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パノラマロジック

好きすぎて胸が苦しいブログ

2016現場記録&おたく生活の振り返り

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毎年恒例の入った現場振り返りエントリーです。生で声優や俳優、タレントなどを見に行ったものは舞台でも無銭でもカウント。ライビュはノーカウントです。

 

1/9 「KING OF PRISM by pretty Rhythm」舞台挨拶

*この頃はアイムエンタープライズの影を引き継いでいく気がしたストイックな若手声優永塚くんを推そうと思ってよくプリティリズムのことよく知らないのに気合入れてキンプリを見に行ってた。結局7回も見た。7回しか見てない、とも言えるが…

1/10 Letters from Tokyo

*ホテルで紅茶を見ながら楽しむという謎の声優ポエトリーリーディングイベント…腐女子役のコーラスの人とか出てきてなんだかぐったりした。

1/16 うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVELIVE5thSTAGE

鈴木達央が骨折して出てきたときは、よりによってこんな時にこの人ばかじゃねーのって思いました。このころは好きでしたからね。

1/17 うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVELIVE5thSTAGE

1/23 舞台「JAM TOWN」

*ニッキ演出、藤井隆出演の横浜を舞台にしたお芝居。めっちゃ楽しかった。終わった後は中華街でご飯だったのも横浜っぽい思い出。

1/24 枕男子イベント

2/7 山本和臣アルバム発売記念2ショット撮影会

   柿原徹也 5th Anniversary Live 

2/10 OLDCODEX「Veni Vidi」武道館

2/11 OLDCODEX「Veni Vidi」武道館

*このライブ見て泣いてた、この頃はまだTa_2さんのこと愛しいなと思ってた。

2/13 雨色ココアバレンタインイベント 昼/夜

2/14 魅惑のノーパンラジオ公録

2/15 舞台「ハイキュー」

2/21 よしまさせいごCD発売記念サイン会

2/27 鉄血のオルフェンズDVDお渡し会

*2度目の細谷佳正との接触

2/28 声優寮へようこそ購入者特典イベント

3/2 生ハムと焼うどん2ndワンマン「生と死」赤坂BLITZ

3/4 きゃらくるみ くるみ会

3/6 増田俊樹主催「お前と芝居がしたいんじゃ!」昼/夜

3/9 キンプリサンキュー上映会

3/11 防衛部活劇

3/12 B-project1stSTAGE2016

3/13 羽多野渉フリーライブ

3/20 田中くんはいつもけだるげアニメ先行上映会

3/21 キンプリCDリリースイベント1回目/2回目

3/26 Anime Japan

  (天才軍師お渡し会、ももくりトークイベント、ツキクラお披露目)

*天才軍師のハンガーお渡し会、細谷さんも安元さんもブレない優しい対応で超幸せな接触だった。そしてこの日、暇だったのでふらっと見に行ったツキクラにこの先通うことになろうとは。

3/27 Anime Japan

  (ツキプロいぶラジ公録)

4/3 SRXイベント

4/10 ツキプロライブ昼/夜

4/17 モテ福祭り昼/夜

*山谷くんとあゆのフリースタイルラップバトル()面白すぎた。トイレ兄弟大好き。

4/24 lyrical school「RUN and RUN」リリースイベント吉祥寺ヨドバシ

4/30 ツキクラグリーティングイベント福島

   ツキクラグリーティングイベント宇都宮

5/3 Plastic Tree「剥製」新潟LOTS

*家に財布を忘れて新幹線乗る直前に戻るわ、開演ギリギリに着いたのに夜行バスで帰るわ、まるで隣の町でやってるかのごとくゆるーく行った新潟遠征だった。帰りにのどぐろの炙り寿司食べた。美味しかった。今年一番遠くに行った遠征が新潟!!!時代の移り変わりを感じますね。

5/8 キュートランスフォーマーイベント昼/夜

5/14 ガンスト新宿イベント

   月歌亭ツキクラお手伝い(筆村/古畑)

*ふーくんのアイドル反射神経がすごかった

5/15 お前らのためだろ第48弾 夜の部

鈴木達央の女装、ツルツルの足に感動した。この頃はまだ好きだったからね。

5/22 月歌亭ツキクラお手伝い(市川/松岡)

   天才軍師イベント(ハンバーグ/寿司)

5/29 月歌亭ツキクラお手伝い(荒/菊地)

6/4 月歌亭ツキクラお手伝い(大島/古畑)

   Mマス1st stageチアリング上映会

6/8 舞台「コメディカルナイト」

6/10 舞台「コメディカルナイト」

6/11 舞台「コメディカルナイト」

6/12 舞台「コメディカルナイト」昼/夜

6/18 SERVAMPアニメ先行上映会

6/19 ダイヤAコラボヤクルト対西武戦

*前日のサーヴァンプ楽しすぎて急遽行ってきた達央、俊樹、壮馬くんたちが出るトークショー付き野球観戦。野球観戦は物心ついて以降初めてだったけど楽しかった。そしてヤクルトの東京音頭を踊る声優たちかわいかった。

6/25 ツキクラグリーティングイベント富士見

7/1 ツキクラ2ショットチェキ会

7/18 TSUKINO CROWD FESTIVAL 2016 SUMMER

   東アニの目覚め夜

7/24 ビーズログファンミーティング

7/31 イケメン戦国イベント昼/夜

8/1 V-nation

8/11 犬小屋ちゃんねるイベント

8/14 ハイスピード!上映会&トークショー

8/27 HAPPY STYLE Boys PARTY

*筆村くんや奥山けいてぃーがいるスタキュの男性声優イベント。筆村くんとけいてぃーのダンスがかっこよすぎだしSTYLE FIVEのカバーやってくれるし最高だった。

8/28 ツキクラ浴衣上映会

   ツキクラ浴衣チェキ会

9/3 七つの大罪イベント夜

9/11 双星の陰陽師イベント夜

9/13 アイキャラFes

9/18 東京ゲームショー(Bit cashひらがな男子トークイベント)

   ツキクラ「未来のPiece」リリイベ大宮

9/19 チア男子最終回直前上映会

9/24 防衛部伊香保温泉トークショー

*声優見に行きがてら温泉に入れるし接触もできる幸せなイベントだった。伊香保温泉の公営浴場のお兄さんがとっても優しくしてくれた、旅のいい思い出。伊香保いいところ!

