パノラマロジック

オタク怪文書

ジャニーズJrで短歌を詠んでみた


覚えたての遊びが楽しくて毎日飽きずにドンジャラやってる小学生の気持ちで向かう、短歌の会。第2回の短歌のお題はジャニーズJrでした。この夏ガムシャラで久々にジャニーズJr.って最高だな!と思ったばかりだったので楽しかったです。

まずは自分でつくってみた感想など。
私がつくったのは以下の4つです。つくった時系列に並べます。

1    暗闇の隅で見つけてくれたから今度は僕が君を見つける
2    炭酸の泡が消えぬ間に飲み干せ来月なんてあるようでない
3    何者でもない僕らの輪郭を縁どる蛍光ピンクの熱さ
4    汗走る腕が暗闇振り切ってスーパーノヴァを目に焼き付ける

ジャニーズJrとジュニア担の関係性ってお互いが見つけ、見つけられだよなあと思ってまず出てきたのが1。そのまんますぎるかな?と思ったけどこれ以上どうすることもできずこのままにしました。

2はそのまんま。
私はかつて、ジャニーズJrの好きな子はみんなどんどん上のライン目指して欲しいしデビューーだってして欲しい!と思っていました。しかしジュニア担に話を聞くと、「別にデビューはいいかな」というスタンスの人もいて、当時、実はあまり気持ちがわからなかったのです。
それから少しジャニーズに対する熱が冷めて、少し距離を置いてから、改めてガムシャラでジュニアを楽しく見てると、もしかするとジュニアを見るときって、未来なんて見ないほうが楽しめるのかな?と思うようになりました。儚さというか、短期集中だからこその魅力。
これは私がかつてほどデビューというものに夢を見れなくなったからなのかもしれないし、ジュニア担のみなさんから「担当してもいない人は気楽でいいよね」と思われても仕方ないけど、そんな感じです。
「来月」という言葉は少クラを意識しています。

3も2と同じ気持ち。デビューしてない彼らにはアイドル以外の未来がたくさんある、その何者でもない感じがいいなと。蛍光ピンクってのはうちわのことを詠んでます。

と、ここまでつくって「全部普通じゃん!」となりました。

とある短歌同人誌にあった短歌の作り方エッセイを読んだところ、「最後にちょっとしたポエジーを足す」って書いてあったので、そうか、なにか詩的な表現というやつを入れよう!と思って4。ぼくがかんがえたしてきなひょうげん。

4はなんとなくダンスしてるときの姿を思い浮かべて作りました。
暗闇というネガティブなものを振り切って踊る姿になにかすごいものをみてしまった!となる、あの感じ。

こみねさんが「スーパーノヴァ」の解説をブログに挟んでたのを読んで、自分の勘違いを知りました。なんとなく、「超新星爆発」だから星が生まれるときの爆発だと思ってたんですよ…。違いましたね。星が死ぬときですね。あんまりジュニアっぽくないかもしれないですね…。


その他、つくってみたけどボツにしたのはこちら。

来てくれてありがとうでも話すことないから黒いマスクで笑顔

ジュニアと言えば黒いマスク!黒いマスクで何か詠もう!と思ってこれ。ジュニアとオタの距離感て近いなと思うんだけど、でもジュニアの男の子達ってどっか自分に群がるオタと線引きしてるよなあと思って、これが出てきました。個人的にこのつれない感じジュニアっぽいなと思うんだけど、自分が思うほどその雰囲気詰め込めてないだろうよ、とも思いボツ。

みらいなど見なくていいよでも君がみたいと言うなら貯金を崩す

未来なんかなくていいよという気持ちを詠んだらこうなった。ジュニア担短歌っていうかサラリーマン川柳みたいですね。もしもわたしがジュニア担だったらこうなってる。

今回の短歌で私が好きだなあと思ったのは下記です。

・シャッターという名のまばたきさえ切れず まだ君はいるまだ君に会える

ジュニア担の心境が現れていて切ない。下の句のリズムが好きです。

・眼差しも襟を触る癖も知ってる人魚のきみの声を知らない

そうなんですよねお気に入りのジュニア、動きのくせは覚えても声だけわからなかったりする。それを人魚に重ねているところの技が見習いたいなと思いました。

・お小遣い貯めて買ったね あの夏に君が残した蝉の抜け殻

蝉の抜け殻をお小遣い貯めて買うっていう発想がいいなと思いました。お小遣いというワードのかわいいけどややゲスいとこと、蝉の抜け殻のものさみしい感じの組み合わせが好きです。
蝉の抜け殻っていうのは、君の抜け殻だったかもしれないし、君が大事にしていたもの(ハタからみたらただのガラクタ)という意味にもとれていいなと思いました。

特効の煙の匂いを覚えてる?あの夏まではきみがいた場所

こういうの詠みたかった。ジャニーズJrといえど男子中高生なわけでそこらへんの生っぽさを詠みたかったのですが、特効の煙の匂いという部分に彼らの生々しさがあっていいなと思います。ステージにいる子たちにとっては蚊取り線香の匂いばりにありふれたものだったのかもしれないですから。

・紫の上青田買いなんとでもいえばいいのそのうちみてろよ

これは、「そのうちみてろよ」といったのはジュニア本人なのかなと読みました。青田買いという言葉から、若さだけに価値を見出されてることに彼は不満で「今にみてろよ?」ってことでしょうか。かっこいい。

