチテーゼ」と言うように、他のアイドルコンテンツではまずない難解な変拍子やハモり、スキャットが多用され、ワールドミュージックのような特異なメロディーが印象的なものばかりです。

 


ALIVE side.G(Growth) vol.4収録楽曲クロスフェード試聴

 

そうした難度の高い楽曲を生でパフォーマンスするからこそ、Growthの出演声優である土岐くん、山谷くん、山下さん、寺島さんそれぞれの音楽と向き合う真剣な表情が見られたのですが、それがまさにGrowthの昂輝、剣介、涼太、衛たち、キャラクターそのものに見えました。Growthは現在のところ、ドラマCDと楽曲しかなく動いてしゃべるキャラクター達がまだいないところにアドバンテージはあったかもしれませんが、この4人にまるでキャラクターが当て書きされていたんじゃないかと思えるくらい、Growthがステージにいたのです。

重要なところで完璧に美しい歌声を響かせる土岐くんの姿はストイックな昂輝だったし、ひとり自由に体を揺らし、楽しそうに音楽に身をまかせる寺島さんがしっとりと低い歌声を響かせる姿は、おっとりして隙があるけど天才的な音楽センスを持つ衛でした。山下さんは「自分と涼太は真逆なので!」とよく言ってたけれど、山下さんの持つすごく真面目な部分がGrowthの曲と向き合うことで引き出されていたような気がしてクールビューティーな涼太の表情を見せていたと思います。

何より印象的だったのは、夜の部で最後の曲「空想のレトロ」を歌い上げた後の4人の表情です。難度の高いハーモニー重視のセットリストの最後に歌われた「空想のレトロ」は、Growthの曲の中で珍しくほとんどがユニゾン。緻密なハーモニーを4人で作り上げる他の曲とは別の方向性で「4人で作り上げる」という意味の強い曲でした。(そういう曲を最後に持ってくる采配も素晴らしい!)ただし、とてもキーが高く(開演前に、この曲ライブでやったら尊敬するわwって話してたほど)生でのパフォーマンスは相変わらず難しいものだったと思います。

この曲を歌い終わってアウトロが流れるなか、山谷くんが、やり遂げた開放感に満ちた顔でみんなの顔を見回して喜びを分かち合おうとする姿が、Growthのムードメーカーの剣介でしかなかったのです。それに呼応して、皆がお互いの顔を見合って満ち足りた表情をしているのを見ていたら、GrowthのドラマCDで聴いていた、パフォーマンスした後の4人の表情ってこんな感じだったのかな?と思えました。

また、4人で曲にあわせて簡単に振り付けのようなものを考えてパフォーマンスしていったという話も、まるでGrowthのドラマCDにありそうなエピソードだと思いました。それもひとえに、真剣に4人が楽曲と向き合ったことで生まれた発想だったのだと思います。空想のレトロの「君がいるから/僕もいるんだ/離さないよに/指を結んだ」という歌詞に合わせて小指を4人でつきあわせて上にあげる振り付けは、もし今後Growthがアニメ映像化されることがあれば再現して欲しい部分です。衣装や演出こそ簡素だったけれど、楽曲と歌声で次元を超えるところを見せてくれて、このシーンは見ていて胸が熱くなりました。



ツキプロの楽曲はどれもクオリティと声優のキャスティングが素晴らしくて、限りなくそのキャラクターと声優のパーソナリティが密接に結びついているように思います。

例えば、この日披露されたSolidSのDARK MOON ANGELは江口さん特有の低音と花江くんの女性声かっていうほど高い上ハモが絶妙で、この二人のハーモニーをライブで聞けるというのがとてつもなく幸せでした。ていうかこの男性声優ドラムンベース本当にかっこよすぎです。この曲にのせて花江くんと江口さんの二人に高低極まったハーモニーを歌わせようとしたその発想がすごい。


SolidS vol.2収録楽曲クロスフェード試聴

 

それからSolidSの楽曲はほとんど、かっこよく決める低音パートは梅原さんが担ってるのも確信犯的。さらに、この日のライブで一番びっくりしたのは、音源で聴いてていい意味で目立たないというか馴染んでいた歌い方だった斎藤壮馬くんが、完全に歌詞をモノにして遊ぶように歌っていたところでした。歌詞にあわせた手振りや表情をつけたり、歌い方を変えてみたり。叩き出す正解が常に100点満点!っていう天性のパフォーマーって感じ。そういう表情が見られたのも、楽曲の良さのなせるところなのかなと思います。

SOARAについては、申し訳ないことにこの日ほぼ初めて聴いた楽曲が多かったのですが、SOARAもまた、楽曲が持つ青春のイメージを、豊永さんと小野さんのおどけたパフォーマンスが体現していてよかったです。途中から歌に加わってくる沢城くん、古川くん、村田さんと5人でステージのあっちこっちわちゃわちゃするのもまた男子高校生っぽくて。古川くんは歌うことが大好き!というのが全身からにじみ出ているようで、歌に夢中になりすぎて、みんなで肩組もうとしてるのにひとりだけそれに気づかなくて豊永さんに「おーい」って呼ばれてたところがかわいかったです。


ALIVE side.S(SOARA) vol.4収録楽曲クロスフェード試聴

 

ツキプロライブを見ていると、クオリティの高い楽曲と、歌に真剣に向き合う声優の姿があると、それだけで声優のパーソナリティとキャラクターの個性が溶け合って素晴らしい2.5次元イベントになるんだということを感じました。今後はさらに大きな会場でのライブになるのでしょうか。この先も進化をし続けて、新しい2次元アイドルコンテンツのライブのあり方を見せて欲しいなと思っています。




って冷静なふりして書いてみたけど読み直してみるとやっぱただただツキプロ大好き!!!な内容でしかなかった!ごめん!じょん最高!ありがとうじょん!!!

OLDCODEXがVeni, Vidi, でViciだった

OLDCODEX2度目の武道館公演「Veni Vidi」に行ってきました。

https://www.instagram.com/p/BBpER3uATix/

ライブの面白い、つまらないを決めるのはその日のメンタルとか見てる場所とかに左右されがちで、すごく主観的な話なので、自分の今のこの高揚感が単なる自己暗示なのかもしれない気がしてこわいんだけどすんごく良かったしライブタイトルになぞらえて言うならば、勝利してた!おるどこでっくす!勝ちました!!!!

 
というのも、1週間前に「ああ来週武道館だなあ」と思って、やっと昨年の武道館公演「Capture」のブルーレイを開封して見ていたんだけど、やっぱり映像で見ても、去年の武道館つまんなかったなって思い出がよみがえってきてしまい、正直なところ今年の武道館にはそんなに期待してなかったのです。
 
なんとなくだけどいつもやってる2000人規模のスタンディングのライブハウスでやることをそのまま武道館でやろうとしていたような気がして。これならスタンディングでみんなでわーっともみくちゃになったほうが絶対楽しくない?この武道館の広さなくてよくない?椅子いらなくね?って思ってた。
 
今年のライブがよかったのは、まず左右にのびたステージの脇にリフトがついてて、まあ上下するだけなんだけど、そこに武道館の広さを使おうとしている気概が感じられたし、実際Night Flightはあそこに立って煽られてると、今確かにナイトフライトしてる!って感じで良かった。
 
何よりよかったと思うのは、感覚的にだけどおるどこでっくすの曲ってだんだんBPM遅い曲が増えてきていて、今年の武道館のセトリはここ1〜2年の曲がほとんどで構成されていたこと。広い椅子ありの会場で聴いても満足感があって、フロアの人波にのまれる高揚感を必要としない曲が増えてきたのもあるのかなあと思いました。
 
あといつもと決定的に違うのはここ最近のライブで腐るほどやってきた盛り上がり必至のダンスロック、kick outが封印されてたこと。kick outといえば、お客さんをステージにあげる曲として私達に刷り込まれてしまったがために、それが簡単にできない武道館にはむいてないという判断がくだされたのかもしれない……想像だけど。去年はたしかお客さんをステージにあげるかわりに菅谷さんに歌わせたことでスペシャル感はあったけど。今年は同じ手は使えないでしょってことで。
 
kick outがないことで、今日みたOLDCODEXはとっても新しいものに見えた。定番の煽り曲に頼らないってすごいことだ。新しいんだけど、しっかりかっこいいし地に足がついてる。武道館の2日目で、Ta_2YORKE.と、バンドメンバーみんなで最後に肩組んでたのも、初めて見た気がした。バンド!!!!!!だったのだ。当たり前だけど。バンドなんだよね。そういえばMCのときに「いつもみたいなことしようぜ」とかなんとか言ってTa_2くんがいきなりLimp Bizkitのmy generation歌い出してみんなで演奏しだしたのも、バンドだった。なんとなくのノリでその場で曲やっちゃうとか、バンドのライブでは当たり前に見る光景で、当たり前であるがゆえに、よくわからない感動に包まれました。だっておるどこでっくすは、ボーカルとペインターの二人で活動してる人達で、ボーカルの人は声優の鈴木達央さんでもあるから。
 