10/1 ツキクラ運動会

10/10 Plastic Tree「Black Silent/White Noise」東京国際フォーラム

10/13 劇団番長ボーイズ☆「天下統一恋の乱 Love Ballad」

10/27 Plastic TreeFC限定ライブ「有村クロの東京仮装倶楽部」東京キネマ倶楽部

*40代中盤に差し掛かるまごうことなき中年である長谷川正のコープスプブライドのコス、美しくって感動した。

11/5 「鷲崎健・白井悠介のRadio X計画」スペシャルイベント

11/6 美男高校地球防衛部LOVE! LOVE! LIVE!

11/16 Hasegawa Calling

11/19 モテ福祭り昼/夜

11/26 ツキクラ「未来のPiece」リリイベ浦和美園

11/27 声優男子ですが…?イベント「声優男子学園スペシャル参観日ですが…?」

12/3 藍さんの芸能音楽研究部

*今年唯一の女性声優現場。のっちさん元気でかわいかった。

12/13 TSUKINO CROWD FESTIVAL 2016 WINTER

12/18 オトメイトチャンネルクリスマススペシャルイベント

*梅ちゃんが山谷くんの第一印象に「意識高い」って言ってたのと、天崎くんがひたすらやばいキャラだってのがわかったいいイベントだった。イノエルも最高にかわいかった。出演者全員大好きなイベント、声優現場納めとして最高だった。

12/29 Plastic Tree年末公演ゆくプラくるプラ1日目

12/30 Plastic Tree年末公演ゆくプラくるプラ2日目

 

総数 94

【人別内訳】

鈴木達央 13

山谷祥生 20

市川太一 24

細谷佳正 7

白井悠介 8

長谷川正 7

細谷より多く白井さんの現場に行ってることにびっくりした。さすがイベント映えする白井さん…。

 

今年一番楽しかったのはやっぱり天才軍師のイベント!会場にいるおたくの恋愛相談に対し熱くなる細谷佳正を生で見ることができて本当によかった。時にはリスナーの恋愛相談を、自分の黒歴史を掘り起こすからと、怒って破り捨てるやばいラジオパーソナリティー細谷佳正くらいのものです。本当にいいラジオ番組。

あと、ツキプロライブもめちゃくちゃ楽しかった!いい曲しかない声優ライブ!Growthの「空想のイデア」の中でみんなの顔を見て笑った山谷くんの剣介っぽさは忘れないです。

あとなんだかんだ一番行ったツキクラは、やっぱりこれからも応援していくのかなあと思います。みんな面白いし、かわいいし。クラフェス夏で市川くんが選抜漏れしたのが悔しくて、冬でユニット曲がなかったのが残念だったので、来年は市川くんがたくさん歌う場面に出会えるようできる限り投票とかしていきたい。

 

2016年は色々と自分の心境として大きく動いた年だったと思います。なんかもう今までのようにおたく活動がそこまで楽しくなくなってきて、そろそろおたく辞めようかなと思い始めました。何があったわけでもないけど。

でも、最近になって、おたくをやめるのが最適解なのではなく、自分に合った楽しみ方はこれじゃないなと気づいたから、それを変えていくだけなんだなと思いました。そう、そのせいで10月以降現場数が減りました。

現場に行かなくなってから、星野源ほしのげんと騒いでみたり、海外旅行が楽しかったり、Sherlockを見始めたりと、新しい生活の楽しみ方を模索してるところです。またイギリス行きたいしSherlockのロケ地は絶対行きたい。

でもおたくやっててよかった〜〜!と深く感じたこともいくつかありました。これ以上よかったと思うことはないかもしれないと思ったことが何度かあった2016年でした。

仕事や生活の中で辛いことがあってげんなりしてても、別の名前でアカウントをつくって小さなことで一喜一憂することで、つらいことが紛れるなあという感覚を久々に思い出しました。だから相変わらず、ちょこちょこイベント行ったらはするんだろうし、引き続き新しい沼的なやつも探すのだと思います。

沼って言い方は全然好きじゃないけどね。溺れることを、足をとられ深みにはまることを楽しいと思える時期が過ぎてしまったのかも。

あと、鈴木達央にあまり興味を持てなくなったことも大きいかな…。LiSAちゃんのことがきっかけではないけどw 総じて、なんか歳とったんだろうなと思いました。

 

2017年はPlastic Treeが20周年ということで、プラのライブにできるだけ行きたいと思います。冒頭の写真は、12/30現場納めのプラ年末ライブ終演後の忘年会で。写真の通り、みんな別のジャンル行ったけどいまだにこうして集まれるのはひとえにプラがバンドを続けてくれるお陰だから。続けることって偉大だし尊いことだ。

 だから、引き続き楽しく毎日を積み重ねていきたいと思いました。

 

 

男性声優楽曲大賞2016 今年の27曲

2016年男性声優楽曲大賞を今年も選びました。今年は27曲!正直上位10曲以外は序列ってほどの序列がついてません。あと、推しのいる楽曲はやはりかなり上位に入れてます…。

ルールはこちら。

・2015年12月~2016年11月に発表された曲が対象

・1枚のCDから選べるのは1曲だけ

・しかし、これは!と思う1枚に限っては2曲選んでもよい

 超個人的男性声優楽曲大賞2016(前編) - and i like betty*

 

20位圏外

星空ランデブー/石膏ボーイズ(聖ジョルジョ(杉田智和),メディチ(立花慎之介),ヘルメス(福山潤),マルス(小野大輔) ) 

星空ランデブー

星空ランデブー

 杉田が杉田っぽい。石膏ボーイズだけに音がバキバキ重ためでかっこいい。あと、作詞のボンジュール鈴木がカバーしたバージョンがとにかくいいです。

Perfection Gimmick/IDOLiSH7(和泉一織(増田俊樹)、二階堂大和(白井裕介)、和泉三月(代永翼)、四葉環(KENN)、逢坂壮五(阿部敦)、六弥ナギ(江口拓也)、七瀬陸(小野賢章))

Perfection Gimmick

Perfection Gimmick

  • IDOLiSH7
  • アニメ
  • ¥250

 たくさんある二次元アイドル楽曲の中でひときわ王道のパワーを感じさせた曲。メロディもトラックも歌詞もすべてがちょうどいい感じします。

Toy Garden/恋歌ロイド Type3 響&玲-キョウ&レイ-(寺島拓篤羽多野渉

イントロのスラップベースがめちゃかっこいいドラムンベース。ちなみに恋歌ロイドシリーズは細谷佳正の演じたType2が至高。

Fly away!/和泉一織(増田俊樹)、七瀬陸(小野賢章

Fly away!