・暑すぎる夏を削ってブルーハワイ もっと笑って実在青少年

ブルーハワイと実在青少年で位相の異なる「ブルー」を扱ってるように見えて、その言葉選びが素敵だなと思いました。今回のものの中で一番好きです。

・今だってキャンをドゥーしてゴー出来る 輝く時代を生きた者たち

これはジュニア短歌というか、個人的には「ジュニア黄金期」短歌としてV6はじめにのちゃん松潤、横山さん、すばるくんなどなどに捧げられた歌なのかな?と思って読んでにやにやしました。


おまけ

ジュニア短歌をつくってる途中で、ボツにしたやつから派生してできたハイキュー東西短歌。BL短歌も今度詠みたい。

ソーダ味唇つたい零れ落ちシャツの裾染め君に噛み付く

短歌結社「明星」でアイドルの短歌を詠んでみたよ。


先週の夏コミの帰りに集まって馬刺しを食べていたときになんとなく「やろうよやろうよ!」となって作られたのがこの短歌結社「明星」でした。
周囲で短歌を詠んでいる人が結構いて、詠めたら楽しいだろうな、と思ってはいたけど詠もうとすると、あまりに難しい!と思って手が出せなかった短歌。苦手意識から、もしこれがTwitterの上だけで参加を募っていたら参加していなかったかもしれなかった。やろうよやろうよ!というその場に居合わせたのが幸運でした。

短歌って出来上がった作品はとても面白いんだけど、なんでみんながこの言葉がチョイスするのか、ぱっと読んでてわからない(=作り方がわからない)し、この31文字って枷がどうも文字数少なすぎて、自分にはむり…と思っていたのですが、この日の馬刺を食べながら主宰のこみねさんに

「なんで短歌を詠むの?」

と聞いたら

「好きなものをもっと美しく自分の手で切り取りたくて詠んでます」

と返ってきました。

「あー、なんか趣味の手芸みたいな感じですかね?」
「まあそんな感じです」

そんなやりとりがあって、この言葉に勇気づけられて作ることができました。

(やりとりは超ニュアンスなので間違ってたらすみません)

実は手芸用品店の前を通るたびに、そのうちすごくすごく暇になったら刺繍とか編み物でもやろうかな……って思ってたんです。別に取り立てて手芸がすごい好きってわけじゃないんですけど、女子ならだいたいみんな小学生のときにリリアンとかやると思うんですよ。あれは今思えば超単純作業で簡単なんだけど、どんな糸の色にすればいいか、どんなビーズを使えばいいか工夫して自分もなりにかわいい腕輪なんかを作ることが出来るのです。

で、なんとなく最近リリアンみたいなものをせっせと作りたいなと思っていたのです。そこに短歌でした。

31文字のリズムにのせて自分が一番なっとくがいく美しい、かわいい言葉を選んでのせていく。自分が思った美しさやかわいさでいいらしい。リリアン程度の、何の役にも立たない腕輪でいいから、好きなものをよりかわいく美しく切り取る。
という軽い気持ちで初めて短歌を詠むことができて、楽しかったです。こみねさん、講評ありがとうございました。
私が詠んだのはこれ。
ステージの上もLINEのアイコンも等価値に在る18の顔
玉座にも十字架にもなるバミテのうえ前だけ向いて立てる才能
無邪気さをセロハンでくるみ飾りつけこれが僕だという頃も過ぎ
勝利くんのすごさはあれだけ色々なものを背負わされがちなポジションに立たされてるのに至って普通の男子なんだというところだと思ってるので、それを詠んだのが上の2つ。センターというポジションの物語性はセクゾンに関してだけはなくてもいいね、そんなのバミテ貼ってある場所でしかないけど、いろいろな想いがうずまくその場所にこともなげにまっすぐ前向きに立ってる勝利くんは素晴らしいな、という気持ちです。

3つ目は、半分くらい妄想で、子供特有の無邪気さを誕生日パーティーのてづくりの飾りつけのように晒して自分の個性とする年齢から勝利くんはきっともう卒業してるんだろうな、という歌でした。
詠んでみて思ったのですが、私はナウオンタイムな佐藤勝利像がないことに気づいた…。


今回の講評ブログを楽しく読ませていただきました。
同じお題でさまざまな視点が得られるのがこういう歌会の楽しさだなと。私が特に好きなのはこちら。
踏み出した素足が赤に染まっても  振り向かないで今はそのまま
センターとかそういう仰々しい物語は勝利くんにふさわしくない……とか散々書いてきたくせにこの歌が作ってる避けられない運命とそこに逃げないで対峙すること、それを願う詠み手の切実さには撃たれるものがあります、こういうの、やっぱり勝利くんの向こう側にどうしても見出したくなる。というか、客席にいるこちら側として逃げる姿なんて見たくないから「振り向かないで今はそのまま」と言ってしまうよね。
ラブアンドピースでチョキを出したんだ そっちがパーを選んだんでしょ
鏡よ鏡 誰が一番綺麗なの?それってそんなに大事なの?ふうん
この2首は、勝利君の小生意気な感じの口調がそのまま現れてる感じですきでした。勝利君は自分の顔の美しさなんかすごくどうでもいいっていう強さがある。軽やかに強くて飄々としたところがこの2首にとても現れていて好きです。