昨年の武道館でTa_2さんは、あの広いステージのうえでなんともなさげに「武道館、こんなもんかって思った」とあっけらかんと言い放った。でもあのあっけらかんとした感じがが逆にものすごい強固な鎧をつくっていた気がする。ものすごいただの強がりで平静を装ってたのだと思う。そう考えると、いきなりLimp Bizkit歌い出しちゃったTa_2さんは本当に去年に比べてステージが自分のものになってたんだろうね。なんか、調子こきすぎで笑っちゃうくらい。
 
そして本編のラストへ、畳み掛けるように演奏されたEyes in chase。この曲は、思い返せば昨年の武道館の終了後に、次回作の予告映像で流れた新曲だったはず。たった一年で新曲が、本編ラストに据えられて堂々としている。Eyes in chase以外の選択肢なんてないように思えてくるほど。だって、最後にTa_2さんの咆哮で終わるこの曲は、まさに武道館にリベンジを挑んできたバンドの勝利宣言のために書かれてたんじゃないかと思った。広い会場にフィードバックノイズのように漂う、人の肉声。あの瞬間に「勝った」って思った。
 
Ta_2さん自身も去年のリリースのペースを「気が狂ったようなペースで」って言ってたけど、本当にそのペースで曲を作ってライブをしてきたお陰で、OLDCODEXはバンドとして確かな強度を得たのだと思う。大きなタイアップがついて、新規のお客さんがたくさんついた一曲があると、だいたいそこばっかりが輝きがち。バンドもそこに頼ってしまいがち。でも、OLDCODEXはこの一年でリリースしてきた曲をやってるときが最高にかっこいい。最近の曲そんなに好きじゃない私がそう思うから間違いないわ。バンドがやりたいことと、バンドがかっこいい瞬間がマッチしてるって、いいことだと思う。Rage Onがもはや色褪せて聴こえる。
 
最後にTa_2くんがかっすかすの聞き取れない声で「いっぱいいっぱい曲書いてツアーもやるからついてこいよ」的な言葉を叫んだ瞬間が、もう、子供かよって感じで爆笑しちゃったんだけど、そうやって届かない声でいっしょうけんめいに叫んでる姿が愛しくてたまらなかった。ああこの人の小さな体ひとつで武道館にいる全員に届けたいんだなと。届けたい気持ちだけが先走りすぎてる。
 
かわいい。
怒られるかもしれないけど、かわいいの一言しか言えません。
これからも無理のない範囲でたつくんのこと追いかけたいと思いました。

個人的「このBLがやばい2016」な11冊を選んだ

このBLがやばい2016が発売されてもう一ヶ月近く経とうとしており、タイミングを逃した感がものすごいですが、めげずに今年も私的「このBLがやばい2016」を発表したいと思います。

このBLがやばい! 2016年度版 (Next BOOKS)

このBLがやばい! 2016年度版 (Next BOOKS)

 

 

このランキングは毎年気になってはいるのですが、BLって結局、読む人の趣味や性癖がその作品の評価を左右するものなので、多くの人の意見がランキングとして統合されるよりは、自分と感覚が合う人の「今年の10冊」みたいなレビューがたくさん読みたい気がします。ということで、私と趣味が似ているどこかの誰かに向かって。

「BLだけどそういうの得意じゃない人にもふつうにおすすめできる面白い作品」とかそれって結局BLじゃなくてもいいよなーと思ってしまうので、そういうのを抜きに考えてみました。

今年はどうしても10冊に絞れなかったので、11冊挙げます。

 

11位    「ギヴン」キヅナツキ 

ギヴン (1) (ディアプラス・コミックス)

ギヴン (1) (ディアプラス・コミックス)

 

男子高生のバンドものBL。バンドでギタリストをしている主人公の立夏が、天性の歌声を持った不思議ちゃんなボーカルの真冬と運命的な出会いを果たしていくところからストーリーが展開していきます。迷い犬のように突然現れた真冬、実は過去にギター絡みの悲しい過去があり……というのが第1巻。

バンドものBLと聞いてだいたいの人が想像するような展開だとは思いますが、この作品の何が画期的かというと、主人公がやってるバンドが、大学生と組んでるインストバンドなんですよ。今まで、女性向けコンテンツにおいてバンドものなんて星の数ほどあったと思いますが、主人公がやってるバンドがインストバンドなんて史上初ではないだろうか。もともとインストしかやってなかったバンドなのに、真冬の歌声が欲しくて立夏がバンドに引き入れたストーリーがBLとして生きてきます。

その他、各キャラの好きな音楽と持ってる楽器から使用しているイヤホン、ヘッドホンのメーカーまで設定が存在するのですが、主人公の男子高生、立夏の好きな音楽の設定が「オルタナグランジ、エモ、スクリーモエレクトロニカアンビエントダブステップ」。同じバンドのベースの大学生、中山くんの好きな音楽は「邦楽ロックとかダンスミュージック系」しかも映画専攻でフランスのヌーヴェルヴァーグが好き。なんつーかこういう設定とか、いんすとばんどだとか、リアルだしそのうえで、ファンタジック!ですよね。

キヅナツキさんの漫画は同人でもよく読んでたのですが、女子のファンタジーフィルターを通して見た「男子のリアル」を掬い取るのがとってもうまいなあと思います。キャラクター設定に限らず、例えば立夏がクラスメイトとおしゃべりするその瞬間の男子のわちゃわちゃ感までいきいきとしてるのです。

何を描いてもはずれがない作家さんだとは思いますが、キヅナツキさんの魅力のリリカルさとか、男子のわちゃわちゃ感がこんなに生きるバンドものBLってどんぴしゃだったのではないかと思いました。

10位「五人のセフレとカグヤ王子」流星ハニー 

五人のセフレとカグヤ王子 (ビーボーイコミックスデラックス)

五人のセフレとカグヤ王子 (ビーボーイコミックスデラックス)

 

 姫野カグヤくんというきゃるんとしたカワイイ総受キャラを5人の男達が奪い合う、乙女ゲーかよっていうBLなんですが、やっぱBLなので、5人とお姫様キャラで6Pします。さらに、ライバルだった5人の男の子たちの中にも愛が芽生え、その中でさらにカップリングができていくんです。どうですか、世界は愛で満ちているでしょう。

「箱推し」っていう集団を愛でる文化があるじゃないですか。BLでも流行ってほしいんですよね、箱推しできるBL。5人いたら5人の中でしっちゃかめっちゃかに愛し合って、最終的には5人で愛し合えばいいじゃないかなと思います。

お姫様なカグヤくんが5人からの求愛を断れないのは、過去に義父にいたずらされてそれを拒むと家族が壊れると思っていたから…というトラウマが理由なのも、闇が深くて能天気な世界観とのギャップが良いし、1話からセックス、セックス、性行為三昧なのに最終的に「カグヤ、もうセックスしなくていいんだよ…そんなことしなくても俺たちは君が好きだ」と言ってセフレから脱却するのもよかったです。

9位 「ヤングコーンの王子様」ナリ

ヤングコーンの王子様 (POE BACKS)

ヤングコーンの王子様 (POE BACKS)

 

 平凡だけど料理上手な男子大学生の雅七が、ひょんなことからヤクザに料理を教えることに。ヤクザ達になぜ料理を学びたいのかを聞いたら、彼らが敬愛する「若」においしい料理を作ってあげたかったらしい。その「若」が雅七を気に入り、雅七は若をめぐるヤクザの抗争に巻き込まれていく…というあらすじ。

この雅七が凛々しくてかっこいいけどかわいさもある受で、とても自分好みな上に、コメディとしても十分面白かったです。雅料理を教わるヤクザ達がクセものでかわいい。ヤクザ物語のバイオレンスさと、料理というほがらかなテーマの組み合わせ方のバランスがすごく良い作品でした。

8位「犬と欠け月」ウノハナ

犬と欠け月 (マーブルコミックス)

犬と欠け月 (マーブルコミックス)

 

 怪我で引退したボクサーだった過去を持つトレーナー×現役でチャンピオンベルトを追うボクサーのBLです。

スポーツもののBLはやっぱりウノハナさんの真骨頂だなと思います。ウノハナさん多作だけど、やっぱスポーツBLがずば抜けて素晴らしい気がします。一見いかつくて朴訥としてるんだけど、純粋で、わんこなボクサーの岳が不器用にトレーナーである一弥に寄り添っていく姿はいじらしいし、それをかわしていく一弥の、大人であるがゆえのずるさとか臆病さもいい。ウノハナ先生の描く男性ってなんか独特の骨っぽさがあってみんなかっこいいんですけど、中でも岳と一弥は格別だなと思います。

あとこの作品は好きすぎてCDも買ったんですけど、羽多野さんの子供を惑わすオトナ声の一弥は最高だし、増田さんの、ちょっとコミュ障感のある口下手な岳もよかったです…。だーますさんの声はいい意味でちょっと生っぽいところが、ウノハナ先生の描く骨っぽい男性像に合ってました。