Fly away!

 安定のshinnosukeさんっぽい80sなファンクサウンドにのせてクールなツンデレ弟キャラと元気主人公お兄ちゃんキャラの掛け合い「相変わらず生意気いつだってかわいげがない」「あなたにかわいいなんて思われなくてもいい」というときめきフレーズが胸を撃ち抜いてくる。「あなたにかわいいなんて思われなくてもいい」ってすごいよな。かわいいって思われる可能性があることを秘めているもんな。

Naked Moon Light/日向樹(浪川大輔) 、壁井柚(柿原徹也) 、朔久間柊(羽多野渉

イントロの不埒なベースラインに、笑ってしまうほどに吐息だだ漏れの浪川さんの不穏な声が重なるあたりからしてもう最高の予感しかない曲。柿原さんと浪川さんのアクの強い歌声が、夜の香りのバンドサウンドに絡まってかっこいいんだか笑っちゃうんだか紙一重。特に1番の最後の浪川さんの歌い方が、なんかもう。すごい。間奏のジャジーなギターも、ものすごくかっこいいのに、ここでも3人の吐息の音が重なって笑いをこらえきれない。ギリギリなかっこよさをひたすらいく問題曲。

Silent Oarh/Knights(月永レオ(浅沼晋太郎),朔間凛月(山下大輝),鳴上嵐(北村諒),瀬名泉(伊藤マサミ),朱桜司(土田玲央))

昨年のVoice of Swordに引き続き今年もKnightsの曲がかっこよかった。ミディアムテンポなR&Bなのかなと思いきや、サビでテンポアップし、メランコリックなメロディが高みに向かってより切なくなっていく展開がたまりません。元気な少年役の多いイメージの山下大輝さんの、艶っぽい歌声が遺憾なく発揮されてて息を呑みます。3次元ボーイズグループがリアルに歌いそうな曲。

Night Drivin'/小野賢章

Night Drivin'

Night Drivin'

 なんか、こう、すごい今っぽい感じしませんか。俳優としても声優としてもキャリアを積んでる今っぽい男の子が歌ってる曲としてど真ん中って感じでかっこいい。

20位:Sugar,Sugar/宮野真守

Sugar、 Sugar

Sugar、 Sugar

 宮野真守さんの出す曲がいいのはもう明白なのでわざわざ書くのもどうなのかと思いつつも、やっぱりいい曲なので入れてしまった。低音の効いたディスコが最近のK-POP(ていうかSMエンタ)の流れを汲んでるみたいだ、というレビューにしようと思って作曲クレジット見たら、ほんとにそっちのクリエイターの方でした。

19位:border-line/寺島拓篤 

border-line

border-line

 ポップでいることも、耳ざわりのよさも捨てて、クラブミュージックっぽい音像とひたすら変化していくビートの面白さだけで聴かせていく、男性声優楽曲として思い切ったものになっています。この曲で一番派手なのは間奏部分で、歌はどちらかと言えばトラックより下位に置かれているような印象。歌ものとしての優秀さを求めないことで曲のかっこよさを守りきった感じがします。寺島拓篤さんのストイックな声優としてのスタンスがソロワークスのこうした思い切りのよさに現れているのかもしれないなと思いました。

18位:花丸日和!/大和守安定(市来光弘)・加州清光(増田俊樹

花丸◎日和!

花丸◎日和!

 和楽器が入ると変に和のテイストを意識した楽曲になりがちだと思うのですが、この曲はそれがなく、ポップなバンドサウンドになっています。軽やかな和楽器の音色に、安定と清光の丸っこいボーカルと、「いえー」とか「ふー」とか脱力感のある合いの手がかわいい。女性声優の曲っぽいなと思いました。

17位:/月皇遥斗(子安武人

Everlasting Moon

Everlasting Moon

 山下達郎堂島孝平がジャニーズに提供するようなアーバン歌謡な曲は、男性声優にもちらほらあるにはあるけれど、もはやオールドスクールな「男性声優」のアイコンとして存在するベテランの子安さん(子安で画像検索すると私の言いたいことがわかるはず)が歌っていることで、曲の持つ歌謡曲っぽさに納得感をもって聴くことができます。過剰にならないあっさりしたボーカルが心地よい。スタミュはやく2期やってくれ。

16位:iiiiiLOVE YOU!!!!!/芹澤悠吏(浪川大輔)、不破渓士(前野智昭)、桃越ハル(鈴村健一)

iiiiiLOVE YOU!!!!!

iiiiiLOVE YOU!!!!!

  • 芹澤悠吏(CV:浪川 大輔)、不破渓士(CV:前野 智昭)、桃越ハル(CV:鈴村 健一)
  • アニメ
  • ¥250

 突如ハイテンションなピアノとホーンセクションで曲が始まり、浪川さん演じる芹澤の不穏なボーカルが「学校帰りの公園」と状況を説明してくれると前野演じる不破&鈴村さん演じる桃越の「ああ、君か」「ねえこんなところで何してるの?」とセリフが入り、開始30秒でリスナーは藤城学園のマドンナになれます。最終的に「アイアイアイアイアイラブユーがあいあいあい、合言葉さ!」という突き抜けたサビで告白され、圧倒されていると突然鈴村さんのラップパートがねじ込まれ、矢継ぎ早にまたミュージカル調なボーカルやセリフが繰り出される、ひたすらハッピーでシアトリカルな一曲。終わったと思ったら不破の「からの、もう1回」でまた再開するのも、男性声優が歌う曲ならではの遊び心に溢れています。