次回のお題はジャニーズJr.ということで、ガムシャラがめっちゃ楽しかった身としてはほんとにタイムリー。がんばります。

ロキノン風にOCDツアー初日の感想を書いてみたよ

その手が何度振り払われても ーOLDCODEX A Silent, within The Roarツアー初日のアクトからー

四つ打ちのキックが焦燥感を高めていく。ハンドクラップが鳴り響き熱を帯びていくフロア。狂乱の渦の中、一筋のピンスポットライトがステージの中央のフロントマンを映し出す。無機質の響きを多重に重ねたエフェクターボイスは、荘厳な宗教音楽のよう。エレクトロの神がかり的な高揚感に身を委ねていると、途端に、攻撃的なバンドサウンドが横殴りで押し寄せてくる。ステージの上の暗闇の中には燦然と輝く"A Silent, within The Roar"(轟音の中の静寂)の文字。

ツアータイトルにもなっている最新アルバム"A Silent, within The Roar"9曲目、このoptimistic negative thingsは、高揚感のある四つ打ちのデジタルサウンドの美しさと、轟音のバンドサウンドの暴力性が折り重なる、キメラのような怪曲だ。激しさと美しい静謐が隣り合う様は、まさにこのアルバムそのものを体現している。

YORKE.の生み出す彩色が暗闇を塗りつぶし、ツアータイトルの文字が光りを放つ中、その後光を背負って静かにTa_2はステージに佇む。

そこは激しさと静寂の相反する世界の境界。せめぎ合いの、その中に彼はいた。

 

OLDCODEXのボーカルのTa_2には、声優として押しも押されぬ人気を誇る鈴木達央としての顔がある。彼の声優としての仕事ぶりは、徹底的に役者の存在を消してひたむきにキャラクターに徹しようとするものだ。一方、OLDCODEXとしての活動は、楽曲やアートワーク、バンドとしてのアティチュードすべてにおいて、彼という存在を前面に押し出していく。声優とバンド、その両輪はどちらも欠けてはならないと彼は言う。どちらも両立させることで得るものもあるだろうが、反面、批判に晒されることも多いだろう。しかし、彼は2つの世界を行き来することをやめない。相反する2つの世界の狭間が彼の居場所なのかもしれない。

続いて演奏されたのはHow Affectionoptimistic negative thingsの轟音が軽いジャブだったと思わせるほどに、より切迫感を持った重低音が鳴り始め、そこに積載量オーバーの感情を載せた、Ta_2の歌声が拮抗していく。

まだ降り注がないだろう

まだ降り注がないんだ

僕のどこでもない場所に

その歌声は音源よりも遥かに湿度が高い。それはYORKE.が音に彩色していき、Ta_2がそこに感情を力をこめてぶつけていくからだろう。二人が何かを生み出すことで、喪失感が一段と濃い色に変わってゆく様は実に不思議だった。フロアを埋めるオーディエンスは先ほどまでの熱気を忘れてじっとそれが生み出されていく様を眺めていた。こんなにも多くの人々に愛されている癖に、彼は喪失を歌う。それは、彼にとっていくら手を伸ばしたとしても届かない禍々しい色をした宝物のようだった。

 

重低音に引きずられて地の底へ落ちていくような感覚から一転、次の曲、[Blue]では深海からゆっくりと水面へと引き揚げられるような高揚感があった。ブルーのライトに照らされて歌声がフロアをたゆたう。その流れで、OCDの楽曲の中でも極めて「静謐さ」を体現しているElephant overが演奏された。

正直、ここまでの流れには驚かされた。OLDCODEXといえば、インスタントにフロアを温めることが出来るタテ乗りの楽曲がメインだという印象がある。しかし、optimistic negative things以降のここまでの流れは、それバンドが持つ多面性のひとつにすぎなかったということを否応無く見せつけてくるものだった。アルバム名に冠された「静謐と轟音」、その相反する二つの隣り合わせはバンド自体を現しているのだと気づく。

そして、再び最新アルバムから、wire choirへ。過去の、恐らくはメインコンポーザーがバンド内にいた頃の楽曲を意識して作られたこの曲は、確かに過去の楽曲の面影を感じることができる。しかし、それを奏でているのはあくまでも現在の姿のOCDである。それが逆説的に、過去との訣別とも見てとれるのだ。バンドの核である二面性を見せつけてきた後で、最後に過去を自分達の手で塗り替えようとする。それは、バンドが前進していく上でのイニシエーションのように見えた。

 

optimistic negative thingsでの狂乱が何だったのかと思えるほどに、静まり返るフロアに、Ta_2は告げる。

「アルバムを出した時から考えてたんだけど、こういう時間もちょっと作ってみたかった」

普段の彼らのライブのスタイルからすれば、クールダウンの時間がいつもより長い程度にしか捉えられないような流れである。それを敢えて、確信的にやってのけたのだ。観客を置き去りにする、裏切りになる可能性もあるだろう。けれども、彼には始めから、この静かなフロアの光景が描かれていたのだ。それを思うと、フロントマンとしてのTa_2のいじらしさに愛しさがこみ上げてくる。

愛される要素はすべて手の中にあるのに、その手を無邪気に振り回しているようだ。静謐と轟音、どちらかひとつに依ることができれば、それを貫きとおすことで自分達と観客の蜜月の関係を守っていけるのに。相反する2つの事象を自由に行き来することで、彼はそれを追う人の目を敢えて眩ませている。どちらも受け入れられなくて当然だ、受け入れられないなら来なくていいよ、と彼を愛する人たちから差し伸べられた手をいくつ振りほどいてきたのだろう。その姿勢は、残念ながらこの日演奏されなかった「美しい背骨」に見てとれる。

 後悔するのは楽でしょう

 傷つきたくないだけでしょう

 僕ら本当にそれでいいのかな?