7位「寄越す犬、めくる夜」のばらあいこ

寄越す犬、めくる夜 1 (Feelコミックス オンブルー)

寄越す犬、めくる夜 1 (Feelコミックス オンブルー)

 

ヤクザ、裏社会、暴力のBLは結構流行ってますがこの作品が描く世界にはとにかく救いがないのが良いです。チンピラの菊池がカジノのお金を横領したのがバレて組からリンチされるのですが、お金がないからまた繰り返しちゃう。その救いようのなさ、弱さに、一見お人好しキャラの新谷は興奮して性行為に及ぶのです。不憫萌えなのだろうか。菊池の不憫さもいいですが、お人好しキャラが自分のどうしようもない業を突きつけられるのもたまらないです。

さらにこのカップリングだけじゃなくて、新谷のことを気に入ったやヤクザの会長の「オンナ」である須藤も出てきて今後たぶん三角関係に発展しそうなのも最高。須藤のビジュアルがまたすごくて、長髪でガリガリのやせ細った身体に両乳首ピアスで、黒ビキニとストッキングだけ履いて出てくる。この凶悪な感じ!ラスボス感のある雌猫のような受!最強ですね。

この最凶の雌猫の須川が新谷を押し倒して性行為に及んでるときに須川の飼い主の会長がやってきて、新谷の口の中に銃口をつっこむシーンの緊迫感もすごいし、それが終わって新谷が須川のストッキングを破ろうとするんだけど、「変態!」って須川に叫ぶ新谷と、「新谷くん、人のこと言えんの?」っていうすべてを見透かした須川のやりとりもすごい。須川みたいな凶暴なビッチ待ってた。2巻が楽しみです。

6位「プレイバック」吉田ゆうこ

プレイバック (Canna Comics)

プレイバック (Canna Comics)

 

 大学生のはじめが、出会い系で知り合ったサラリーマンの都築と、サークルの友人の安芸と二人同時に関係を持ち、二人の間で揺れ動く物語。しかし、都築と安芸は実は知り合いで、安芸は都築の存在を知りながらはじめに近づいていったので、はじめと安芸の恋が主軸になっています。

映画的なコマ運びに定評がある吉田さんの作品ですが、プレイバックはその美しさが極まってる作品だと思います。はじめが都築に入れ込んでいることを知って自ら近づいていった安芸が、カメラを覗きながら屋上で「その人と別れて、俺と付き合ってください」と言うシーンとか、安芸とはじめがやっと結ばれるシーンでラジオから流れる音とともに二人が抱き合うシーンとかうっとりします。

また、二人の距離感が近づいていく仕掛けが、実ははじめの交通事故によるものなのですが、その展開が少しSFというか日常の枠をほんの少しだけはみ出してて、よかったです。日常の半径を出ないBLって結構あるけどこういう仕掛けも必要ですね。

 5位「ロマンティック上等」森世

最近商業でも増えてきたオメガバース設定のBL。オメガバースといういわば男性の中でオスとメスを決めてしまうような設定を利用して、オスに経済的に寄りかかって生きようとする「腰掛けOL」のような受キャラを生み出したのがすごい。初めてこの作品の第1回を読んだ時は、BLという思考実験も、行き着く先に現実世界の世知辛さを描き出すのか……とつらくなったものでしたが、ちゃんと最後まで読むとこれほどBLっぽい話はないなと思います。オメガバースの世界で真に「BL」なるもの、それはβとかαとかを超越した愛!

そうだ。そうなんだよな。忘れてました。オメガバースという設定はBLにおいて男性同士の性愛を容易にすすめるために、「制度としての男性同士の性愛」を導入するものだと思っていましたが、本来BLっていうのは制度を超越した愛を描こうとしてたはず。BLの定型セリフとして「お前が男だろうが女だろうが関係ない、お前だから好きなんだ」というやつがあって、それを結局オメガバースでやるなら「お前がΩだろうがαだろうが関係ない!お前だから好きなんだ」ということ。もう、ならばオメガバースなんてなくてよくない?と思ってしまいました。オメガバースのシステムエラーを暴いてくれたすごい作品だなと思います。

森世さんと言えば、墓場に頭を打ち付けられながらそういう行為に及んでしまう非常に衝撃的なシーンがある「みっともない恋」もすごかったです。しかし、「ロマンティック上等」は一転して直球のラブストーリー。この振れ幅がすごいしどのアイデアも面白いので次回作も楽しみです。 

みっともない恋 (BABYコミックス)

みっともない恋 (BABYコミックス)

 

 

4位「起きて最初にすることは」志村貴子

両親の再婚で突然兄弟になった夏央と、ゲイの兄、公崇。弟は、兄が自室に同級生を連れ込んでいたしているところを目撃してしまった時から兄をキモいと言って遠ざけ、学校で兄がゲイであることを言いふらし、それが発端で兄は学校を辞めてしまいます。それにもかかわらず、兄は昔から変わらず弟が大好きで、拒否されてもめげずに性的な目で弟を狙っており…という話。

弟が自分を拒否するのは自分がそういう場面を見せてしまったからだ、という罪悪感から「オレちゃんとかっこよくなるから夏央の兄でいさせて」と泣いて懇願するだめすぎるお兄ちゃんもかわいいし、今までついてた悪態がすべてお兄ちゃんへの「好き」の裏返しだった夏央もかわいい。家族だからって、夏央の悪態が遠慮なくていいです。気を許してるからこそのわがままさ。だめでやっぱり気持ち悪いお兄ちゃんと、口の悪い弟のやりとりが志村さん特有の淡々とした語り口で描かれていくのが良かったです。

結局カップルになるのか、性的な関係は維持されていくのかなんとも曖昧になって終わってて家族愛と性愛の境界がよくわからないんですけど、固まりきらない関係性を描けるのはBLならではなんじゃないかなと思います。

3位「赤松とクロ」鮎川ハル

赤松とクロ (マーブルコミックス)

赤松とクロ (マーブルコミックス)

 

 男子大学生同士の直球なTHE日常BL。うだうだ考えて好きな気持ちを封印しようとする黒川と、それを持ち前の明るさとバカさで問答無用にこじあけて心の中に入り込んでいく赤松の、すんごい王道なBLなんですけど、やっぱこういうの好きだな…てしみじみ思いましたわ。

クロはその仏頂面でぐだぐだと煮え切らないモノローグ垂れ流してる暗い感じがキャラ萌えとしてドツボでした。ていうか赤松もクロもかっこいいんですよ。ふつうにそこらへんにいる大学生としてのかっこよさがある。そのうえで描かれるクロの受としての表情が妙にエロい。日常に潜むエロ。なんかでもこの漫画って架空の少年漫画のキャラの二次創作っぽくもあるかもしれません。それほどキャラがはっきりしてるってことでもあるのかな。

2位「片恋家族」ちしゃの実 

片恋家族 (バンブーコミックス Qpaコレクション)

片恋家族 (バンブーコミックス Qpaコレクション)

 

 ひとつ屋根の下に暮らす、ブラコンの志信と、その志信が愛する兄の将生と、将生の息子の和臣。実は和臣は叔父である志信を性的対象として見ていて、父の将生に嫉妬しており、ついに父の目を盗んで志信と肉体関係を持つことからストーリーが展開します。

志信は兄にも甥っ子の和臣にも家族愛を振りまいているんだけど、そこに和臣は性愛を返していくんですよ。この家族が故の片思いが切ない。

そして、一見家族として愛し合っている志信と将生にも家族であるがゆえのすれ違いがあり、それを家族であり恋人でもある和臣が救うのですが、もうここまでくると家族愛と性愛の境界が曖昧なんですよね。最終的には志信と和臣はカップルとして、そして家族としてまた同じ屋根の下で暮らすことになり、和臣と将生のライバル的な親子関係も前向きな感じで落ち着きます。家族愛の発露にセックスがたまたま入っちゃってるだけな感じ。私は昔、近親相姦が苦手だったんですけどこれが読めるのは、多分根底に流れてるのが家族愛だからなのかな?と思います。

でも、志信と和臣がキッチンでやっとの両思いセックスにいそしんでるところを将生に目撃されてしまうシーンはやっぱ背徳感あって、家族間の中に発生したエラーみたいでした。なんなんでしょうね……。

1位「夜はともだち」井戸ぎほう 

夜はともだち (POE BACKS Babyコミックス)

夜はともだち (POE BACKS Babyコミックス)

 

男子大学生同士のSM関係を描くBL。この作品が面白いのは、Mの人をいたぶるSの人が実はSMにそこまで入り込めてなくて、少し迷ってる様子のモノローグが出てくるところ。