ていうか、この曲もっとたくさんの人で歌ってるんだと思ってた……あと、キャスト見ないで聞いてた時、ラップパートは鈴村さんじゃなくて森久保さんだと思ってました。

15位:Sweet Sweet Sweet/一条シン(寺島惇太 

Sweet Sweet Sweet

Sweet Sweet Sweet

 今年の上半期、おたくの話題をさらった『キンプリ』主人公、一条シンくんのソロ曲は、「likeとloveの違いも僕には見分けがつかなくて少しがっかりさせてるかな」などのシンくんらしいウブで純情なフレーズに溢れています。単純にそれだけだったらまだお行儀が良いラブソングですが、問題は「方向一緒だから送るね。そんなの嘘だよ気付いてるんでしょ?」というフレーズが意外すぎて…。好きな女の子に近づきたくて嘘をつくあたりに、更に「僕のsweetなんてあなたには子供だましだけど」というフレーズに少し拗ねた表情を見せる歌声に、一条シンくんの男としてのいじらしさを感じて、聴いていて邪悪な笑顔にならざるをえません。いや、もっと言えば「あなたには子供だましだけど」であからさまに拗ねた声で歌ってくるあたりに、今年一番見つかった感のある男、寺島惇太の声優としてのいじらしさを感じてしまいます。ゆるんだ笑顔で「趣味はパチスロ」と公言するのに、声優として決めるところはきっちり決めてくる、素直に「売れたい」と言ってたじゅんた。来年も目が離せない。

14位:Day you laugh -latin style-/豊永利行 

Day you laugh -latin style-

Day you laugh -latin style-

  • 豊永 利行
  • アニメ
  • ¥250

 昨年リリースされたシングルDay you laughのラテンアレンジ。原曲ももちろんかっこいいのですが、ラテンアレンジが更に、豊永さんの歌声の骨太な男の色気を研ぎ澄ませています。アレンジ自体は原曲に比べシンプルになった印象ですが、物足りなさを感じさせないのは圧倒的な歌唱力があってこそ。個人的にはこっちのほうが豊永さんの声が際立つので好きです。純情だったり気弱だったり子供っぽい役を軽々やってのける高い声の中に、30代男性の色気を同居させる豊永利行ってすごいな…というのを改めて感じた2016年でした。ハイスピード!にもB-projectにも、SOARAにも文豪ストレイドッグスにも、どこにでもいるのにそんな豊永さんの凄さに年末のユーリ! on Iceで初めて気づくなんて手落ちでした。そもそもこんなかっこいい曲を自分で作ってるというのを今年初めて知ったなんて完全に手落ちです…。自分で作曲する超絶歌の上手い声優…そんな人他にも思い当たるわけですが、本当に推すべき存在は、豊永さん、あなたなのかもしれません。すみませんでした。

13位:Check it love!/Epicurian(戌井ケラ(江口拓也), 木戸ロミオ(増田俊樹),御剣サエ(島﨑信長), 一色ノゾミ(鈴木裕斗))


【Rejet】FORBIDDEN★STAR Epicurean「Check it Love!」 MV

缶バッチ量産会社として名高いrejetですが同時に名曲を量産する会社でもあるrejet。80sエレクトロなイントロがかっこいいUNICORN Jr.の「F.A」も入れようか悩んだけど、Epicurianの「Check it love!」は2次元ボーイズグループとしてのポップさとシンプルかつ力の抜けたバンドサウンドのかっこよさの同居が珍しいなと思ったのでこっちを入れました。意外とこういうロックは男性声優は歌ってない気がする。「Please kiss my love」のところもかっこいい。なんかちょっとNEWSのFightingManににてる気がしなくもないですがVERY GOOのクリエイターの作曲だったので目を瞑ろう。ぎょすと信長くんが同じグループにいてアニ◯ズだ!って思えるのも、キズナイーバーで信長くんと西山さんが共演した2016年らしくてよいです。

12位:イっちゃいそうだよ/F∞F(愛童星夜 (KENN)、湊奏多(井口祐一)、御剣晃(豊永利行))

ミュージック│アイ★チュウ 公式サイト

チープなビートにチープなラテンめいたシンセが乗って疾走感のままに最後まで突っ走ってしまう。あいた音の隙間を埋めるようにKENNアンド豊永さんのカロリー高めな歌声が響くのでちょうどよし。更に、このハイカロリーな二人の歌声の狭間で最高に脱力させてくれる井口さん演じる湊くんの不安定な歌声が、アクセントになってて、なんだかクセになってしまう。声優っぽいいびつな魅力に満ちた曲だなと思います。アイチュウの曲って全体的なチープさは否めないけど地味にいい曲が多い。

11位:トップランナー入野自由

トップランナー

トップランナー

 佐伯youthKの曲にMummy-Dの歌詞というクレジットを見ただけでいい曲の予感しかなかったですがそれをまったく裏切らない曲でした。自由くんのフロウがMummy-Dまんまで、「I am I」とはまったく違うところに彼の器用さを見てしまいます。声優として、あるいは舞台役者として若くしてトップランナーになった彼が海外留学を発表し、その直前にリリースしたこの曲で、「悪くない、いや、決して悪くないが何かが足りないんだ」と瑞々しい焦燥感を歌い上げるなんて、かっこよすぎる。しかも、こうした純粋に高みを目指そうと走り出す若者の焦燥感について歌詞を書いてるMummy-D本人は、RHYMESTERで”ひたすら走り続けて、走り続けるうちに背中を追ってたライバルもいなくなった”という曲「フットステップス・イン・ザ・ダーク」を作っている、というのもこの曲の面白さ。「今俺はトップランナー?ラストランナー?いずれにせよバトンは握ったままさ」という、走り続けた先の決して晴れやかでない景色を見ている40代の男が、走り出そうとする20代の男の詞を書くと、説得力が違うなと思います。

 

ベスト10

10位:You Only Live Once/YURI!!! on ICE feat.w.hatano 

You Only Live Once

You Only Live Once

  • YURI!!! on ICE feat. w.hatano
  • アニメ
  • ¥250

 最初から最後まで繰り返される短いフレーズが一曲をつらぬく構成はアニメのEDとしてすごい優秀。さらにこの曲にinstagramを次々と見せるアニメーションをつけたユーリのED制作スタッフも優秀。EDテーマとしての機能に特化しすぎて1曲通した全体の展開がやや単調だったのが残念ですが、美しく儚いフレーズのループに「このままユーリ!!! on ICEが終わらなければいいのに…」と願ってしまいたくなるので、名曲には違いないのです。

9位:KUMAMIKO DANCING/雨宿まち(日岡なつみ)&ナツ(安元洋貴) feat.熊出村のみなさん

KUMAMIKO DANCING (feat. 熊出村のみなさん)

KUMAMIKO DANCING (feat. 熊出村のみなさん)

 ほ、星野源オールナイトニッポンでこの曲絶賛してたからランキングに入れたわけじゃないんだから!この曲かけた時に「僕、安元さん大好きなんですよね…安元さんになら抱かれてもいい」とか星野源が言ってたせいで、星野源のことを見直すきっかけになり、今や星野源を見ただけで興奮して「げん〜〜〜〜〜!!!!!!」て叫びたくなるし、安元さん自身も星野源が大好きで、その後星野源オールナイトニッポンスペシャルウィークゲストとして安元さんが登場したのが今年一番興奮した思い出だったからといってこの曲をランキングに入れたわけじゃないんだから……!!!!