    Please leave me alone...

効果的なハンドクラップの多用や、フロア仕様のコールアンドレスポンスなど、OLDCODEXの楽曲はライブでフロアとの一体感が生まれるギミックが施されているものが多いにも関わらず、一方でこうも聴いてるこちらを突き放してくる。

この日も、本編ラストはエバーグリーンな疾走感とコールアンドレスポンスが気持ち良いLandscapeで終了した。まったく、愛されたいのか、愛されたくないのかよくわからない。どっちなんだあんたは。しかし、相反する気持ちを抱え自己矛盾に陥りながらも歩みを止める気配のない彼に、一層ついていきたくなる。突き放されれば突き放されただけ、逆に追いかけたくなるのが人間の性というものである。だから私は、これからもOLDCODEXとしてのTa_2を追いかけることを止めない。

相反する2つの世界、そのどちらかに落ち着くなんて、退屈なことはしなくていい。

 

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ロキノンが大好きすぎた90年代を取り戻すべく、あの頃のロキノンをわざわざ友人に借りて読んでるうちに、今ならこのくらい自分も書けるのでは…?と思って軽い気持ちで書いてみました。が、書いてみたら超難しいね?こんなの私が好きだったロキノンじゃない!ってなんども挫折しました。好きなキャラのイラストを描いてみたら、こんなの私の好きな◯◯じゃない!って放り投げたくなるあれですね。

おるどこでっくすさんのツアー初日に行ったのですが、optimistic negative thingsからの流れがちょっと大好きすぎました。もうすぐ福岡楽しみ。

福岡でOLDCODEXとLinQを見てきた話

鈴木達央さん、もといTa_2さんを追いかける月間も終盤。OLDCODEXA.t.Aツアーの東京2日目と福岡に行ってきました。

これは福岡で食べた鯖。

http://instagram.com/p/ktss1CgThU/

はるちゃん、ゴマ鯖だよ♡

 

福岡ではLinQの定期公演も見てきました。 

LinQ | 九州発のアイドルグループ

一昨年から何かの福岡遠征のたびにベスト電器ホールでLinQも見に行って今年で3回目。東京でのイベントに全然行ってなかったのでほぼ1年ぶりのLinQでした。しばらく見ないうちにみんな大人っぽくなっててびっくり。初めて聴く曲も多かったけど、やっぱり「Fighting Girl」を歌い踊るLadyのみんなかっこよかったし、「カロリーなんて」楽しかったし、天野さんリーダーとなった姿初めて見たけどすごく頼もしかったし、今回も満足度120%でした。東京のイベントもまたちゃんと行きたいなーと思いました。城崎はるなちゃんめちゃ目を引く子だったな。

ほんとLinQの定期公演、いいです。ダンスかっこいいし、曲いいし、メンバーわからなくても絶対目を引く子がどこかにいる。ジャニオタが九州遠征した際にすごくおすすめしたい地方アイドル現場。女性は割安料金でチケットとれるのでほんとおすすめです。

 

話がそれました。本題のOLDCODEXさんです。

東京で初めてOCDのワンマンライブに行って、ひと通り踊ったり騒いだり楽しかったことは楽しかったものの、なんか素直に楽しめきれてない自分がいてもやもやとしてました。

Ta_2さんのMCにほぼ共感できなくて。「本気で音楽をやっている」って言うけど本気で音楽やってない人っているのだろうかと思ったのです。プロとしてやる以上、バンドという形態であれ、アイドルであれ、どんなジャンルでも素晴らしい作品をつくる人たちはみんな本気でやってる。もちろんOCDもいい曲つくってるんだし、それは口で言うもんじゃなくて音源とかパフォーマンスで示すものなのでは…とか考えてたらいったいこの人はなにと戦ってるのか…みたいな感じでだんだん肩が凝ってきたので福岡行くのもやめようと思ってました。

で、福岡。やっぱり行きました。

東京では散々大雪にもかかわらず集まったオーディエンスへの感謝をしきりに唱えていたMCだったわけですが、福岡では気が緩んだのかYORKE.さんもTa_2さんもゆるいMC多めで面白かった。

YORKE.さんはホテルに泊まってジャケットデザインの作業中の話。クリエイティブの神様が降臨中に清掃員のおばちゃんが入ってきたので、ちょっと2案で悩んでるところをおばちゃんにどっちがいいのか聞いてみた。そしておばちゃんが選んだものがアルバムとしてリリースされるようになります、と。おばちゃんすげえな。

Ta_2さんはモバイルサイトのコラムつながりで、最近お気に入りのご飯屋さんで卵かけごはんを食べた話。「いい卵用の醤油が入ったからって、あれ食べたよ。TMG!(ドヤ)」→客席がざわめきながら「TKGだよ!」と訂正。→「あ……。TMGってなんだよ〜!たまごマジごはんになっちゃうじゃん!あー!ここ最近で一番へこむ…」この流れが本当に最高でした。たまごまじごはん。

そのたまごまじごはんのMCは美しい背骨の手前で、本当はシリアスなモードで曲に入りたいのにすっかりトークショーモードになってしまったYORKE.さんとTa_2さん。Ta_2さんが苦々しく笑いながら「もう、こんな話でいっか…リハのときこの曲はセボンか美骨って呼ばれたりしてます」って言って曲に入ったときはほんと面白かった。こんないい曲をそんな振り方で!と。