ゲイでドMな飛田くんが好きで、Sを買って出た真澄だったけど、真澄はSになりきれなくて、SMをしていてもどこか二人の関係はぎくしゃくしています。でもドMの飛田くんにプレイとしてひどいことを散々してきたから、本当に真澄が悪態をついても、それも飛田くんにとってはプレイとしてご褒美のように受け止められてしまう。この関係性の不和の描かれ方が、素晴らしいなと思います。SMという役割を介した関係でいったんつながって、でもそこで役割以上の関係性がない不和に気づいて、それを乗り越えていくラブストーリーでした。

結局二人はおそらくわかりあえてないんだけど、最後は寄り添ってはいるのです。その静かなつながりの深まり方がわかるシーンとか読んでて胸がいっぱいになります。不和も含めて、つながりとするあたりがBLの醍醐味だと思いました。

 

おそ松さんもそうなんですけど、振り返ってみると2015年はとにかく「ひとつ屋根の下」な家族愛スレスレBLばっか好きになってた年でした。11冊には入らなかったけど秀良子さんの「STAY GOLD」も家族もので良かったなあ。

STAYGOLD 1 (IDコミックス gateauコミックス)

あと、11冊にはこれも入らなかったけどやっぱり木村ヒデサトさんのBLはすごい。「おれ、被害者」は短編集だったのであんまりぐっとくるものがなかったんですが、相変わらず面白かったです。でもアイデアは面白いけどBLじゃなくてもいいのかもしれないな…ってやつもあったので今年の新刊楽しみにしてます。

おれ、被害者 (シトロンコミックス)

おれ、被害者 (シトロンコミックス)

 

 2016年はもっとこまめにBLレビュー書けるといいなと思います……。

(取り急ぎ「ROMEO」めっちゃ面白かった)

2015年行った現場総まとめ

ジャンルごっちゃで2015年に行った現場をまとめます。

凡例;
◇…声優
◆…アイドル
☆…バンドなどその他

1/17 ◆☆SuG 東京女子流2マン
1/25 ◆綱島温泉湯会
 →ブクガを見に行きました。
1/24 ◇モテ福 DVD発売記念トーク、ハイタッチ会
→なんとなく申し込んで蕨で蒼井翔太くんとハイタッチした思い出。
1/31 ◇プリライ
2/8  ◇魅惑ツアーズトークイベント
→30分くらい遅刻していっただーますさんと石井マークトークイベ。マークがぽんこつで増田さんが空回ってる印象でした。
2/11 ◇OLDCODEX武道館
Rage Onでいきなり立ち上がってちょっとダサめにノリ始めたかんけいしゃ席の信長さんかわいかったです。
3/6 ☆Plastic Tree BEAT SHUFFLE公録
→メールがその場で読まれたことを覚えていますが(海外ならどこに行きたいですか?という)長谷川さんが予想通りの回答しかしませんでした。(ロンドンとのこと)
3/15 ◆SHINee東京ドーム
3/22 ◇Free!岩鳶鮫柄合同文化祭昼
3/22 ◇Free!岩鳶鮫柄合同文化祭夜
→昼の部が最前列で、初めてのSTYLE FIVEコンをそんなところで見れて幸せしかなかった。SPLASH FREEを歌う達央が宇宙一だいすき。
4/4  ◇よしまさせいごMy favorite Night公録
4/11 ☆Plastic Tree金沢
4/12 ◇ビタイベ昼
4/12 ◇ビタイベ夜
4/26 ◇ツキプロフェスタinラフォーレ原宿
5/1  ☆Plastic Tree名古屋
5/2  ◆ゆるめるも赤坂
5/7  ☆Plastic Tree渋公
5/10 ◆綱島温泉湯会
→最後の綱島温泉。ベルハーを初めて見ました。
5/16 ◇とらのあなFlyMe projectトークイベント
5/30 ◇アニメイトFlyMe projectトークイベント
→だーますさんが江口壮馬相手にがんばってた印象。
6/5  ◇GRANRODEO RGR
→おるどこでっくすはトップバッターで出てグラロデさんに言及せずさくっと札幌に移動し、後に出てきたムックが蘭鋳でグラロデを持ち上げるいい煽りをしていたときにバンドとしての地力を感じた。
5/6  ◇OLDCODEX札幌
→次の日に温泉行った。楽しかった。
6/13 ◇よしまさせいごMy favorite Night公録
→組み立て終わってないDVDをパーツごとにお渡しされるという斬新な試み。
最前だったのですが演者との距離がファミレスのテーブルの向かいくらいしかなかったおもいで。
6/14  ◆NEWS東京ドーム
6/20  ◇声優男子ですが… 公録
→この日の白井さんは良作画だった。
6/21 ◇ミリオンドール第0回ファンミーティング昼
6/21 ◇ミリオンドールイベント第0回ファンミーティング夜
→実は夜に吉野さんのコンサートのチケットあったんだけど衝動的にこっちとったっていう。楽しかった。プロのオタクと梅原さんの交流がうかがえて。
6/27 ◇「細谷佳正のちょっと聞いてって〜」発売記念お渡し会
→とにかくびっくりオドオドする細谷さんだった。イスに座るにしてもマイク持つにしてもオドオド感あった。「私もひとりジンギスカンしましたー」「おお?それは!ハードル高いですね!」ってびっくりしながら言われました。
6/28 ◇美男高校地球防衛部大絶叫会夜の部
7/4  ◆清竜人とpredia2マン
7/5  ◇こえずか昼
7/10 ◇OLDCODEX松山
道後温泉最高だった。あと、よーくさんのこと好きになってしまいました。。。
7/18 ◇美男高校地球防衛部 愛のファンミーティング昼
7/18 ◇OLDCODEX台場
7/19 ◇OLDCODEX台場
→なんかしらんけど号泣してた。
7/25 ◇七つの大罪FES 聖騎士の夜
7/26 ◇High×Jorkerお渡し会
→とにかく永塚くんができる子で、永塚プロのはじまりの一日だった。
7/26  ☆藤井隆 Cofee Bar Cowboy RELEASE PARTY
8/8  ◆Sexy Zone中島健人ソロコン
8/9  ◇美男高校地球防衛部LOVE祭り
8/16 ◇THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE 03・04 CD発売記念イベント
→永塚プロの全力ダンスと、白井さんの珍妙なダンス。
8/22 ◆ハロコン
8/23 ◇ひょろっと男子公録
8/23 ◇バンプレカフェニコ生公
→千葉のホテル泊まったあたりから楽しかったですね。
8/28 ☆藤井隆 Cefee Bar Cowboy Tour Final
8/29 ◇AT-X ソトの夏フェス
8/30 ◇ニッポン朗読アカデミーお渡し会
ニッポン放送の階段に並ばされて暑さと緊張で酸欠になった、いろんなライブ行ったけどあの日ほど身体の危険を感じた日はなかった。命がけのお渡しだった。西山くんの接触スキルはまじですごい。
9/4  ◇B-project 制作発表会
→入る前に入り口間違えた花江くんに遭遇し、キャストバレする。
9/5  ☆UVERworld 女祭り
9/6  ◇美男高校防衛部LOVE! Tour!
9/13  ◇枕男子パジャマパーティー
9/19  ◆音楽と人LIVE 2015 FREAKS CIRCUS
→メリーとベルハーのおたくのあい入れなさ。
9/20  ◇雨色ココア ココアパーティー
→チェキのレギュレーションが伝わってなかったので運営にキレて声あげたり、リアルクラウドファンディングという謎の概念が開発されたり(要は単価1万のチェキ。高えよ)、すごい一日だった。あんなにやばいイベントはこの先あるのだろうか。あったらやだ。
10/3  ◇「saison automne 秋」発売記念山谷祥生お渡し会
10/17 ◇大井町クリームソーダ「天使のお仕事」
10/18 ◇大井町クリームソーダ「天使のお仕事」1
10/18 ◇大井町クリームソーダ「天使のお仕事」2
10/18 ◇大井町クリームソーダ「天使のお仕事」3
→とにかく腰振りたろり。いやらしかった。
10/12 ☆Plastic Tree主催ライブ「虚を捨てよ、街へ出よう」
→田舎から出てきたお母さんの晴れ舞台を見てるような気分だった。楽しかった。RGRで逹瑯がやってた蘭鋳の煽り(ここで盛り上がると次のバンドが嫉妬して頑張るからみんなやってくれ)がここでも繰り出され、ムックの定番芸だということを知る。
10/21 ☆ザ ベストオブ藤井隆 AUDIO VISUAL リリイベ
10/22 ◇OLDCODEX at TIMM
→おるどこで一番あ、きょうもう倒れるかもと思ったライブだった。そしてこの時はもう、おるどこ行くのやめようとおもってたんですよね。
11/1 ◇Wお渡し会
11/7  ◇高知まんさい 声優魂高知大会決勝 西山宏太朗ミニトークショー
→塩かつおたたき超美味しかったな。
11/8 ◇AGF メガトレ入江玲於奈1日店長お渡し会
11/8 ◇AGF 壁ドンSONG白井悠介お渡し会
11/15 ◇THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE 05・06 CD発売記念イベント
11/15 ハイキュー舞台
11/16 ☆bulb ZIZ 2マン Hasegawa Calling
不惑を超えた生誕祭に、ほむほむの制服に綾波のカツラかぶってノリノリで歌うベーシスト、最高だろ。
11/21 ◇雨色ココア アメスタ公録 お渡し会
11/22 ☆ザ ベストオブ藤井隆 AUDIO VISUAL リリイベRELEASE PARTY
11/23 ◆maison book girl ワンマン
11/25 ☆Battles 六本木
11/28 ◇81 LIVE SALON昼
マリカーしてるときの内股の中島ヨシキかわいさ。忘れない。
11/28 ◇81 LIVE SALON夜
→推しが3人くらい双眼鏡におさまるイベント最高。
12/13 ◇福山ッスル冬の筋肉祭り 声優大運動会
12/13 ◇福山ッスル冬の筋肉祭り 後夜祭やりマッスル
12/16 ◇Hangover vol.3
→2回号泣した。
12/22 ◇◆清竜人ハーレムフェスタvol.5
12/29 ☆Plastic Tree年末ライブ ゆくプラくるプラ 海月リクエストの夕べ 前編
12/30 ☆Plastic Tree年末ライブ ゆくプラくるプラ 海月リクエストの夕べ 後編

