パノラマロジック

オタク怪文書

POP YOURS2022の思い出

 

HIP HOPニワカなのでクラブ行くまでの勇気は全くなく、たまにWWXとかでそこそこ人気のひとがやってるリリパに足を運ぶくらいが精一杯の私みたいな人にうってつけのフェス、それがPOP YOURS。

忘れないうちに現地での思い出を残したいと思います。

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幕張遠かったけど、頑張って早めに家出たお陰で11:00ちょうどくらいに会場の前まで到着。

本当はもっと早く着いてたけど、よく知ってる幕張メッセの入り口の、道路を隔てた向こう側が会場になっていた。なぜか女の子が多いなと思っていたら間違って7ORDERのライブ会場に来ていた。それっぽい格好の男子たち数人が警備のおっちゃんに話しかけており、同じように間違えた人がいたことを悟る。

入場するまでに待機列があってちょっと時間を食われることに。待機列で何人かが生配信を見はじめて、dodoの「nirvana」が流れてきた。うわー会場内で聞きたかった。

リストバンドもらってなんとか会場の中はいって自分の指定席座ったらもうdodoがラストで「kill more it」。「みんなこの曲知らないと思うけど…」みたいなことを言ってラストの曲やるのかっこいい。 当時とはファン層が違うって本人がインタビューで話してたけどやっぱり最後にやるのは「kill more it」なのだな。

SKY-HI

朝だからちょっと人が少なかったとはいえ、dodo、ピーナッツくんまでは、私の視界に入る範囲は総立ちで盛り上がっていた。ピーナッツくんの「面白がられにではなく、かましにきましたー!」という宣言に客席もきっちり沸いてて、”他界隈からの参戦なので気合を入れてきたぞ!”というアティチュードにビバラでのビーファのことを思い出した。(客席がなんだかんだとっても温かかったのも含め)

そんなピーナッツくんまでのあったかムードもSKY-HIの出番の時は笑っちゃうほど消失。みんなお昼を食べに出かけた、あるいは座った。予想はしてたけど、こんなにも?ってほど。長丁場だからしゃーないよね。お昼だしお腹すいたよね。後ろの人が「ゆるふわギャングがほんとは出る予定だったんだよな。見たかったなー」とぼやいていた。

立ち上がってる人が本当にポツポツとしかいない、近年稀にみるくらいのどアウェーな空気。興行主が狙ってつくれるもんじゃない(作りたくないはずでしょ)。こういうの見れただけで9800円の価値があるなあと思いました。

SKY-HIが登場して、1曲目は予想通りの「JUST BREATHE」。そして攻撃度マシマシの「何様」と「Turn Up」を畳みかけてくる。今日のSKY-HIはやっぱ八面六臂のときとは全然ちがうモードでくるのかな?と思いきや、流れ出したのが「118」。そして元気にedhiii boiが登場した。

エディのお披露目の場にしたのかー!その手があったかー!と思った。そして、もしかして?もしかして次ソウチン?と、めちゃくちゃ頭が沸いてたんだけど、「118」は終わって今度はBMSGver.の「Brave Generation」になって、やっぱこないよなーーーーー!!!と崩れ落ちそうになった。しかし、ここでまさかのAile the shotaが登場。

この時ばかりはブチあがってしまった。まさかここに来てショウタくん見れるとは思わないじゃん。

正直、ポツポツとしか人が立ってない会場で立ち上がるの勇気いるなあと思ってたけど、このころには楽しくて楽しくて、夢中になって踊ってた。みんな座ってるから悲しいかな視界を遮る人もいない。「Bare-Bare」のショウタver.は素晴らしすぎたな。

ショウタ君はアイルザになってなければ普通にPOP YOURSにお客さんとして来ていたでしょう。先日のビバラのソウタ君のMC「僕たちも少し前まではステージの下で音楽を楽しんでいた存在でした」を地で行ってる感。

そしてSKY-HIは「俺も実は日本のHIP HOPがここまで来た歴史の流れの中にいますよ」的なMCバトルでの昔話をしつつ、アンチで荒れてるであろう配信のコメ欄を牽制しつつ(この手腕は、アンチの扱いに手慣れた感じでさすがだった)、最後は差別!戦争!反対!なMCをして「I Think, I Sing, I Say」でおわる。

SKY-HIニワカ的には、ただのプレーヤーだけじゃなくて社長やってんだぜーというボースティングみたいなことなのかな?と受け取って、いいステージだったなあと思いました。が、「ゆるふわギャング見たかったなあ」ってぼやいてた後ろの人に届いてたかどうかは正直わかんないなと思った。