でも、本当にいい曲って力があるから、どう振り方しても変わんなくて、どうしたって空気が変わるんですよね。だからいつも真面目にシリアスにやらなくたっていいじゃんとこのとき見てて思いました。

福岡で一番東京と雰囲気違うなと思ったのはRage Onのとき。東京も盛り上がってましたが、福岡のRage Onの盛り上がり方は尋常じゃなくて、わたしの周囲だけだったのか、みんな大合唱でした。なんかその空気感がちょっといいなと思いました。

ポップであることを恐れない、というのはいきものがかりが言ってた言葉ですが*1、Rage Onの大合唱を聴いたときに、達央さんの出自が声優である以上、アンダーグラウンドのヒーローにはなれず、ポップ…というか大衆性から逃れられない、ポップであることが出発点なのがOCDの宿命なんだろうなと思いました。

 

ふつうのバンドだと、出発点がアンダーグラウンドだから、OCDってバンドはその真逆の稀有な立ち位置にいる。そうしたポップさはしばしばバンドとかロックとかと相反する文脈で語られてしまう。だから、ことさらに「本気で音楽を」と言ってしまうのかもしれないよな…とも思いました。

でもポップであることを恐れないどころか出自がポップって立ち位置は面白いと思うのです。OCDは実際音楽だけ愉しめばいいよなんてぶっきらぼうなバンドじゃなくて、どう動いていいかわからないお客さんがいたら「ジャンプ!」とかよく煽ってるし、どっからでも見え易いようにステージングに気を配ったりするし。本人たちは言及しないんだけど、すでに立ち位置がポップなんてバンドはほんと稀有でいいなと思います。

わたしは「美しい背骨」の”please leave me alone”というフレーズが好きなのですが、福岡のMCでTa_2さんは「アルバムを聞いてみて、良くなかったら割ってください。俺ら本気でやってるから、本気で向かってください」っていうMCに、同じときめきを感じました。立ち位置がポップなくせに、そこから逃れられないながらもこうして周囲を突き放していく感じが。最高じゃないですか。いじらしい。

あと、単純にOCDのTa_2としてステージの上に立ったときのTa_2さんの、観客を見回すそのやりきった顔がどうしようもなく好きで、これは単純に自分のアイドルをみる視点で大好きで、これを見るためにわたしはこれからもOLDCODEXのライブに行くのだろうなと思いました。

 

はい、すみません、大好きです。

 


LinQ デビュー楽曲 ハジメマシテ 福岡 - YouTube

 

*1:ポップの意味が若干違う気もしますがなんとなく引用したくなった

初めて行ったテニミュでびっくりしたことメモ

2/8(土)に初めてテニスの王子様ミュージカルに行きました。

こんなブログを書いてガイドをしてくれた人に連れてってもらいました。

わたしが思う「ミュージカルテニスの王子様」の面白さ7選 - 箱庭

今まで原作のテニスの王子様にあまり触れたこともなかったし、ましてミュージカルなんて、昔アニメイトの売り場でDVD流してたやつしか見たことなかった、という程度だったのですが、いろいろと面白かったので、記憶が遠くなってしまいましたが、感じたことを簡単にメモします。

 

■やっぱりキャストの身体能力が半端ない

普段はジャニーズのコンサートやミュージカルばっかり行っているのでそれなりに若くて身体能力が高い男の子たちのステージを見ることに慣れているつもりでしたが、テニミュのキャストの人たちって想像以上にめちゃくちゃ身体能力高くてびっくり。かなり激しいダンスに、テニスのフォームにならったラケットを振り回す動作まで加わるのに、それでもミュージカルとして歌わなきゃいけない。そこでちゃんと声が出てるのがすごいと思いました。

■ジャンプ漫画×競技スポーツ×ミュージカルの妙

わたしはあまりスポーツ観戦というものに興味が持てずにいました。それはどのスポーツもルールがよくわからないし戦術とか細かいことを言われてもよくわからないから。

テニスの王子様がすごいのは、競技スポーツがジャンプの少年漫画と出会ったときにスポーツを巡る青春や葛藤だけを描くだけにとどまらなかったこと。ジャンプといえば、強い敵がどんどん出てきて、そのたびにどんどんスゴイ技も出てきて派手な戦闘にどんどんなっていくのがセオリーだと思いますが(※わたしが熱心な読者だった90年代はそうだったけど今はどうなのかな…)テニスの王子様は競技スポーツの枠で、このジャンプセオリーにのっとって常識ではありえないトンデモ技がたくさん出てくる。そんなのミュージカル以前の話で、他を見ればいくつでも例はあるのかもしれませんが、そういうところは改めていいなと思いました。ルールとか小難しいこと考えずに楽しめるから。

で、そういうありえないド派手な技ってのがミュージカルにすごく相性がいいんだなと思いました。たとえばスクリーンを背にした演出で映像を使って見せることでありえない人間の動きを演出したりとか。あと、技ではないんですけど、最後のリョーマと金ちゃんの試合で二人が4Dフライングしていくところとか。テニスの王子様という漫画自体が競技スポーツをド派手に見せることで、ミュージカルにすごくマッチしたものになっていたんだなと思いました。

しかし、最終的にこれが競技スポーツでよかったなあと心底思えるのは、試合が終わるとみんなでコートの中央で握手するんですよ!