総現場数 84

2015年の1/1にこんなツイートしてたのに、全然現場セーブできてなかった。

推し内訳
長谷川正 8
あまり推しかどうか謎だけど数えてみたら

2016は本気で現場減らす。すでにチケットとってないやつ結構有るし。
ということで来年もよろしくお願いします。

2015年男性声優楽曲大賞 今年の25曲(後編)

2015年男性声優楽曲大賞、後半は11位から始めます。

前編はこちら。

minaminanarial.hatenablog.com

 

11位 The dice are cast/QUARTET NIGHT

うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE レボリューションズ)

待ってたよ!カルナイのこういう曲!!!華やかな夜の香りがするサビが、QUARTET NIGHTを初めて聞いた時の高揚感をもう一度思い出させてくれました。カルナイって男性声優界で特に歌声が派手で濃いメンツを揃えていて、それぞれ組ませる相手を正直選ぶ人たちだと思うのですが、そういう人たちが4人集まるとちょうどいい塩梅になるんだなってひしひし思います。

 

10位 Seductive Summer/忍足侑士(CV.木内秀信

(新テニスの王子様

タイトル通りむせかえる夏の暑さを思わせる艶やかなホーンに彩られた、くっそおしゃれなアダルト歌謡曲。聞いていると「テニスの王子様」の忍足のキャラソンだって忘れそうになりますが、他でもない忍足役の声優木内さんが忍足のことを思って作詞作曲まで手がけたまごうことなきキャラソン、というところにこの曲のすごさを感じます。外部の人がそのキャラを理解しようとして作った曲ではこうはならないのでは。木内さんのことは恥ずかしながらこの曲で初めて知りましたが、木内さんがこの曲含めすべての作詞作曲を手がけた「You See?」は、その名曲揃いぶりに震えました。編曲者に松井寛、corin.が名を連ねているのもまた豪華。

 

9位 Shall we dance?/世良里津花(CV.花江夏樹)、村瀬大(CV.梅原裕一郎

SolidS vol.3)

走り出した恋のトキメキを歌った華やかな曲なのですが、派手さはなく、どことなく憂いを帯びた、祭りの後のような切なさのあるファンクになっています。ダンスという言葉を冠したディスコ/ファンクな曲は数あれど、こうした寂しげなさじ加減の曲は珍しいなと思います。花江くんの、のびのある高音と梅原さんのざらついた低音のコントラストもいいです。

SolidSのvol.3はどれも名曲なので今年イチの名盤と言ってもいいのでは。ランキングに入れようか最後まで悩んでたんですけど、花江くん演じるリッカソロの「Good Night My Darling」もほんとーーーに名曲。これはShall we dance?よりも、もっと実体のある寂しさを歌いあげるミディアムテンポの曲ですが、花江くんの歌声はどうしてこんなに寂しさを呼ぶのだろうと思います。個人的にこの歌詞はBLっぽいなと思ってて、花江くんのジェンダーレスな声と相まって、これを聴くとBL1冊読むくらいの満足感が。

 

8位 永久パラダイス/キタコレ(cv.小野大輔岸尾だいすけ)、THRIVE(cv.豊永利行花江夏樹加藤和樹)、Moons(cv.上村祐翔柿原徹也森久保祥太郎大河元気増田俊樹

B-project

オタクも持ってるヤンキーバイブス直撃のブチ上がりイントロから始まり、めくるめく展開とさまざまなボーカルに圧倒されてるうちに気づいたら曲が終わってしまうものすごい曲。ハニコさんも書いてたけど本当に機能的で現場で歌われることを最大の目的として作られたように思えます。男性声優の中でも声や歌い方にくせがある人ばっかり揃って、それぞれが各パートで個性を主張しつつも、1曲としてまとまった時に調和している感じ、まさに海鮮も肉も入った男性声優の横綱ちゃんこ鍋。鍋が食べたくなる1曲です。来年は西山宏太朗くんもBプロに追加されるということで、彼の個性がこの魑魅魍魎なメンツの中でどう生きるのかを思うと、楽しみでしかないです。

 

7位 Let’s Go!! LOVE Summer♪/地球防衛部(箱根有基(CV.山本和臣)、湯布院煙(CV.梅原裕一郎)、鬼怒川熱史(CV.西山宏太朗)、鳴子硫黄(CV.白井悠介)、蔵王立(CV.増田俊樹))

美男高校地球防衛部LOVE!

ピアノとホーンセクションが楽しげなオールドスクールなポップスに、忙しくなく挟み込まれるスカのリズム、そのうえで歌い出しなどはいきなりダッサダサな表拍になったりと、このガチャガチャ感がうれしい、楽しい、大好き!な2015年最高のサマーソング。防衛部のわちゃわちゃした感じにぴったりです。#最高の夏 だったな……。

2番の有基くんは主役にもかかわらず「助けてー」しか言ってないんですけど、ほんと、そういうところが防衛部らしさだなと思います。しかもこの「助けてー」が絶妙なんですよ。必要以上に大げさに助けを求めてなくて、あくまでも日常のよくある一コマとして、真剣に困った有基は「助けてー」と叫ぶんです。この大げさに言わないところに、「他人から自分がどう見えているのかを意識してなさ」つまり自意識のなさが伺え、それが有基くんと、CV.山本和臣さんの魅力なんだなと思います。

 

6位 初体験(First Experience)♡/ユズル&セナ (CV.蒼井翔太&CV.増田俊樹

全力少年達のおうたCD 3年生ユニット)

タイトルも歌詞もボーカルも「ザ・Rejet」といういかがわしさですが、80sなトラックがいかがわしさを増幅させつつオシャレさを放ち、聴くものを撹乱させる怪曲。蒼井翔太くんの艶かしいボーカルセンスは堂に入ったものですが、増田さんには増田さんなりのいかがわしさがあるなと思いました。幸村精市で、Max boysだった男が歌う「相当ギコチなさげに体位Switching♡」というサビが聞けるのはRejetだけ!

 

5位 たまにビター、それがベター/グリ(CV.島崎信長

(双子の魔法使いリコとグリ マジカルハット)

この曲の特筆すべき点はなんと言っても信長さんのラップです。信長さんていい声だし最近はとても表現力ある声優さんだなと思うんですけど相変わらず歌声が朴訥で、その素直な感じがたいへんよく現れたラップパートだったのでは、と思います。できてないとかそういうわけじゃないんだけど、なんか微妙にこなれてない、独特な味があるよね…。それにしても信長さんてやっぱいい声だなって、改めて気づかせてくれた曲でした。来年もさつきがてんこもり男性声優楽曲待ってます。

ちなみに、信長さんが過去に歌っていたさつきがてんこもり楽曲と言えばアニ○ズですが、この曲が発売された当日、奇しくも入江、西山、鈴木という当時のアニ○ズメンバーが集ってやってた大井町クリームソーダの第1回公演初日でもあったですね……。

 

4位 枕男子/めりぃ(CV.花江夏樹

枕男子

こんな曲、絶対に花江夏樹しか歌えないでしょ!!!!!ってほどに本人のパーソナリティと曲のコンセプトがマッチして圧倒的なポップさ、アニソンらしさを獲得した曲。っていうのも、2番の「僕としましょうよ〜」からの「今、へんなこと考えたでしょ?(無邪気な声のセリフ)」と来て「勘違いです!!!はっみっがっきー」と力強く歌い上げる流れを花江夏樹が歌い上げることがいかにギルティかを考えてみてください。ここでリスナーが言いたいことはただひとつ、「お前にいわれたかねーーーーーーよ!!!!」でしょ。数々のラジオで決してぼかさない下ネタをしれっと披露する花江くんの声で「僕としましょうよ〜」って言われたら100%下ネタにしか聞こえないのに、めりぃの声で無邪気に「今ヘンなこと考えたでしょ?」って言われると、本当に悔しい。花江夏樹ずるい。一般的な歌のうまさとは別の方向で花江くんの歌声はめちゃくちゃ”うまい”と言えると思います。そんな花江くんの持ってる才能を余すことなく感じさせてくれる大石昌良さんの曲。またこのコンビで曲作ってくださいお願いします。

