パノラマロジック

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2015年男性声優楽曲大賞 今年の25曲(前編)

もう12月です。まだ振り返るには早いんじゃないの?と思わなくもないですが、今年のいい曲、今年のうちに。ということで、今年も男性声優楽曲大賞を@honeythestarのブログにならいやってみます。レギュレーションは一緒です。

・201412月~201511月に発表(発売ではない)された男性声優の楽曲が対象

・1枚のCDから選べるのは1曲だけ

・どうしてもこれは!と思う1枚のみ、2曲選んでもよい

引用元はこちらのダイアリー

d.hatena.ne.jp

  

ちなみに去年の私の男性声優楽曲大賞はこんな感じでした。

minaminanarial.hatenablog.com

 

昨年の反省を生かし、今年は少しずつチェックする範囲を広げ、いろいろと聴くことができました。そこで去年より10曲増やした「今年の25曲」を発表します。

 

25位 Bitter Aspiration/OLDCODEX

OLDCODEXは最近あまりにも、本人たちの趣味なのか、はたまたセールス戦略なのかゴリゴリのラウドロックばかり出すようになってきた印象があります。確かにわかりやすいし、そういう曲が好きな層に響きやすくていいと思うけどジャンルレスっていう最初に標榜したやつはどうなったのかなって最近思うんですが。そんなOLDCODEXが久々に出した軽い音のシンプルなロック。この曲もそうですが、そぎ落とせばそぎ落とすほどOLDCODEXは憂いやメランコリーを表現するのが得意なのだということがわかります。

「理想に束縛されて誰かが望んでるような存在でいることはもう疲れたんだ」という歌詞をうたいあげるTa_2さんの向こう側に彼の人生を見てしまいたくなる、胸に刺さってくる曲です。

 

24位 今夜、パリ8区で~Nuits a Paris~/四宮小次郎(CV.中村悠一

食戟のソーマキャラクターソングシリーズ)

フランス帰りの誇り高き料理人、四宮っぽさ全開の、ホーンが華を添えるおしゃれでアダルトな曲。しかし、おしゃれすぎずアダルトすぎないさじ加減が好きです。ゆーきゃんさんの声がこういう曲にとっても合う。

 

23位  GRAVITY!/Six Gravity

ツキウタ。

今年も数多の二次元男性アイドルがうまれ、いよいよ二次元男性アイドル戦国時代なんて呼ばれるようになりましたが(ていうか女性3次元アイドル戦国時代からもう5年くらい経ってる……)それぞれのユニットのメインテーマ曲を並べたらなんだかんだいってこのSix GravityのGRAVITY!が一番好きかもしれません。

アイドル楽曲って展開の起伏が激しくてなんぼなところがありますが、この曲は逆に頭のサビから終わりまでシンプルなところが好きです。難点なのはツキウタシリーズの豪華声優陣揃い踏みなのにユニゾンが微妙に噛み合ってないところでしょうか。でもそういう個性のまとまらなさも愛嬌…。

 

22位 Happy Cooking!!/奥結望(CV.入野自由

(ボーイフレンド(仮)キャラクターCDシリーズ)

曲のタイトル通りハッピーハッピーなぶりぶりかわいいアイドルポップスですが、入野自由さんの過剰なくらいの表現力と厚みのある歌声が乗ることで異様なものになっています。ありふれた曲っぽいけど凡百の声優が歌ってもこうはならないだろうな……と。

 

21位 Synchronic/羽多野渉

だいたい間違いないShinnosukeさんの曲。今年ハマったShinnosukeさん楽曲と言えばもう1曲、アイドリッシュセブンの「Fly away」もありましたが、それはたぶん2016年に音源化される気がするので割愛します。

この曲の80sJ-POPなサビのメロディはたまらなくくせになるのですが、羽多野さんの飾らない歌声ってガチの80年代男性歌手みたいでハマります。そういえば昨年みんなが大好きだった寺島拓篤さんの「JUMBLE TOWN」もShinnosukeさんの曲で、はたてらは二人していいshinnosuke曲を持っているのがずるい……。どこまでもはたてらだな。

 

20位 指先からはじまる愛/麗音(CV.梅原裕一郎

(星空ホールへおいでよ♪)