たったこれだけのことにすごく感動するんですよ!というのも技がド派手すぎて、周りにいる人がみんな死んじゃうんじゃないか…いや、地球そのものが軽く吹っ飛ぶのではないか…くらいの危機感を覚えてしまうのですが、やっぱり中学生同士のテニスの試合だから、誰も死なないし、地球も滅亡しないんです!よかった…平和だ…って思います。なんかジャンプの戦闘もの漫画っていつも地球の滅亡とか生死とかかけて戦ったりして、相手が死んだりするじゃないですか。でも競技スポーツだから勝ったり負けたりしても、その後も対戦相手との関係性が続いていくのはいいなと思いました。このあたりは最近黒子のバスケ観ててもいいなと思いました。*1

■キャストと役の2面性

根っからクールビューティーメガネキャラに弱いため、公演を見ていて一番気になったのが手塚でした。手塚役の人のテニスのフォームがすごく美しくて、ため息をつきながらうっとり眺めていました。

あとで色々とガイドをしてくれた友達に聞いたらその役者さんは多和田さんといって、ステージを降りるとちょっと隙があるふわふわな関西弁のいいお兄さんだって聞かされて、興味が沸いてきたのでブログをチェックします。すると、関西弁でつづられた真面目であたたかな人柄が伺える好感度の高いブログの記事がいくつもあるじゃないですか!そういえば終わりのナレーションで多和田くんと矢田くんが出てきたときも、多和田くんは手塚の役になりきりながらも、ちょっと隙が出て関西なまりが出ちゃってたなあ…と思い出しました。

かわいい…。

これを書いている時点で四天宝寺戦の2回目はまだ見れてないんですけど、また!絶対たわちゃんを観に行きたい!手塚を演じるたわちゃんを!と心に固く決めました。

なるほど、こうして人はテニミュに落ちていくのかな?と思いました。怖いです。演じることを生業にする人を追いかける楽しさ、これは声優さんにも共通することですが、演じることで2面性が出せたり、またその逆にその人の魅力を役が増幅してくれる場合もあって、演じる人を追いかけるのって本当に楽しいなと気づいた次第です。役者本人からではなく、お気に入りの「役」から入ったとき、その役者さんと「役」の2面性って誰しもあって、そこがまさにおたくが落ちるエアポケットなんだろうな…。

次はもっと多和田くんの表情が細かく見られるように双眼鏡持っていこうと思います。

■最後に

あと、テニスの王子様の原作にハマってたらもっと違う楽しみ方ができていたのだろうと思ったので、いつか黒バスのミュージカルとかやったら自分も変なハマり方をしてしまうのだろうなと思いました。

*1:黒バスも原作未読のまま2期からアニメ見てるんですけど、青峰くんて黒子たち主人公となるチームが到底勝てないめっちゃ強い敵なのかなって思ってたら、(ドラゴンボールでいうところのセル程度に)試合が終わった後にすぐ黒子が青峰くんにシュート教わりに行ったところに、誰も死なない競技スポーツ漫画ていいなって思いました。だって悟空がセル負かした後にセルと仲良くシュート練習とかしてたらびっくりですよ。試合に勝った相手にすぐ教わりに行く展開とか初めて見たよ。

ファンにキスした鈴木達央さんは私たちの下僕だったーVitaminR W6クエスト☆不良行進曲

浮気3日目のようなテンションで鈴木達央さんのことばかり考える日々が3ヶ月続いています。

そんなわけで現在、鈴木達央さんを追いかけて4週連続の現場なわけですが、昨日は大阪であった「VitaminR W6クエスト☆不良行進曲」に行ってきました。VitaminRという乙女ゲームのファンイベントです。

達央さんにハマった当初から、「Vitaminシリーズの達央のキャラソンいいよ!」「Vitaminのイベントの達央かわいかったよ!」などと先達のみなさまから言われていたこのVitaminシリーズのイベントに、半年も経たないうちに行けるとは思いませんでした。

噂にたがわず、このイベントはかなり楽しかったです。この日は、開演前に忘れ物落し物を色々とやらかしてしまったせいで、開演から30分遅刻してしまったのが残念でしたが、それでも大阪まで行ってよかったと思いました。以下、なにが楽しかったか2つポイントをまとめてみました。

 

Over30のおじさんたちの悪ふざけ感

最初の朗読劇はラスト30分しか見れなかったのですが、お芝居をしながらドラゴンボールなどのネタをちょいちょい挟みこんでわちゃわちゃふざけるイイ年の男性声優6人の姿がかわいかった…。

朗読劇の後は大喜利。この大喜利でもだいたいキャプテン翼北斗の拳キン肉マンなどのネタが飛び出し、たまにステージの6人だけが大爆笑して客席が完全に置いてけぼりをくらうという場面がありました。大喜利はこんな感じ。

 

お題:「アヴニール学園の校歌の歌い出しは?」

達央さんの回答:「それは私のおいなりさんだ」(変態仮面のイラストとともに)

鳥海さんの回答:「わたしがまだ味噌ラーメンだった頃」(ラーメンマンのイラストともに)

お題:「鍋パーティーが盛り上がらなかったのはなぜ?」

鳥海さんの回答:「キーパーが森崎くんだったから」

(この後キーパーが森崎くんのネタで大盛り上がりのステージ上、そして完全に取り残される客席)

お題:「月刊W6という雑誌があります。その特集記事は?」

達央さんの回答:「森崎くんのみりょく」※表記ママ

(魅力がとっさに漢字で書けないこのかわいさをお楽しみください)

菅沼さんの回答:「How to Sex」

(この後菅沼さんは座ってたイスを没収され地面に座っていました)