 

3位 Against the Rules/apple-polisher(vo. NaL(CV.蒼井翔太))

DYNAMIC CHORD vocalCDシリーズvol.4 apple-polisher)

男性声優が歌うキャラソンて本当にロックが多いわけですが、こういうダンサブルなニューウェーヴ色の強いロックってなかなかないのでは。とにかくかっこいい、タイトな音の今っぽいロックに、過剰装飾気味で昭和的な蒼井翔太くんの歌声がとても合うという、すごい発見をさせてくれた曲でした。昭和的というのは全然disってなくて、むしろ蒼井翔太くんのハイカロリーで艶っぽい歌い方好きです。

DYNAMIC CHORDはバンドをメインにした乙女コンテンツですが、こうした既存の路線にはなかなかなさそうな、比較的骨太なロックの曲が多い印象です。同じDYNAMIC CHORD内のLiar-Sの「グッバイサブウェイ」もよかった。やっぱライブの後でファンを漁るのが楽しみだというバンドマンを描く乙女コンテンツなのでどこまでもリアリティ追求していくぜっていう気概が感じられますね。

 

2位 レッスンAtoB/柿原徹也

(アルバム「orange」)

こんなにたくさんの声色を使い分けてしっちゃかめっちゃかなロックを歌うなんて、まさに声優ならでは……と言いたいところだけど、これは完全に柿原徹也というくせのある人間のなせるわざなのでは!声優としてどうこうじゃなく!ハニコさんの言葉を引用すると本当に男性声優界の岡村靖幸って表現的確すぎる。そして、個性が強すぎる柿原徹也さんの魅力を骨も皮も余すことなく使い、更に120%にして曲にしちゃう佐伯youthKさん天才です……。

個性が強すぎるって、チャーミングではあるが、声優として結構ウィークポイントなのではって私は某声優さんを見ていて思うのですが、でも柿原さんが業界の荒波をサバイブしてこういう作品を残している姿を見ていると、柿原さんを憧れの存在としている彼も、未来は明るいのかもしれない、と思います。

 

1位 Re:born/Growth(衛藤昂輝 (CV.土岐隼一)、八重樫剣介(CV.山谷祥生)、桜庭涼太(CV.山下大輝)、藤村衛(CV.寺島惇太))

(ALIVE その3 Side.G)

現代音楽のような複雑なピアノのイントロから始まってドラムンベースに展開していき、突然変拍子が始まって、男性声優楽曲の中でも群をぬいて高難度なメロディとハーモニーをもって高みへと昇りつめる。この壮大な展開が素晴らしい曲だと思います。

アイドルコンテンツが雨後のたけのこのようにたくさん生まれた2015年でしたが、Growthは何もかもが変化球すぎました。かつてアイドルだったけれど事務所をやめた子達がもう一度「自分たちの音楽がやりたい」と新しい事務所へ所属することを目指すストーリーもさることながら、じょんさん特有のハモりへの偏執的なアプローチが見られるワールドミュージックのような曲の数々。わかりやすく売れ線ではないけれど、楽曲も歌唱もそれぞれクオリティがめちゃくちゃ高い。声優さんたちも毎回難しいって言いながらレコーディングに臨んでいるそうで、確かに歌手でもない人たちに歌わせる曲として「なんでここまでやるの?」って声も聞こえてきそうですが、それでもこれだけのクオリティの曲を生み出そうとする気概に感動すら覚えます。ということで、1位にしました。

Growthはほんと挑戦的なユニットだと思うので、来年の展開も引き続き楽しみです。2016年は山谷祥生さん売れてほしい!!!!

(去年の楽曲大賞で増田俊樹さん売れてほしいって書いたら2015年初頭刀剣乱舞に防衛部ですでに売れてる空気感あった……ので、もうすでに売れてるのかもしれない)

 

以上が2015年の私的男性声優楽曲大賞でした。改めてランキングをつけてみると、結局推し補正がめっちゃかかってしまってることに気づくけどおたくなので仕方ないよね……推しの人たちがいい曲歌ってくれるのを楽しみに2016年も元気におたくやっていこうと思います。永塚拓馬くんが声楽で鍛えた歌唱力を発揮してくれる曲待ってる。

おそ松さんのSIX  SAME FACESは12月発売のため、今回の楽曲大賞の選考外だったわけですが、どの松ver.も全部サイコーなんですが!しょっぱなハードル高い曲がリリースされてどうするんだ2016年。来年は、SIX SAME FACES超えをする曲がどれだけ出るか、という厳しい戦いになりそうです。

2015年男性声優楽曲大賞 今年の25曲(前編)

もう12月です。まだ振り返るには早いんじゃないの?と思わなくもないですが、今年のいい曲、今年のうちに。ということで、今年も男性声優楽曲大賞を@honeythestarのブログにならいやってみます。レギュレーションは一緒です。

・201412月~201511月に発表(発売ではない)された男性声優の楽曲が対象

・1枚のCDから選べるのは1曲だけ

・どうしてもこれは!と思う1枚のみ、2曲選んでもよい

引用元はこちらのダイアリー

d.hatena.ne.jp

  

ちなみに去年の私の男性声優楽曲大賞はこんな感じでした。

minaminanarial.hatenablog.com

 

昨年の反省を生かし、今年は少しずつチェックする範囲を広げ、いろいろと聴くことができました。そこで去年より10曲増やした「今年の25曲」を発表します。

 

25位 Bitter Aspiration/OLDCODEX

OLDCODEXは最近あまりにも、本人たちの趣味なのか、はたまたセールス戦略なのかゴリゴリのラウドロックばかり出すようになってきた印象があります。確かにわかりやすいし、そういう曲が好きな層に響きやすくていいと思うけどジャンルレスっていう最初に標榜したやつはどうなったのかなって最近思うんですが。そんなOLDCODEXが久々に出した軽い音のシンプルなロック。この曲もそうですが、そぎ落とせばそぎ落とすほどOLDCODEXは憂いやメランコリーを表現するのが得意なのだということがわかります。

「理想に束縛されて誰かが望んでるような存在でいることはもう疲れたんだ」という歌詞をうたいあげるTa_2さんの向こう側に彼の人生を見てしまいたくなる、胸に刺さってくる曲です。

 

24位 今夜、パリ8区で~Nuits a Paris~/四宮小次郎(CV.中村悠一

食戟のソーマキャラクターソングシリーズ)

フランス帰りの誇り高き料理人、四宮っぽさ全開の、ホーンが華を添えるおしゃれでアダルトな曲。しかし、おしゃれすぎずアダルトすぎないさじ加減が好きです。ゆーきゃんさんの声がこういう曲にとっても合う。

 

23位  GRAVITY!/Six Gravity

ツキウタ。

今年も数多の二次元男性アイドルがうまれ、いよいよ二次元男性アイドル戦国時代なんて呼ばれるようになりましたが(ていうか女性3次元アイドル戦国時代からもう5年くらい経ってる……)それぞれのユニットのメインテーマ曲を並べたらなんだかんだいってこのSix GravityのGRAVITY!が一番好きかもしれません。

アイドル楽曲って展開の起伏が激しくてなんぼなところがありますが、この曲は逆に頭のサビから終わりまでシンプルなところが好きです。難点なのはツキウタシリーズの豪華声優陣揃い踏みなのにユニゾンが微妙に噛み合ってないところでしょうか。でもそういう個性のまとまらなさも愛嬌…。

 

22位 Happy Cooking!!/奥結望(CV.入野自由

(ボーイフレンド(仮)キャラクターCDシリーズ)

曲のタイトル通りハッピーハッピーなぶりぶりかわいいアイドルポップスですが、入野自由さんの過剰なくらいの表現力と厚みのある歌声が乗ることで異様なものになっています。ありふれた曲っぽいけど凡百の声優が歌ってもこうはならないだろうな……と。

 

21位 Synchronic/羽多野渉

だいたい間違いないShinnosukeさんの曲。今年ハマったShinnosukeさん楽曲と言えばもう1曲、アイドリッシュセブンの「Fly away」もありましたが、それはたぶん2016年に音源化される気がするので割愛します。

この曲の80sJ-POPなサビのメロディはたまらなくくせになるのですが、羽多野さんの飾らない歌声ってガチの80年代男性歌手みたいでハマります。そういえば昨年みんなが大好きだった寺島拓篤さんの「JUMBLE TOWN」もShinnosukeさんの曲で、はたてらは二人していいshinnosuke曲を持っているのがずるい……。どこまでもはたてらだな。