今年一番忙しかった若手声優と言っても過言ではない梅ちゃん。イケメン声優のレッテルが先行しまくってますが、そのたくさんある仕事内容をよく見ていくとキワモノが意外と多くて、アイドルオタ役でMIX打ってたり、「~なり☆」という語尾でぶりっこなキモオタになってたり、すぐ股を開くうえに痛いコ自称する女性視点の歌詞の曲を歌ってたり、喘ぎ声のような吐息を何度も漏らす曲を、2曲も歌っていたり……。そのうちの1曲がこれです。いったいイントロの梅原さんの吐息は必要だったのだろうか。しかも、歌詞も楽器擬人化だからって「俺の体があなたの綺麗な指憶えてる」「思わず漏れる吐息はあなたの望むままに/こんな鳴き方をするなんて/ああ初めて」「甘い音でエクスタシー(感じて)」という調子に乗るにもほどがある露骨さ。まあでも、梅ちゃんだからこそ歌える露骨に性的な曲なのかもしれません。

露骨な表現と吐息はさておいて、この陰鬱さから逃れないメロディとシンセドラムの音、詰め込まれすぎないシンプルなつくりにニューウェーヴを感じずにはいられないのですが……!男性声優の乙女系コンテンツを隠れ蓑にしてキュアーみたいなことをやろうとした結果なのでは……?と邪推したくなった曲でした。こういうよくわからない曲に出会えると男性声優楽曲は楽しい。

 

19位 CARMA/MEDICODE

(FlyMe Project)

今までありそうでなかった、V系と二次元コンテンツの真っ向コラボレーションから生まれたFlyMe project。アイジ作曲という、畑から産地直送でお届けするまっとうなV系楽曲を、若手声優のキングオブ器用者な斎藤壮馬くんが完璧に歌い上げています。壮馬くんはバンドはやってたけど全然V系は通ってなかったらしいので、ボーカルディレクションでここまでV系っぽく歌い上げるところに感動すら覚える。

周囲のバンギャルの方々が鶴丸国永にハマっていた時に、そっと「鶴丸国永がなぜかV系のボーカルをやってるよ」と言ってこの曲をおすすめしたかったです。はい、今したので聴いてみてください。

www.youtube.com

ちなみにSolidSのvol.2にある「フレア-FLARE-」も、壮馬くんがソロで歌っているのですが、MEDICODEのデビュー4年後の曲として聴けます。

 

18位 Just one kiss/Twinkle Bell 枢木 皐月(CV.森久保祥太郎) 枢木 睦月(CV.近藤隆)

(アイ★チュウ)

モロに80sポップスな陰鬱なメロディに、近藤さんと森久保さんの甘ったるい声がハマって心地よいです。時折入るドラムの音もおしゃれ。森久保さんの歌声は野菜にたとえるとセロリのようで主張が強すぎて好みが分かれるところだと思うのですが、こういうアクの強い曲と相性がいい。ここに、野菜にたとえると大根みたいな染まりやすい声がくると負けちゃいますからね、たぶんね。

アイチュウの曲は音源化するのだろうか。いまのところ音源がないので試聴を貼っておきます。


【アイ★チュウ】Just one kiss/Twinkle Bell 枢木 皐月(CV.森久保祥太郎) 枢木 睦月(CV.近藤隆)

 

17位 Just going now!!/地球防衛部(箱根有基(CV.山本和臣)、湯布院煙(CV.梅原裕一郎)、鬼怒川熱史(CV.西山宏太朗)、鳴子硫黄(CV.白井悠介)、蔵王立(CV.増田俊樹))

美男高校地球防衛部LOVE!

Bitter Aspirationに引き続きなんだけど、私はほんとこういうebaさんの切なげギターロックに弱い。

前も書いた気がするけど、この曲はイントロとアウトロがなく、歌声と楽器一緒に始まって終わる潔さが気持ち良いです。何より、おふざけアニメだった地球防衛部の一瞬だけ見えるシリアスシーンでいつも鳴らされてきたせいで、この曲に過剰なエモさを見出してしまう。どうしてあの防衛部にこんなエモい青春ソングが挿入歌として?ってずっと思ってたんですけど、防衛部のすごさはこういうところでベタに感傷を誘ってくるところなんだと思うのです。さらにイベントで、涙の2期発表の後にこの曲を歌われると、あれ、なんて美しい流れなんだ!って思ってしまいます。本当に本当に、本当に今年は美男高校地球防衛部にやられた一年でした。ハマるつもりはまったくなかったのにこわいです。それはまるで熱病のようでした。

