THE FIRST FINAL@ぴあアリーナMMを見に行った。
最高すぎた…明日からアキテクの会費倍額払いたいです #THEFIRSTFINAL
— ななりりっくす (@nanalyrics) 2022年1月30日
なんかもう若い男の子なんてみんなおなじにみえるし…と思っていたのに、いろいろなきっかけがあり、オーディション番組「THE FIRST」をHuluで完走し、まんまとハマってしまった。
今回のTHE FIRST FINALは、「THE FIRST」の合宿選考まで残ったメンバー+αが全員出る”卒業式”と銘打たれた、オーディション再現ライブ。色々と考えたことが多かったので以下、感想をいくつか残しておこうと思う。
ダサくても人生は続いていく
オーディション再現ライブということで、このライブはグループとしてデビューできたメンバーと、選考から漏れてしまったメンバーが一緒にステージに立つ。グループに入れなくても事務所に練習生として所属できた人もいれば、単純に落ちただけの人もいた。
番組なので、視聴者には脱落者が「ああ、この行動が仇になって脱落したのか」というのがある程度腑に落ちるような編集で見せられる(それが本当にクリティカルなミスだったかはわからないけど)。配慮の行き届いた番組だったとはいえ、ただかっこ悪い印象だけを視聴者に残し、脱落者は去っていく。
脱落者の去っていく背中見るのが結構つらかった。選ばれなかった瞬間なんていくらでも人生にあるから。だから、脱落した人が元気に歌い踊る「その後のかっこいい姿」を見せてくれたのは、視聴者としても救いに思えた。
SKY-HIがしきりに「何かになろうとする姿はみんな美しい」、「俺はここにいる全員の人生を応援する」と言っていた。
「時にダサくもあるかもしれないし、かっこ悪いし笑われるかもしれないけど」と。
オーディション番組のハッピーエンドに必要なのは華々しくデビューして活躍する一部のメンバーだけかもしれない。コンテンツとしての側面から見たら脱落者のストーリーはそこで終わってしまっている。でも、ライブを見ていると脱落者には脱落者が主役の人生が続いていくことをいやおうなく意識させられた。
人生はコンテンツじゃないので、ダサかろうが続いていく。そんなことは当たり前だけど、オーディション番組を見てると抜け落ちがちな視点に改めて気付かされたライブだった。そして、それはなにもオーディション参加者だけじゃなく、観客の我々も同じなんだなと、SKY-HIのMCを聞きながら思った。
Show Minor Savageとショウタくんー
続いていくグループと続かなかったグループについて
オーディションの最終選考でメンバーが好きにグループを組み、セルフプロデュースでパフォーマンスする課題があった。私はそこで結成されたソウタとショウタとマナトのユニットShow Minor Savageがめちゃくちゃに好きになってしまった。
▼これの29:56くらいからみれる
そして、この日のライブでも3人でのパフォーマンスが当然披露されたわけなんですが、やっぱりどっからどう見ても最高だった…。
ソロアーティスト活動をしていて、洗練されたクリエイティビティをもつショウタと、絶対的な安定感と生来の色気を備えたパフォーマンスをするマナト、ダンスアスリートとしての実績に裏打ちされた力強いダンスとラップをするソウタ。それぞれに持ち味がちょっとずつ違うんだけど、共通して音楽がめちゃくちゃ好きで、音楽への愛情がストレートに出力されたパフォーマンスが魅力になっていると思う。
この日のShow Minor Savageは、下手から歩きながら登場した。おしゃべりしながら歩いているように、歌とダンスを見せる演出は3人のパフォーマーとしての意気込みが現れているような気がしてうれしかった。喋るように歌い、遊ぶように踊っていた。
少しタイミングが違えば全然別の場所で活動していたかもしれない3人が、みずから「重なる瞬間(いま)偶然じゃない」と、この出会いへの思い入れを歌うのが、最終選考で披露した楽曲「No Cap Navy」だ。