 

20位 指先からはじまる愛/麗音(CV.梅原裕一郎

(星空ホールへおいでよ♪)

今年一番忙しかった若手声優と言っても過言ではない梅ちゃん。イケメン声優のレッテルが先行しまくってますが、そのたくさんある仕事内容をよく見ていくとキワモノが意外と多くて、アイドルオタ役でMIX打ってたり、「~なり☆」という語尾でぶりっこなキモオタになってたり、すぐ股を開くうえに痛いコ自称する女性視点の歌詞の曲を歌ってたり、喘ぎ声のような吐息を何度も漏らす曲を、2曲も歌っていたり……。そのうちの1曲がこれです。いったいイントロの梅原さんの吐息は必要だったのだろうか。しかも、歌詞も楽器擬人化だからって「俺の体があなたの綺麗な指憶えてる」「思わず漏れる吐息はあなたの望むままに/こんな鳴き方をするなんて/ああ初めて」「甘い音でエクスタシー(感じて)」という調子に乗るにもほどがある露骨さ。まあでも、梅ちゃんだからこそ歌える露骨に性的な曲なのかもしれません。

露骨な表現と吐息はさておいて、この陰鬱さから逃れないメロディとシンセドラムの音、詰め込まれすぎないシンプルなつくりにニューウェーヴを感じずにはいられないのですが……!男性声優の乙女系コンテンツを隠れ蓑にしてキュアーみたいなことをやろうとした結果なのでは……?と邪推したくなった曲でした。こういうよくわからない曲に出会えると男性声優楽曲は楽しい。

 

19位 CARMA/MEDICODE

(FlyMe Project)

今までありそうでなかった、V系と二次元コンテンツの真っ向コラボレーションから生まれたFlyMe project。アイジ作曲という、畑から産地直送でお届けするまっとうなV系楽曲を、若手声優のキングオブ器用者な斎藤壮馬くんが完璧に歌い上げています。壮馬くんはバンドはやってたけど全然V系は通ってなかったらしいので、ボーカルディレクションでここまでV系っぽく歌い上げるところに感動すら覚える。

周囲のバンギャルの方々が鶴丸国永にハマっていた時に、そっと「鶴丸国永がなぜかV系のボーカルをやってるよ」と言ってこの曲をおすすめしたかったです。はい、今したので聴いてみてください。

www.youtube.com

ちなみにSolidSのvol.2にある「フレア-FLARE-」も、壮馬くんがソロで歌っているのですが、MEDICODEのデビュー4年後の曲として聴けます。

 

18位 Just one kiss/Twinkle Bell 枢木 皐月(CV.森久保祥太郎) 枢木 睦月(CV.近藤隆)

(アイ★チュウ)

モロに80sポップスな陰鬱なメロディに、近藤さんと森久保さんの甘ったるい声がハマって心地よいです。時折入るドラムの音もおしゃれ。森久保さんの歌声は野菜にたとえるとセロリのようで主張が強すぎて好みが分かれるところだと思うのですが、こういうアクの強い曲と相性がいい。ここに、野菜にたとえると大根みたいな染まりやすい声がくると負けちゃいますからね、たぶんね。

アイチュウの曲は音源化するのだろうか。いまのところ音源がないので試聴を貼っておきます。


【アイ★チュウ】Just one kiss/Twinkle Bell 枢木 皐月(CV.森久保祥太郎) 枢木 睦月(CV.近藤隆)

 

17位 Just going now!!/地球防衛部(箱根有基(CV.山本和臣)、湯布院煙(CV.梅原裕一郎)、鬼怒川熱史(CV.西山宏太朗)、鳴子硫黄(CV.白井悠介)、蔵王立(CV.増田俊樹))

美男高校地球防衛部LOVE!

Bitter Aspirationに引き続きなんだけど、私はほんとこういうebaさんの切なげギターロックに弱い。

前も書いた気がするけど、この曲はイントロとアウトロがなく、歌声と楽器一緒に始まって終わる潔さが気持ち良いです。何より、おふざけアニメだった地球防衛部の一瞬だけ見えるシリアスシーンでいつも鳴らされてきたせいで、この曲に過剰なエモさを見出してしまう。どうしてあの防衛部にこんなエモい青春ソングが挿入歌として?ってずっと思ってたんですけど、防衛部のすごさはこういうところでベタに感傷を誘ってくるところなんだと思うのです。さらにイベントで、涙の2期発表の後にこの曲を歌われると、あれ、なんて美しい流れなんだ!って思ってしまいます。本当に本当に、本当に今年は美男高校地球防衛部にやられた一年でした。ハマるつもりはまったくなかったのにこわいです。それはまるで熱病のようでした。

っていうか「まだ今も覚めない青い春をただ駆け抜けたいから」っていう過剰にエモいフレーズは、つい最近までバイトしてたとか言う男性声優達に歌わせると、こちらも過剰に夢を見がち。そして同じ現象はSide Mでも起きがち。

 

16位 Voice of Sword/Knights(月永レオ (CV.浅沼晋太郎)、朔間凛月(CV.山下大輝)、鳴上嵐(CV.北村諒)、瀬名泉(CV.伊藤マサミ)、朱桜司(CV.土田玲央))

あんさんぶるスターズ!ユニットソングシリーズ)

キラキラしたゲーム系音楽は数あれど、これが「あーよくあるやつだ」とならなかったのは、ひたすらにキラキラした華やかな音の中に、ぱきっとした強めのビートとか、歪んだ音が欠片のようにちりばめられていたからなのかな、と思います。どっちかっていうとリア充が聞く音楽っぽい。それぞれの音がはっきりしているけれど上品にまとまっててまさにイエスマイロード。あとこれに限らずですが山下大輝くんの音に溶け込むようでいて主張が強い歌声がわりと好き。

 

15位 マシュマロガールに恋してる/桐生開志 CV.木村良平)&具志堅晃 CV.岡本信彦

S+h ボーカル&ドラマCD

ダイエットするって決めた10秒後にチョコレート食べちゃうだめな”私”に「君が好き」というエールをくれるイケメンアイドル達、というあまずっぱい90年代っぽい正統派ポップス。まずその登場人物設定が古いドラマみたいでなごみます。サビに入る「フワフワ」とか「もういっかい」っていうふざけた合いの手も、最初はイライラしますが、だんだんこのダサさが逆にありだな……とか、まあ木村良平だしな……とかで許せてきます。

 

14位 木漏れ日ダイヤモンド/一十木音也(CV.寺島拓篤

うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ クロスユニットアイドルソング

音也くんの曲としては意外なミディアムテンポの憂いのある曲。イントロのあたたかみのあるアコースティックな音色の曲がぱたっと止んで、突然入り込むキックの音によって印象をがらりと変えて歌がはじまるところが、なんだか切なくて良いです。「幸せを積み上げてくとなぜだろ?こんなに不安で」とか「君よりも俺のほうが大好きな気持ちは上だよ/でもなんかさちょっと悔しいじゃん」だとか、音也くんにも幸せに裏打ちされたこんなネガティブな感情があったのか!っていう発見をさせてくれた曲。ずるいな~音也くん好きになっちゃうじゃんこんなこと考えてるなんてわかったら……。

 

13位 ∞ Possibilities/S.E.M(硲道夫(CV.伊東健人)・舞田類(CV.榎木淳弥)・山下次郎(CV.中島ヨシキ))

攻撃的なイントロからはじまり、ふっと浮きあがるような転調するサビが気持ち良い、文句なしに聞いててブチ上がる曲。ヨシキも歌がうまいのに、イトケンの歌のうまさは異常でしょ……。歌がうまい人にはいい曲が寄ってくる法則は絶対あると思うので今後のS.E.Mっていうかイトケンと、あとヨシキに目が離せない。S.E.Mのリリイベに、さらにライブサロンまで行って、最近完全に中島ヨシキに謎のエナジーを感じるようになってしまいました。リリイベのヨシキは場を支配していて、デキる男って感じだったし、ライブサロンでももちろんデキる男だったけど、マリオカートやってる時に内股に座ってたのがみょうにかわいくて、でも乙女殺しセリフを言うときのドヤ顔にイライラしました。でもときめいてたの……それは間違いない。

ていうかSoffiveってやっぱすごいユニットだったんだな…ってひしひしと思うのでまたユニット活動あるといいね。

 

12位 STAY WITH ME/桃越ハル(CV.鈴村健一

(ボーイフレンド(仮)キャラクターCDシリーズ)

桃越くんはクラブ通いが好きでプレイボーイなDJ男子高生のはず。歌詞も「アガろうぜさあこのビートで」なんてあるのですが、なぜかこの曲はパリピっていうには上品すぎるオシャレハウス風味です。キャラ的にアゲアゲEDMにしてもよかったはず。でも断然こっちのほうがいい。イントロから印象的なアコースティックギターの音色がたまらなく大人。最高です。鈴村さんのアダルトな声がとってもマッチしてます。