すみませんでした。

そういうのを抜きにしてもこの曲が面白いなあと思うのは、太鼓や笛の音、琴の和音階が入って、更に熊出村村民の田舎なまりラップも入ってアニメの世界観そのままなのに、ビートが立ってて、削ぎ落とされた今っぽい音になっているところ。サビ前のラップのところとか、なぜかかっこいい。星野源も言ってたけど、間奏で村民の台詞が入ってくるところ、裏で鳴ってる控えめで叙情的なエレクトロピアノがとてもよい。

星野源はserphっぽって言ってた。確かにそうかもしれない)

8位:LAPIS BLUE/SOARA(大原空(豊永利行)、在原守人(小野友樹)、神楽坂宗司(古川慎)、宗像廉(村田太志)、七瀬望(沢城千春))


ALIVE(SOARA・Growth)/SolidS花鳥風月シリーズ「鳥」MV 6月24日発売予定!

2016年のSolidS、Growth、SOARAシリーズはだんだんとそれぞれの「らしさ」という枠が溶け出してグループごとに表現の幅が広がっていった印象でした。SolidSが「ライアクライア」のようにGrowthのような美しいハーモニーの曲を出したのも驚いたし、青春バンドサウンドがコンセプトだったSOARAが変拍子に乗って叙情的なメロディを歌う「LAPIS BLUE」も、新鮮でした。ていうか、じょんさんっぽさ炸裂。

SOARAは豊永さんと小野さん以外もボーカルをとるようになってから、ぐっと面白くなった気がします。特にLAPIS BLUEは歌い出しの古川さんの低い声が情感たっぷりに聞かせてくれて一瞬で引き込まれる。そしてBメロで、一番SOARAっぽい青臭さを体現する沢城千春さんの声が聞こえてきて、最後の最後に「見渡す限りのLAPIS BLUE」というタイトル通りの、たった一言のフレーズを、ミスターSOARAの豊永さんが歌うところが最高にサビまでの期待感を煽ります。

「はやりの髪型やおしゃれもしないで僕らが真面目に極めた紙飛行機」ってフレーズを豊永さんが歌う時の、青春の象徴としてのSOARAの説得力なんなんだろうね。ていうか豊永利行の声がキャラクターを持った時の説得力すごいよね。

7位:ドラマチックLOVE/(一条シン(寺島惇太)、太刀花ユキノジョウ(斉藤壮馬)、香賀美タイガ(畠中祐)、十王院カケル(八代拓)、鷹梁ミナト(五十嵐雅)、西園寺レオ(永塚拓馬)、涼野ユウ(内田雄馬))

ドラマチックLOVE

ドラマチックLOVE

  • 一条シン&太刀花ユキノジョウ&香賀美タイガ&十王院カケル&鷹梁ミナト&西園寺レオ&涼野ユウ(CV.寺島惇太&斉藤壮馬&畠中 祐&八代 拓&五十嵐 雅&永塚琢馬&内田雄馬)
  • アニメ
  • ¥250

2016年前半、多くのおたくがキンプリを見に足繁く劇場に通っていましたが、1時間フルボッコで殴られるようなアニメを見た後でくたくたになっているところに、清涼剤のようなこのEDテーマが流れてくるのが、気持ちよすぎて劇場に何度も足を運んだという人も少なくないはず。何年たっても飽きないし色褪せない美しいポップソングです。サビ前に音がぱったりやんで「恋した」と呟くように歌われるところに、しみじみと「恋って美しいなあ……」と思ってしまう。

ちなみにEZ DO DANCE-K.O.P REMIX-も入れようかと思ったけどあっちはカバーだからということでこっちにしました。プリリズシリーズでいくつかボーカルが異なるEZ DO DANCEのリミックスがありますが、K.O.P REMIXがすごいのは、完全にGackt歌唱な恐るべき19歳武内くんに、小室サウンドを歌わせたところ。小室哲哉の時代を経験していないのであろう若者から放たれる伸びやかなファルセットがこんなに小室サウンドにマッチするとは新感覚すぎた。そこに追随するだーますさんも、この曲では武内くんに負けないように強めの歌い方してるのが好きです。がんばってる。

EZ DO DANCE -K.O.P. REMIX-

EZ DO DANCE -K.O.P. REMIX-

 6位:歓迎☆トゥ・ウィンク雑技団/2wink(葵ひなた(斎藤壮馬),葵ゆうた(斎藤壮馬))

歓迎☆トゥ・ウィンク雑技団

歓迎☆トゥ・ウィンク雑技団

  • 2wink/葵ひなた&葵ゆうた(CV:斉藤壮馬)
  • アニメ
  • ¥250

ユーロビートに、雑技団イメージのエキゾチックなシンセがのってるのが癖になる1曲。チープなピコピコをこれでもかと重ねて豪奢な大宮殿を建造しちゃったみたいなきらびやかさ。と思えば間奏でダブステップっぽい低音が音がちらちら入ってくるのが異素材の重ね合わせみたいで楽しい。男性声優楽曲でなかなかユーロビートを聴いたことないかもしれません。そんなかっこいい曲も壮馬くんのクセのなく安定したボーカルがあるからこそ際立つなと思います。

 

ベスト5

5位:カレイド TOURHYTHM/Jupiter&W(天ヶ瀬冬馬(寺島拓篤)、御手洗翔太(松岡禎丞)、伊集院北斗(神原大地)、蒼井享介(山谷祥生)、蒼井悠介(菊池勇成))