オーディション後のインタビューでソウタは、”ショウタとは、一緒にデビューしてこんな活動がしたいなどと、オーディション最中から話していた”と語っていて、それほどこの人たちの結びつきは本人たちがしっくりくるものだったんだろうなと思う。
しかし、BE:FIRSTになったのは結局ソウタとマナトだけだった。
ショウタはソロアーティストのAile The Shotaとして事務所に所属することになった。元々ソロで活動していたショウタは、結果的に夢をつかんだ形になったわけだけど。
Show Minor Savageのパフォーマンスが終わると、スクリーンに最終選考時の映像が映し出される。SKY-HIは「日本の音楽業界を変えるために必要な第一歩」だと話した。
Show Minor Savageが大好きになってしまったオタクはその映像を見ながら「日本の音楽業界を変えるために必要な犠牲」だったんだなあ……と思った。
そして最終選考の課題曲として、2チームに分かれて披露されたShining Oneが始まる。ショウタとソウタとマナトはここでも同じチームだ。
この日みた、グループとしてのショウタのパフォーマンスは本当に「きらきら」と形容したくなるものだった。番組で見ていたときは、どこかグループで踊る姿がぎこちなく感じ、やっぱりソロ向きなのかなと思っていたけど、あのときより断然に華やかで自由に見えた。本人の魅力がグループに溶けるような感覚があった。
なんでこの人グループとして活動してないんだろう…と狂おしい気持ちになった。ソウタとマナトごしに踊るショウタが見え、見られなかった世界線にいる架空のグループを見ているようだった。
オーディション参加者の命運を分けた、2つのグループによるShining Oneのパフォーマンスが終わると、Novel Coreの「THANKS, ALL MY TEARS」へ。
“ボロクソに負けて涙が枯れても 苦しくて寂しくて無力さにやられても 完璧なラストシーンを際立たせるのは絶望と退屈で その為に今日を生きるのさ”
ショウタと同じくボーイズグループからは惜しくも漏れてしまったランがこのフレーズの中で渾身のダンスを披露する曲は、やっぱり涙なしでは見られなかった。
THE FIRSTは“才能を殺さない”を掲げたオーディション番組なので、今ここにある現実が圧倒的な正解だったことは、オタクとして涙をのみつつも超理解できているつもり。
現に、Aile The Shotaはオタクの贔屓目差し引いても素晴らしい作品を残している。BMSGぜんぜんしらん人にもきちんと届いていくような気がする。(そうであってほしい…)
▼Like This やばいかっこよさでしょ
ユニットが続かない運命だった。そういう儚さもShow Minor Savageの魅力なんだろうなと思えた。
その思いを強くしたのは、BE:FIRSTがそのあとに披露した情報解禁前の新曲「バイグッバイ」(表記不明)を聴いた時のことだ。
は????
なんだこれ……
こんなの好きじゃない人いる!?
その曲は、奇を衒わずに2022年のボーイズグループとしてホームラン打つ気まんまんでバッターボックスに立ちにいくような曲だった。なんかもう人気出なかったら言い訳できないじゃん、この曲。ホームラン打つしかないっしょ。
それを聴いた時に、BE:FIRSTの前につづく道に想いを馳せた。数多のグループが歩んできた、決して明るい時ばかりではない道。
グループが、継続をファンから期待されて有機的に存在する営みのなかには、当然ファンも本人たちもつらいことだって起きる可能性もある。思ったように売れないとか、外野がうるさいとか、内輪揉めとか。人間が集まってたら色々なことがあるよ。スキャンダル、信用の失墜、不意の怪我や病気……。
でもそういう道を進んでいく人たちなんだよなあ…ファンダムをつれて苦楽をともにしていく、清濁合わせて飲み干す覚悟。
だから続かないことはとても美しいことなのかもしれない。
そして続くことは、とびきり楽しいことにむかって突き進むことでもある。
Show Minor Savageの亡霊は成仏できそうです。