 

前編はここまで。11位以降は来週あたりに更新します。

ラウドロック苦手だったけど好きになれた曲でつくるOLDCODEXプレイリスト

鈴木達央さん、今年もお誕生日おめでとうございます。もう32歳ですか。

初めて鈴木達央さんのお誕生日を祝ったのは30歳の頃でした。いまだに2年前のあのエントリを読んでいただくことがちらほらとあるようですが、あれから2年も経ったのか…と思うと感慨深いですね。

minaminanarial.hatenablog.com

まあ、たかが2年なんだけど。あの時は、たぶん3ヶ月で飽きるだろうなって思ってたんですよね……。すっかり11/11に鈴木達央さんのネタでブログを更新する自分ルールが出来上がってしまったので、今年も更新したいと思います。

https://instagram.com/p/9I5Z4hgTug/

ありがとうございました。

 

正直に言うと、OLDCODEXが最初は全然好きになれませんでした。2年前、勢いでライブのチケットをとったはいいが、その日が来るのがやや鬱だった時もあったほど。もともとバンドは好きだし、バンギャルをやった時期や夏フェス厨みたいな感じだった時期もあってスタンディングのライブに行くことに慣れてる方だとは思うのですが、重低音響くラウドロックの類が昔からそこまで好きになれなかった……。あとはライブのノリがね、こういうの青春時代に通ってないな異文化だなって思う時が……。まあその話は今回置いておくとしても、自分から率先して聴くようなジャンルじゃなかったので、最初は戸惑ったわけです。

でも、さまざまな曲を知っていくと、実はこのバンドってラウドロック一辺倒でもないんだなってことがわかってきました。まあもともとボーカルの人が「俺はアニソンがやりたいとかロックがやりたいとか、ジャズがやりたいとか、そういうのじゃない。音楽がやりたいんだよ」って言って作ったバンドなので、OLDCODEXが標榜する音楽性は「ジャンルレス」なんですよね。

(ちなみにこの話は笑うところで私はいいと思ってる)

(あと、最近は実際ジャンルレスなのか……っていうとちょっと違うかなと私は思います)

 

そこで、今回は最初こそラウドな感じが苦手だった私が選ぶOCDの好きな曲プレイリストを書いていきたいと思います。収録元はなるべくアルバムで書いてみました。

 

1. [Blue](1stミニアルバムOLDCODEX」収録

OCDにRage Onから入った身として意外すぎた1曲。ポストロックっぽいAメロから少しずつラウドになる展開が最高すぎる。あとエモい、ラウドっぽいボーカルばかりが目立つOCDの中で一際シンプルなボーカルが聴ける曲。大好きすぎる。

 

2. optimistic negative things(3rdアルバム「A Silent, within The Roar」収録)

ゴリゴリのラウドな部分とエレクトロな部分が折り重なる変な構成で大好きです。エフェクターバリバリのTa_2さんのボーカルがまた神々しいです。

 

3. Stained me(11thシングル「Feed A」収録)

これも2番目のontみたいにいろいろなテイストのパッチワークで鵺(ぬえ)のような構成になってて好き。いろいろ詰め込まれてるわりに一貫してある切ない感じがまたよし。あれ、ラウドは苦手とか言ったわりにこういう曲入れたのか…って今私も思いました。

 

4. HEAVEN(2ndアルバム「CONTRAST SILVER」収録)

初めての武道館公演で聴いて改めて思ったけどほんとこの曲ってOLDCODEXの中で異質だなと思います。OLDCODEXってさまざまな人から楽曲提供されてるので統一感がないのは当たり前(そして、それはいいことだと思う)だけど、ここまではっきり異質な曲は他にない気がする。たぶんOCDにはパンクっぽい潔くいろいろそぎ落としてつくられたかっこよさを持った曲が少ない。過去も今も割と展開を派手に、メロを泣かせるように盛っていくような曲が多いからかな?INORANってすごいなっていう曲ですね。

 

5. cresc.(1stミニアルバム「OLDCODEX」収録)

Ta_2さんのボーカルの素晴らしさ。特に高音。声優の鈴木達央は好きだけどOLDCODEXはどうでもいいって思ってる人にもこの曲だけは聴いて欲しいなと思いました。

 

6. Cold hands(2ndアルバム「CONTRAST SILVER」収録)

R・O・Nくん楽曲の魅力はバンドサウンドと打ち込みをうまく融合させつつサビで泣かせにかかるエモさ、だと思うのですがまさにそれ、な曲。大好き。

 

7. 美しい背骨(6thシングル「The Misfit Go」収録)

この曲のTa_2さんのボーカルもやはり泣かせにかかる素晴らしい曲。シンプルな曲にこそTa_2さんの歌声の力強さがあらわれると思う。

 

8. Achromatic habit(2ndアルバム「CONTRAST SILVER」収録)

これも美しい背骨の流れを汲んでうっとりしちゃう曲。

楽曲の話からそれるけど、この曲で歌われているYORKE.さんの心象風景の話(落ち込んで下を向いているとき、自分の影が見えなくて雨が降ってることにやっと気づいた、みたいな話だったっけ?)ってTa_2さんが思春期のころ実家で夕日に向かって胸がいっぱいになって叫んでたとかって話とかぶるなあと思うんですよね。はたから聞いてると「よくわかんねーよ」ってなる感受性を二人とも持ってるってところが。たぶんきっと二人とも誰とも分かちあったことない寂しさみたいなものを知ってる二人なのかなって。

 

9. WALK(3rdアルバム「A Silent, within The Roar」収録)

ここで一気に気持ちを切り替えて、黒バスの楽しいEDだったWALKへ。これ以上ないというほどバスケアニメのEDとして最高なんじゃないかって思います。

 

10. スクリプト(2ndミニアルバム「FLOWER」収録)

最近ライブでも終盤でよくやってますよね。スクリプトの延長線上にWALKがあると思ってるんですけどこの路線の曲もっと増やして欲しいです。

 

11. Bitter Aspiration(3rdミニアルバム「pledge」収録)

「pledge」の曲にヘヴィなものが多かったので、この曲の軽さが逆にすごい印象的だったシンプルなギターロック。ライブ終盤で聴くとやたらと切なさと焦燥感がこみあげてくるので大好きになりました。

「理想に束縛されて誰かが望んでるような存在でいることはもう疲れたんだ」っていう部分を吐き捨てるように歌うTa_2さんが見られるのもよい。歌ってる人が作詞した言葉じゃないのに、本人の言葉のように聞こえることがOCDはよくある気がする。特にYORKE.さんが詞を書くようになってから。こういうのが、楽器の人が誰もいないのに二人でバンドを続けることを選択しただけあるなあと思う。

 

12. sleepy seaside hamlet(2ndアルバム「CONTRAST SILVER」収録)

OCDで一番好きな曲あげてくれって言われたら、この曲かも。

Bitter Aspirationもそうなんですけど、ほんとシンプルでともすればダサいとも言えるギターロックでもめちゃめちゃ説得力をもって聞けてしまうのはやっぱTa_2さんのボーカルによるところが大きいのかもしれない。この曲は中でも切なさが群を抜いてる。

 

13. Steal Mine(9thシングル「Dried Up Youthful Fame」収録)

  またはSick of it(2ndミニアルバム「FLOWER」収録)

ラウドロックが苦手だ苦手だって書いておいてあれかもしれないけどメロコアっぽい曲は苦手ではなかった。むしろ割と好きだと気づいたのがこの2曲。Steal Mineはもっとライブでやって欲しい。Sick of itはライブの締めとして最近定着してしまいましたが、最後にこの曲で、フロアのぐちゃぐちゃ感が最大になってみんなモッシュしだすのがいいです。ネットとかで散々ぐだぐだ言いがちなファンを抱えたバンドですが、そういうウダウダをすべて薙ぎはらうかのごとく、ぶちかまされる。もうみんなウダウダ言ってないでここでみんな素手で殴り合えば?みたいな。様々な思惑をもったいろんなファンを抱えているけど、結局みんなこの曲で燃え尽きるようにはしゃぐ、笑顔のTa_2さんが大好きっていう意見で一致するんだと思う。

 

2015年に入ってからというのも、個人的に興味の対象となる声優さんが増え、鈴木達央さん以外の声優さんの活躍に触れる機会が多く、着々とまごうことなき声豚の道を歩いてる気がするんですが、どんな声優さんの魅力に触れても、やっぱ鈴木達央さんみたいな面倒だけど愛しい声優さんてなかなかいないよなあって実感しています。今年もDiaryの面倒な感じ楽しみにしてます。こういうこと言うとほんと怒ると思うのでエゴサとかあんまりしないで欲しいけど、意外とエゴサとかしちゃうところがまた愛しいです。32歳も輝ける一年でありますように。あと正直、今年に入ってから好みの曲が少ないのでもっと挑戦的な楽曲をお願いしますOLDCODEXには。