達央さんの回答:「なぜ12頭身なのか」

キャプ翼ネタ引っ張りすぎ)

お題:「W6のスマホが発売。その説明書には何と書いてある?」

達央さんの回答:「森崎くんの正しい吹っ飛び方」

(森崎くんのネタ引っ張り過ぎてややウケしかとれない達央さんのかわいさをお楽しみください)

鳥海さんの回答:「オゥー」(キン肉マンのイラストともに)

(これ文字にするとすげーつまんない…鳥海さんもたいがいキン肉マンネタ引っ張りすぎなんだけど鳥海さんの繰り出すものすべて切れ味良すぎて全然すべってなかったんですよすごい)

岸尾さんの回答:「ここ、敏感」(スマホのイラストの左はじ部分を指して)

達央さんの回答:「色移りする場合があります」

(すみません、この回答だけ意味わかりませんでした…)

 

と、文字にするとつまんないものばっかりなんですけど、あの瞬間あの6人がステージではしゃいでるの見たときはすごい面白かったんですよ…ほんとに。

最後の挨拶でもこんな団体芸が2回繰り返されていました。

菅沼さん「(会場のお客さんがいつからVitaminシリーズのイベントに来てるのか挙手させようとして)Vitaminの、X、Z、それからY…」

岸尾さんプロゴルファー猿じゃねえか!」

達央さん「ワイは猿やぁー!」

文脈無視して文字にするとすんごい面白くないことは重々承知ですが、こういう再現性のないしょーもない笑いをわちゃわちゃイイ大人の男性声優がやってる姿がほんとかわいかった。アイドルでもバンドでもいい年の大人の男性たちがよってたかって悪ふざけする姿ってなんであんなに愛しいんですかね。

 

鈴木達央さんが超絶アイドル、じゃなくて私たちの下僕だった

W6メンバーによる朗読劇のさなか、ひとりひとりのキャラが先生(この乙女ゲームのプレーヤー)に甘いセリフを囁く場面になった時のことでした。達央さん演じる一真の出番になったときに、達央さんは一瞬、キャラから離れて「ピンポーン、ここでお客さんに朗報です。この中で目隠しされる人がいます。通路側のお客さん、ラッキーだと思ってください」と一言いうと、また一真の声に戻り、客席の中へ颯爽と降りていきました。

そして、「せっかくだからカメラさんに抜いてもらいやすい子がいいなー」と言いながら前列中央のほうで、通路側お客さんの横に立ち、正面から片手でこめかみをつかむように手のひらをあてて目隠し。目隠しっていうかアイアンクロー。そして、今目隠ししてるのは誰だと名前を問いかけて、そのファンの方に答えさせた後、「ご褒美だ」と言ってその人の頭に手を乗せて、手越しにキス。

ちなみにこのレポが一番忠実でした。

鈴木達央さんが観客の女性に目隠し→女性の頭に手を置く→置いた手の甲にキスというすごいファンサービス!|にじめん 女子アニメ情報サイト

言わずもがな、会場中が発狂せんばかりの悲鳴に包まれました。もちろん私も胸のざわめきが止まらなかったですよ!うらやましすぎたよ!

また、その後の歌コーナーでは自分が身につけているサングラスを客席に投げ捨てるこにはじまり、持っていたペンライトも投げつけ、一番最後の曲ではあろうことかしていたネックレスをひきちぎって客席に投げ入れてました。

ほんとにホイホイもの投げすぎだし、ファンサ過剰すぎるんですよ鈴木達央さん!!!!!!

アイドルの男の子のファンサービスはいくつも見てきたけど、こんなに過剰にその身をさしだすようなファンサービスって見たことなかったです。その一挙手一投足が、女性から愛される対象として見られることに意欲的すぎて前のめりだったのです。自分の商品価値をわかりすぎてる!!!!

でも、はたと思い当たるのは、目隠しされたお客さんへのエクスキューズ。

一真だったらこうすると思う。君は悪くない」

だからあの場にいたのはやっぱり一真だったし、キスされたのは固有名を持った女性ではなくてVitaminのプレーヤーである「先生」にすぎなかったのですよ。

だから、あれは鈴木達央さんが女性に対してどう見られたいか?を考えて振舞ってるんじゃなくて、一真がどう見られたいか?を考えて振舞っていたと思うのです。達央さんの自意識と完全に切り離された状態で、それが行われていたように思います。

思えば、声優ではなくバンドのボーカルとしての役割を持って活動しているOLDCODEXでは見られることを意識してやってるようには見えません。たまにアップされるOCDのTa_2としての写真はいかつい変顔ばっかりで、とても女性から愛される対象としての自分を内面化している人には思えないのです。

この人が「愛されるイケメン」として自分を内面化するのは声優としてそうしたキャラを演じているときだけ。そして、そのときは「自分がこんなことやったら恥ずかしい」とかそういう自意識がまったく邪魔してなくて、なんのてらいもなく愛される対象としての男性を演じることができている。

アイドルや俳優などの映像を伴って見られる仕事をしている男性に比べれば、達央さんのルックスは10人中10人すべてがいわゆる「イケメン」だって評してくれるものではないと思います。声優さんは本来裏方で演じることが役割であり、見られる仕事ではないからです。

しかし、見られる仕事ではないはずの人が、見られる人物としての「イケメンキャラ」を演じることによって、見られる存在に近づこうとする。そうした試みの果てにルックスを超えたかっこよさを一挙手一投足と声だけで成立させるところに、達央さんのなんとも言えないかっこよさが詰まっていると思いました。