カレイド TOURHYTHM

カレイド TOURHYTHM

  • Jupiter & W
  • アニメ
  • ¥250

 あちこちでさまざまな音が、絶妙なバランスで鳴っててまさに歌詞の通りカレイドスコープのような煌びやかさのあるアイドルポップスです。過剰とも言えるほどの数の音を重ねている気がしますが、それは世代も毛色も違うJupiterの声優寺島たっくまん、つぐつぐ、神原さんとWの山谷くん、きくてぃーが混ざり合って歌ってることに呼応しているよう。この2つのグループをつなぐ曲として素晴らしいなと思います。イントロも、「冬馬!」(冬馬!)「悠介!」(悠介!)とひとりひとりJupiterとWのメンバーの名前を交互にコールしつつ、高鳴る鼓動のようにビートが速くなり、サビで一気に視界が開けるような始まり方で、2つのユニットの新しい出会いのドキドキ感を印象づけていて最高。あーーーーやまやくんこんな曲と出会えてよかったねーーーーーーーーーー!!!!

4位:SEKAIはボーイミーツボーイ♂/坂口亮(羽多野渉 

SEKAIはボーイミーツボーイ♂

SEKAIはボーイミーツボーイ♂

 5分の意味不明コンセプトのゴリゴリ女性向けアニメに突如として流れてくるいいテーマソング!という怪奇現象のようないい曲との出会い方、2015年は「枕男子」であったことですが、2016年はこのアニメでした。曲がいい。でもそれ以上にこの曲を羽多野渉さんが歌うところに過剰な意味を見出してしまう腐女子の私がいます。

腐男子高校生活」というアニメは”腐ってる人あるある”を腐男子の主人公が腐男子目線で語る(そしてその視聴者はおそらくだいたい腐女子)という禍々しいコンセプトの作品です。BL自体が、大雑把に言えば性愛を男性同士で描くことで女性読者に神の視点と共感の両方を与えるという側面がありますが、そんな腐女子自身を「みられる側」に引きずり出してその姿を描き同士の共感を呼ぶのにも、あえて男性主人公を起用して読者を作中の人物から一歩遠ざける、という手法が使われるのが、色々な理由はあるんでしょうけど、なんだか腐女子が当事者であることからひたすら逃げるようにも見えてすごいなあと思ったのでした。

で、アニメに出演している声優陣はおそらく意図的に全員BLCDでよく名前を見るキャストで揃えてて、「BLCDでBLを演じていたキャストがBLを楽しむ側まで演じる」という構造の能天気な面白さもあるのですが、同時に、ここにひたすら逃げる腐女子をつかまえるリアルの網みたいなものも見える気がします。

それを一番表してるのがこの曲、「SEKAIはボーイミーツボーイ」ではないかなと。ピアノとホーンセクションの賑やかしいポップソングの上に無理やり感のある譜割で「東館2時間待ちシャッターは俺に任せろ」「ヘタレ攻め 襲い受け 無限大」というおたくからしたら赤面したくなるようなジャーゴンが散りばめられている、おたく的パーティーソング。でもそれを真摯に楽しく正しく歌い上げてるのは実在するキングオブ結婚したい男性声優34歳の羽多野渉さんなのです。この曲がポップソングとして優秀であればあるほど、羽多野さんが真剣に歌えば歌うほど、腐女子としては、我々の欲望を真摯に受け止めてくれて正しく提供してくれる、腐ってない人(しかも男性)の存在をありありと見せ付けられてる気がしてなりません。

しかも聞いた話だと、落ちサビの「逆カプだめかも」は羽多野さんがアイデアを出したとか…。さすが5色のリップ音を使い分け(「犬と欠け月」フリートークより)、近年初めてBLCDに出る有望な若手声優に伝統芸を伝承していく攻役を担うことが多い羽多野さんです。我々の欲望に真摯に向き合ってくれてありがとう…という深い感謝でいっぱいになります。 

3位:SIX SHAME FACES〜今夜も最高!!!!!!〜/トト子 feat.おそ松×カラ松×チョロ松×一松×十四松(遠藤綾櫻井孝宏中村悠一神谷浩史福山潤小野大輔入野自由)

SIX SHAME FACES ~今夜も最高!!!!!!~

SIX SHAME FACES ~今夜も最高!!!!!!~

 男性声優楽曲で「いい曲」というのを考えると、曲がいいだけじゃなくて、男性声優が歌う意味、つまり演じてる世界観やキャラクターが無理なくそこに現れてること、むしろその世界観をより鮮やかに見せるものなんかが「良い」の条件になってくるのかなと思っていて、その意味では「おそ松さん」EDテーマ2曲はド真ん中の大正解を叩き出しています。ここまでかっこいいトラックとアニメの世界が無理なく両立するどころかぴったりとはまってて、更に声優をうまく使った曲ってそうないなと思います。

「SIX SAME FACES」も良かったですが、こっちの「SIX SHAME FACES」のほうが単純に好みなのと、声優楽曲として美味しいかなと思ってこっちにしました。この曲が声優楽曲として美味しいと思うのは、クズニートの六つ子のセリフで構成される1番に対比する形で、F6の台詞で構成された2番があるところ。F6はクズニート6つ子とパラレルで存在するイケメンな6つ子ですが、そもそもこのF6っていう乙女向けコンテンツパロ自体が、「おそ松さん」に起用された声優のコンテクストを汲んで作られてるところがあり、声色で物語を転換させるというのは声優楽曲ならではの面白さだと思います。

キンプリの西さんがおそ松さんの音楽の担当もしていたようなので、どう関わってたのかはわかりませんが、西さんのオーダーでこの曲もキンプリの曲も生まれてるなら西さんはほんとすごい人。

2位:スリム・ボーイ・スリム/ひょろっと男子(梅原裕一郎西山宏太朗

(公式で試聴があがってないのがくやしい!ぐぐってください…)

いつかは出るだろうと思っていたラジオ「ひょろっと男子」のCDシングル。放送開始当初から、いつかはこの番組を次世代のDGSみたいなものにしたい気概が制作サイドから漂っているなと思っていましたが、リリースした「ひょろっとらぶ」収録の2曲がこんな完成度になるなんて、まさか想像してなかったよ!「ひょろっと男子」にかける大人たちの気合いのすごさを見たCDでした。80sアイドルソングのオマージュがいかにも2016年っぽい「ひょろっとらぶ」の勢いもすごいけど、「スリム・ボーイ・スリム」が文句なしにかっこいいのでこっちをランクインさせました。あまりにかっこいいと思ってたら寺島たっくまんのborder-lineの柘植さんとこっちのTSUGEさんは同じ人だったんですね。