とはいえBMSGのことなので、ふとAile The Shota feat.マナト、ソウタとかやるかもしれないのはオタクとしてめちゃくちゃ期待している。ショウタくんたまにはグループで踊ってくれ頼む…。
ソウタシマオ半端ないな
一次審査で見たときに、めちゃめちゃかっこいいけど「こういうタイプはそのうち落ちるんだろうな…」と思ってしまっていたソウタくん。
湘南生まれのダンサーで、同じく湘南のJP THE WAVYの曲をチョイスして審査にのぞみ、規格外のダンスを見せつけてった姿が痛快で、いまだに一次審査の動画をたまに見てしまう。
ボーイズグループのオーディションよりは、「テラスハウス」出演メンバー、という方向性のかっこよさ。
▼5:46から
言葉を選ばずに書くと「華のなさ」がオーディションの中では不利だと私は思っていた。(まあ、普通はそんなに華のある人なんていないし、大半の職業にはなくてもいいので仕方ない)
ところがBE:FIRSTになったソウタくんはみるみるうちに華やかになり、垢抜けていった。環境が人をつくるもんだな〜と思ってたけど、この日のライブでSKY-HIがソウタに「(初めてあったときとくらべて)痩せたよね」と話していて、ああこれは本人の努力だったのかと理解できた。
ステージを見ていると、なによりめちゃくちゃ楽しそうに歌ったり踊ったりする。そして現場に行かなきゃわからなかったことだけど、めっちゃファンサするタイプだった。
かっこよく歌って踊る、ラップすることも楽しいし、見られる人間になることも、目の前のファンを喜ばせるのも楽しい。ぜんぶ屈託無くやってる様子が見てとれて、思ったよりもソウタシマオは「アイドル」として半端ない存在なのかもしれないと思った。
マナト!!!
一方マナトは「質実剛健」という言葉が似合う人だと思った。ファンサするメンバーの列から一歩ひいた場所で客席を眺めていたのが印象的だった。踊り出すと、全神経をきちんとおもうままに操れているんだろうなと思えるダンスで、職人的なかっこよさがある。ソウマナはコンビになりがちだけど、この対比が最高だな…と。
屍の山をつみあげる男
でも一番ファンサすごいな…と思ったのはジュノンだった。さすがSKY-HIからサインボール受け取っただけのことある。
なんだかんだステージに立つ人間と客席の人間といえど、そこには人間と人間の距離感だってあるはずで、一人にファンサするよりエアーにファンサするほうが断然気が楽なんじゃないかと思う。ましてや1年前まで就活生だった男の子がですよ。いざステージに立ったらそんなにできる?ってほどに良席のオタクにしっかりファンサを届けていた。
あの視線の先に、選ばれて屍になったものと、選ばれなくて屍になったものがいる…。屍の山をつみあげていくタイプの人間だ。
あとGifted.だったかな、センターで歌い出すサビ前、後光がさすタイミングでふっと笑ったように見えてすげーーーーこえーーーーと思った。穏やかでのんびりした人のイメージが強いのに、現場で垣間見える覇者のオーラがすごい。
その他
ペンライトうちわのないライブは、前方の人の動きが気にならないので快適だなあと思った。
でもうちわやボードを取り上げられても、マスクやその他のアイテムでアピールする人もいて、ファンってやっぱ強かだな……と思った。
かばんに大きなうちわを入れて、横アリで昼夜公演入ってオタクとごはん食べて帰る、みたいなのが日常だった時があって、なんかいろいろとつらい記憶もあったし、もうそういうことはしないんだろうな…と思っていたのに、この場所に戻ってきたんだなとしみじみ思った。
ごはんの場所探すのにも苦労するし、ひとごみが苦手なので、会場の近隣にわらわらいるオタクの姿なんて煩わしいもの以外何者でもなかったのに、いざ数年ぶりにその環境に身を置いてみると、うわ!みんなオタクじゃん!たのし!みたいな気持ちになっちゃったよね。コロナで人が集まるところに久しくいってないからよけいに。
まあ楽しむことを義務感にかられてしないように、あまり多くのことを求めず、楽しくBMSGのオタクができればいいなあと思いました。