キャラに徹することで自意識をなくして振舞う、というのはある意味観客の要請に100%屈服することに似ています。一真としての達央さんがステージを去るときに甘い声で、「またな、下僕♡」と一真の決まり文句を客席に向かって放っていましたが、実は達央さんこそが客席にいる私たちの下僕なのかもしれないと思えて、帰りの新幹線でにやにやしてしまいました。

ちなみに、私はジャニオタとしてアイドルの人たちは全方位的に愛される自分を内面化していて欲しいし、キャラに徹して初めて愛される存在になるよりは、そのままの自分で愛される振る舞いをして欲しいので、ここらへんが声優さんに感じる魅力と異なるのだなと思いました。

アイドルはファンの下僕ではなく、ファンである私たちがアイドルの下僕でありたいのです。そこらへんが、同じ胸キュンセリフを発しても、魅力がまったく異なるラブホリ先輩の中島健人くんと、鈴木達央さんの違いなのだなと思います(個人的に)

アイドルにもっとラップをやらせたい。KREVAの新しい音楽劇「最高はひとつじゃない」感想

KREVAの新しい音楽劇「最高はひとつじゃない」観に行きました。宮野真守さん目当てです。今年に入ってから男性声優現場しか行ってない…。

KREVAさんといえば前にふまけんが出るスカパーの開局イベントに行ったときもライブを見る機会があり、好きな子の出るところにKREVAあり…という変な縁を感じました。

この「最高はひとつじゃない」は、全編KREVAの楽曲で構成されたミュージカルなのですが、KREVAといえばラップでして、ラップで構成されるミュージカルっていうのが本当に楽しかった!!!!!

当たり前のように曲がみんないいし、ダンスもふんだんに入ってて楽しいし、なによりラップって素晴らしいなと。

役者の方々はただラップをやるというよりは、割と言葉に感情をこめて口語として抑揚をつけるようにラップしてて、演じるというところでは歌うことよりも機能的なのかもしれないとも思いました。

出演は宮野真守さんの他に増田有華さん、入野自由さん、あと植原卓也さん、良知真次さん、入野自由さん…とどの方もラップが専業ではなくいろいろな活動をしていて、おそらくそれぞれに熱心なファンがついている方ばかりでしたが、ラップってその人なりの技術や努力の証、あと個性や癖が垣間見えることをひしひしと実感しました。巧拙問わず、それぞれの魅力がラップによって増幅されていくところが、本当に面白かったです。

だからKREVAの音楽劇はいろんなアイドルにやって欲しいなと思いました。

特にその思いを強くしたのは良知くん。良知くんはこの日初めて見た役者さんだったのですが、出てきたときからラップがあんまり上手ではなくて、どうなんだろうな…とハラハラして見てました。

そこへアドリブでMummy-Dが「おまえ、ちょっとラップの語尾にビブラート入りすぎじゃないか」というセリフが。良知くんはそこで演じる清掃夫としてうまく切り返す、という一幕があったのです。

舞台が終わり、KREVAさんがキャスト全員と登場してそのアドリブについての補足を話していました。

「下手な人には、下手だってのが自分でもよくわかってると思うから良知くんには、よく言ってたんだよね。君、100点満点中7点だって。そしたら良知くんすごく練習してくれて、おおすごいなー!って思ってたときにDさんが言っちゃったんだよ。『語尾にビブラートが入ってる』って。いや、それも良知くんの味だよって話なんだけどさー」(ニュアンス)

良知くんのラップの下手さを隠すのではなくて、それもあえて前に出して肯定することによって良知くんのチャームがすごくわかりやすく出ていたのです。このトークのときにもKREVAさんが積極的に良知くんをいじってて、良知くんの恐縮しきりな笑顔がかわいかったです。ちなみに良知くん、ラップは下手だけど歌は超うまいので、役者としてどうか…という問題ではなく単純に向き不向きの問題なのだというのは初見の私でも思いました。

アイドルがダンスするのって、巧拙問わずその人のダンスに動きの癖とかアイドルとしてのスタイル、キャラ、いろんな要素が出るからダンスを見るのが好きなのですが、それと同じくらいラップしてるところも見たいなと思いました。できればKREVAさんみたいな座長のもとで。

そう、だから、自担にもいつかこういう舞台に立ってもらいたいよ…(小声)

ちなみに、この舞台はちょいちょい専業の方であるKREVAさんと、Mummy-Dが登場して二人でラップを披露する場面も挟み込まれてて、やっぱりこっちは圧巻。二度美味しいものでした。Mummy-Dが演技しているところを初めて見たのですが、演技うまいし、イイ声だし、でもなんとなくかわいいし、最高だなMummy-D…。

で、目当ての宮野さんですが、宮野さんてほんと器用だし何やらせてもすごいんだなってのがわかりました。テンション高い演技をするとどうしてもコメディっぽくなるのは、この人の人柄なんだなーと思ったけど、そんなデフォルトコメディみたいな人が負の感情を切々とにじませる演技が、ものすごく迫力があるんですよ。うまれもったスター性しか感じないです宮野真守…。

それと、この舞台で一番好きになったのは増田有華ちゃん。かわいいし、歌もすごくうまいし、ダンスもキレキレでKREVAの音楽劇で一番素材のよさが活かされてるなと思いました。

舞台自体も楽しかったし、舞台に使用されるダンスや曲がどの役者も引き立たせてるし、ほんといいところしかない舞台でした。来年もあるならいろんな人に勧めたい。