際立つ低音にサンプリングを組み合わせたような音のラップパートから、キャッチーなサビへ展開する構成もいいし、「共に歩くランウェイ」のところで、それまで梅原さんの声がどちらかと言えばメインだったところ、西山くんの声がファルセットの一瞬だけメインとして逆転するのが気持ち良い。このパートがあることで、うめこたっていう低音&高音コンビが歌う意味がこの曲にあるんだと思わせてくれます。

西山くんて歌い方のクセが強いイメージあったけど、いろんな曲を歌う声優になったことで、癖がなくなって歌声が垢抜けましたよね。西山くんの声のよさが現れているという意味でも胸がいっぱいになるいい曲ですね…。あと西山くんの趣味からすると「ひょろっとらぶ」みたいな曲を歌えて嬉しいに違いないはず。

ひょろっと男子の「ひょろっとらぶ」、おそらくアニメイトとA&Gショップくらいにしか売ってないしラジオ番組発のユニットだから手に取る人も限られてると思うのですが、そういうところにいい曲が眠っていたりするのが声優楽曲を聴くことの楽しさでもあるんだなあと思いました。かつて諏訪部さんと鈴木達央がやってたラジオ「集英乙女研究部」から生まれた、恐ろしくいい曲しかないアルバム「乙女番長」を、リアルタイムで楽しんでいたらこんな気持ちだったのだろうか。

最後の「どうタフだろう?」っていうラジオのコンサプトから拝借したフレーズも、笑っちゃうけど笑えないほどセクシー!!!ひょろっと男子最高だな!!!!(ってもう1年くらい聞いてないわたしが叫びます)

1位:Be My Steady/Galaxy Standard(諏訪怜治(宮野真守)、黛静馬(平川大輔)、千代松万太郎(江口拓也)、妹尾匡(鈴木達央)、黛遊馬(小野友樹)、奥村楓(豊永利行))

Be My Steady

Be My Steady

 2016年は男性声優ドラムンベースをたくさん聴いた気がします。寺島&羽多野の恋歌ロイド「Toy Garden」とか、リコとグリの「チョコをください」とか、SolidSの「Lily-寄り添う百合のように-」とか。でもこの曲が抜きんでて素晴らしいと思ったのはR・O・Nくんの最大の魅力である憂いのあるメロディラインです。R・O・Nくんと言えばパンチのあるデジタルロックというイメージがありますが、それ以上に彼の魅力はメロディメーカーであることだと思います。主張の強いデジタルサウンドの中で、憂いのあるピアノがずっと鳴り続けて、「打ち合わせしよう未来の待ち合わせキャンセルされても 星の一生からすりゃこんなのすら一瞬」という、半径2メートル内の僕とキミの恋が宇宙サイズに膨らむ歌詞をロマンチックな説得力で聞かせてくれる。

イントロの儚げな始まり方も、それぞれのパートのつなぎかたも、ツインボーカルをいかした波のように次々にたたみかけてくるサビも、そのすべての構成が最高。

また、この曲はキャストが豪華すぎる。なにせ小野友樹鈴木達央らをバックボーカルに従えて宮野真守豊永利行が掛け合いで歌うっていう。なにその、大トロとズワイガニを下敷きにして、いくらとウニをのっけた海鮮丼みたいな贅沢さは。

更に言うと、この曲はR・O・NくんがOLDCODEXを脱退して以来初めて、鈴木達央R・O・Nくんの曲を歌ったというメモリアルな曲でもある。(他にあったらすみません)あくまでもバックボーカルとしてだけど。でも、そんな達央に与えられた短いソロパートの歌詞が「君がいなきゃ世界なんて不完全」だったのも、なんという因果か。そういうのも含め、本当にすごい曲。

 

以上、2016年の男性声優楽曲を振り返ってみました。

なんという豊永利行率よ…。次いで増田俊樹と寺島さん羽多野さんて感じでしょうか。来年もそこそこに、男性声優の曲を聴いていくのだと思います。

2017年はWITHLINEの男性声優が歌う「knowing」(?)がきっと音源化されるはずなので、それをランキングに多分入れると思います。2017年も引き続き山谷祥生さん売れて欲しいです。あと市川太一くん。

たった4ヶ月で「よくわかんない」ツキクラにどっぷりハマった話

 

おたく同士が久々に会うと「さいきん何ハマってんすか?」とか聞いたり聞かれたりすると思います。私の場合は、最近迷いなく「ツキクラですね」と答えるしかないほど「ツキクラ」にハマってるんですけど、だいたい「ツキクラ」って言ってピンと来る人がいない。

「ああ、なんか最近アニメやってるやつ…」

「それは『ツキウタ。』であって『ツキクラ』ではないですね。ツキノ芸能プロダクションの仲間ではあるんですけど」

「ツキノ芸能…?」

こんな感じで、説明しようとすると似たような用語がたくさんあるので聞いてる人が混乱すること必至。更に「じゃあツキクラって何?」って言われると声優なのか俳優なのか、はたまたアイドルなのかよくわかんない存在なので、説明が難しいのです。

でも結論からいえば、「よくわかんなさ」がツキクラの面白さでもあります。

今回は「最近ななりさんがハマってるツキクラって何なの?」って聞かれた時に「ブログに書いたから読んでくれ」って言えるように、なぜたった4ヶ月でこんなにもツキクラが愛おしくなったのか、その経緯を書きたいと思います。

 

■ツキクラって何なの?