っていうか「まだ今も覚めない青い春をただ駆け抜けたいから」っていう過剰にエモいフレーズは、つい最近までバイトしてたとか言う男性声優達に歌わせると、こちらも過剰に夢を見がち。そして同じ現象はSide Mでも起きがち。

 

16位 Voice of Sword/Knights(月永レオ (CV.浅沼晋太郎)、朔間凛月(CV.山下大輝)、鳴上嵐(CV.北村諒)、瀬名泉(CV.伊藤マサミ)、朱桜司(CV.土田玲央))

あんさんぶるスターズ!ユニットソングシリーズ)

キラキラしたゲーム系音楽は数あれど、これが「あーよくあるやつだ」とならなかったのは、ひたすらにキラキラした華やかな音の中に、ぱきっとした強めのビートとか、歪んだ音が欠片のようにちりばめられていたからなのかな、と思います。どっちかっていうとリア充が聞く音楽っぽい。それぞれの音がはっきりしているけれど上品にまとまっててまさにイエスマイロード。あとこれに限らずですが山下大輝くんの音に溶け込むようでいて主張が強い歌声がわりと好き。

 

15位 マシュマロガールに恋してる/桐生開志 CV.木村良平)&具志堅晃 CV.岡本信彦

S+h ボーカル&ドラマCD

ダイエットするって決めた10秒後にチョコレート食べちゃうだめな”私”に「君が好き」というエールをくれるイケメンアイドル達、というあまずっぱい90年代っぽい正統派ポップス。まずその登場人物設定が古いドラマみたいでなごみます。サビに入る「フワフワ」とか「もういっかい」っていうふざけた合いの手も、最初はイライラしますが、だんだんこのダサさが逆にありだな……とか、まあ木村良平だしな……とかで許せてきます。

 

14位 木漏れ日ダイヤモンド/一十木音也(CV.寺島拓篤

うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ クロスユニットアイドルソング

音也くんの曲としては意外なミディアムテンポの憂いのある曲。イントロのあたたかみのあるアコースティックな音色の曲がぱたっと止んで、突然入り込むキックの音によって印象をがらりと変えて歌がはじまるところが、なんだか切なくて良いです。「幸せを積み上げてくとなぜだろ?こんなに不安で」とか「君よりも俺のほうが大好きな気持ちは上だよ/でもなんかさちょっと悔しいじゃん」だとか、音也くんにも幸せに裏打ちされたこんなネガティブな感情があったのか!っていう発見をさせてくれた曲。ずるいな~音也くん好きになっちゃうじゃんこんなこと考えてるなんてわかったら……。

 

13位 ∞ Possibilities/S.E.M(硲道夫(CV.伊東健人)・舞田類(CV.榎木淳弥)・山下次郎(CV.中島ヨシキ))

攻撃的なイントロからはじまり、ふっと浮きあがるような転調するサビが気持ち良い、文句なしに聞いててブチ上がる曲。ヨシキも歌がうまいのに、イトケンの歌のうまさは異常でしょ……。歌がうまい人にはいい曲が寄ってくる法則は絶対あると思うので今後のS.E.Mっていうかイトケンと、あとヨシキに目が離せない。S.E.Mのリリイベに、さらにライブサロンまで行って、最近完全に中島ヨシキに謎のエナジーを感じるようになってしまいました。リリイベのヨシキは場を支配していて、デキる男って感じだったし、ライブサロンでももちろんデキる男だったけど、マリオカートやってる時に内股に座ってたのがみょうにかわいくて、でも乙女殺しセリフを言うときのドヤ顔にイライラしました。でもときめいてたの……それは間違いない。

ていうかSoffiveってやっぱすごいユニットだったんだな…ってひしひしと思うのでまたユニット活動あるといいね。

 

12位 STAY WITH ME/桃越ハル(CV.鈴村健一

(ボーイフレンド(仮)キャラクターCDシリーズ)

桃越くんはクラブ通いが好きでプレイボーイなDJ男子高生のはず。歌詞も「アガろうぜさあこのビートで」なんてあるのですが、なぜかこの曲はパリピっていうには上品すぎるオシャレハウス風味です。キャラ的にアゲアゲEDMにしてもよかったはず。でも断然こっちのほうがいい。イントロから印象的なアコースティックギターの音色がたまらなく大人。最高です。鈴村さんのアダルトな声がとってもマッチしてます。

 

前編はここまで。11位以降は来週あたりに更新します。