(sic)boyとOzworldとVaVa

(sic)boyはビジョンのカメラのピントが全然あってなくて、ふわふわした金髪の人がいる!くらいの認識しかできなかったけど、ライブ見れただけで嬉しかった。結構淡々としてた印象だけど、新曲が好きな感じだった。踊りながら、10年以上前にサマソニ来てThe Horrorsで踊り狂った、そんな元気だった時代があったな・・・というのを唐突に思い出しました。

あと最後のシャウトが圧巻だった。次はもっと近くで長尺で見たい。しかし(sic)boyにブチあがってた人もぶっちゃけ多くはなかった。あとでTwitter見てたら「蕎麦食いたいのにパスタ出された気分」ってコメントあったけど、そんな感じだったのだろうか。

そしてOzworld。Ozworldも好きだけど、現場で見る機会もあんまりないだろな…と勝手に思ってたからステージにいるだけで嬉しかったな。佇まいがシャーマンとかそういう神がかり的な存在に見えた。

「Asian Groove」前の「これからアジアがもっとヤバくなってくって思ってる人どれくらいいる?自分もその一人になれるって思ってる人どれくらいいますか?」ってMCめちゃめちゃかっこよかったし、その言葉が決してうわ滑ってなくて、地に足がついてると思わせるスキルの高さよ…。スキルってものなのかはわかんないけど。歌い上げるみたいなラップ、好き。新曲もめちゃくちゃ良かったな。

最後に見たのはVaVa。旗を持ってテンション高めに登場してきて、フェスへの”熟れ”を感じた。観客のステージへの集中もそこでぐっと上がった気がした。

BIMも途中出てきて、客席が今までで一番盛り上がってた。けど「Virtual luv」では途端に座り始めた人もチラホラいて、後方席だったせいもあるだろうけど難しい客層なんだな・・・と思いました。


もともと、親に子守を任せたのはいいが気がかりだったので、どこのタイミングで帰ろうかとても悩んでいたこの日。最初はもっと長くいるつもりだったけど、A席は客がギッチリ入ったら私の身長ではビジョンすら見えなくなりそうだったので、家で配信見た方が快適だと判断して帰りました。

帰宅後、板橋の自宅から見たPUNPEEとスカートの「ODDTAXI」よかったけど、水辺に大きな倉庫がある風景は板橋も幕張もちょっと似てるよね。


雑感

・指定席なんだけど、席がせますぎ。イスに貼ってある席番号も見づらいので、列の真ん中あたりの席まで行くのが結構だるい。人との間隔が狭くてギッチギチになるから、体を揺らしにくく、後方だとステージもビジョンも背が高くないとほぼ見えない。

指定席に行かないで通路で見てる人がたくさんいて問題になってたけど、席で見るより通路で見る方が遥かに快適だったので、通路で見てた人たちの気持ちはわからなくもない。

コロナで指定席制だったのかな?と思うけど、立ち位置指定したスタンディングにすればよかったのでは?あと、来年も同じ形式で開催されるなら、多少高くても前方のチケットを買うのがおすすめ。後方チケットは、環境の悪いところで生配信見てるのと同じだった。

・SKY-HIのファンの人たちは、それはSKY-HIだけでかますところが見たかっただろうなとは思った。

・神田伯山が、伝統芸能の世界では後進の育成をやった人こそが偉いってことになってるって言ってたんだけど、SKY-HIのステージはそういうステージだった気がします(HIP HOPが伝統芸能ならば…)

・しかしビバラロックの「アウェーかもしれない!」という動画によるストーリーづくり」→「実際はほぼオタクに満ちた会場」という流れとは真逆の、リアルなアウェー現場が見れて個人的には面白かった。

ふだんBMSGファンダム的なものをみていると、狂信的なまでにSKY-HIが全方位支持されてるけど、ひとたび外に飛び出すとぜんぜん見向きもされない世界が広がっているんだなあと。

一方ではSKY-HIというラベルで支持され、一方ではSKY-HIというラベルで見向きもされずというこの世の虚しさは感じた。(は、こういうのが「Name Tag」…?)

まあ、こういう激しい寒暖差をちゃんと見せてくれるほどに社長がいろんなところに顔を出すのっていいことだなと思った。

・ふと思ったけど「ゆるふわギャング見たかったな〜」って言ってた人的にはSKY-HIなんの人だと思ってるんだろう。そしてBULLMOOSEの主宰という肩書きがいまだにあって、もしもBMSGがなかったら、SKY-HIの見られ方も変わってたのでしょうか。

・次の日に配信で見たtohjiがめちゃめちゃよかった。みんなtohjiが大好きすぎるしtohjiが「みんなのtohjiでした」って去っていくのが最高。アウェーでやりきることの良さもあれば、めちゃくちゃホームで期待を裏切らずホームラン打つかっこよさというのも、またある。