ソニーミュージックが、アニメイトグループと協力して「次世代の声優アーティスト」を発掘しようと行ったリアルオーディションツキプロMusic Grand Prix2016」に合格した13人の若手男性声優からなるグループです」

ニュースサイトなんかでよく使われてる定形の説明文を持ってきました。

ポイントとしては

ソニーアニメイトが協力してるよ

・「次世代の声優アーティスト」を育てたいらしいよ

さえ頭に入ればOKです。

私の言葉をもって説明すると、

「俳優、声優、読者モデル、地下アイドル、ダンサーなどなどさまざまなバックボーンを持った無名に近い若手の男の子たちが13人集められて、切磋琢磨し、名目上『次世代の声優』を目指しつつ、何者かになろうとしているグループ」

なのかなと思います。

 

最近、2.5次元コンテンツのブームとあいまって、若手俳優と若手声優の活動領域がどんどん重なってきています。アニメやゲームに、2.5次元系舞台や特撮番組で俳優をやってた人が声優として参加していることが珍しくない昨今。

更に、二次元アイドルコンテンツの盛況もあって、声優がステージで歌って踊ってパフォーマンスをすることも珍しくなくなりました。2.5次元系の舞台も歌って踊るステージパートがあることが多くなってきたと聞きます。ここから想像するに、「次世代の声優」というのは、「歌って踊れて、舞台も声のお芝居も横断的にできる人」なのかなと。

ということで、歌える人、踊れる人、舞台やってた人、声の演技をやってた人などを集めていった結果、バックボーンの異なる13人の男子が集められたのかなと思います。

すっごくすっごく雑にたとえたら乃木坂46みたいな感じ。

ソニーがとあるお題目のもとにさまざまなバックッボーンを持つ女子を集めたって意味で…)

でも、結局みんな芸能界に入ったきっかけがさまざまだから、きっと目指す方向もばらばらで、一律に声優を目指すことにはならなさそうだなと思います。もしツキクラがなくなったら俳優一本でやってく子もいるだろうし、踊れる声優として活躍する子もいるかもしれないし、もしかしたら外画中心の声優になる子もいるかもしれなかったり。

この一言で形容しがたいメンバーのバラバラさが、グループの多様性につながってて(企業でいうところのダイバーシティとかってやつ)、「よくわかんないところがツキクラの面白いところだよ」って言いたくなるのです。

 

■ツキクラって誰がいるの?

“さまざまなバックボーン”って散々書いてきたのでここからツキクラのメンバーを、独断と偏見で手短に紹介します。私から見た印象なのでいろいろご容赦ください。ツキクラはメンバー紹介など基本的に「あいうえお順」になっています。そこが学校みたいで良いです。

公式のメンバー紹介はこちら。

www.tsukipro-ch.com

※ツキクラから知ったメンバーがほとんどなので過去の活動に認識違いあったらごめんなさい

 

・荒一陽

モデルやアイドル活動を経てツキクラに。華があって一見チャラいけど熱い。熱さがたまに裏目に出てしまうのか「空回り王子」という異名がついた。

市川太一

森久保さん、梶くんなどが所属する声優事務所VIMS所属。ツキクラでは一歩引いて全体を見て、誰かに話を振ったり場を回したりするプレイングマネージャーみたいな子。頭よさげ。

・糸川耀士郎

ソニーのボーカルオーディション出身で2.5次元舞台などで活動していた人。最近舞台版幕末ロックの2代目高杉晋作に抜擢された。島根なまりがたまに出るのがかわいい。

・井上 雄貴

元ぜんハリ。ツキクラのダントツ1番人気者でダンスがうまい。メガネっこの大天使イノエルとして\イノエルめがねとって〜/「えー、ムリエル〜」という持ちネタがある。

・大島 尚起

ツキクラ合格後にスマイルカンパニーへの所属が決まった、ダンスがめっちゃうまい最年少。だが突拍子もなく変なことをしだす天然。A.B.C.-Zの塚ちゃんと似た人種だと思う。

・大海 将一郎

ソニーミュージックアーティスツ所属。舞台活動、音楽活動をやっていた。とにかくかっこいい。なのにブログやツイッターの言動が狂気に満ちている。

lineblog.me

・菊地 燎

声優事務所コペル所属。かっこいいんだけどツイッターを見てるとだいぶおたくなことがわかる。全員に対していまだに敬語を貫いている。両親にも敬語らしい。

 

・小松 準弥

FINE BOYSのモデルや舞台俳優として活動していた。圧倒的さわやか長身イケメン。あんステの蓮巳敬人役でおなじみ。飾らない言葉で話そうとするところが魅力。

・徳武 竜也

声優事務所WITH LINE所属。長野からやってきた特撮オタク。ツキクラではおじいちゃんキャラとしてちょっと一歩引いてみんなを見る立ち位置にいる。

・西野 太盛

モデルとしての活動を経てツキクラに。唯一の関西人だけどおとなしい。西野七瀬のお兄ちゃんだからなのかもしれない。西野家の血を感じる。

・筆村 栄心

スタイルキューブ所属。声優だけでなく、ダンス絡みの仕事もちょっとやっていたっぽいのでダンスがうまい。女子力の高い自撮りをあげるふわふわキューティーボーイ。

・古畑 恵介

ソニーミュージックアーティスツ所属。2.5次元系舞台で活動していた。毒舌キャラ、あざといぶりっこなど場に合わせてキャラを変化させる頭の良さがある。言動がエモい。短歌も詠む。

・松岡 一平

ツキクラ合格後に、声優事務所EARLY WINGに所属が決まる。犬っぽいのでわんこキャラが定着。自在にクシャミを出せるという地味(褒めてる)な一発芸が得意。

 

■私から見たツキクラのこれまで

1)とにかくひどかったAnime Japan2016

ツキクラ13人が初めてお披露目されたのは、Anime Japanという2日間のアニメやゲームの博覧会イベントでした。ツキクラとしての初舞台。一部のメンバーは過去の活動で名前が知れていたりするものの、ほとんどのお客さんは初めましての状態で見に来ています。私もなんとなくついでに見に来たって感じで参加。

そこで自己紹介などをいきなりしなきゃいけないわけで、とにかくみんな緊張してて、頑張りが空回りしていて、見ていてハラハラしました。

2日間やったんだけど、話を振られても役割分担ができてなかったせいか、誰も返せないし、いざ得意技とか振られても「じゃあ変顔やります!」とかイマイチなものしか出せず、挙句の果てに2日目は時間切れでメンバー4人の自己紹介タイムがカットされるということに。まあ短時間で13人に自己紹介させたり話振ったりしようとした構成も悪かったんだろうけど、この日はダンスなど含めていろいろとボロボロで、うわあこの人たち大丈夫か……と思った。

2)LINEライブやテレビ番組から伝わる、わちゃわちゃしながらみんなで頑張る部活感

そんな感じでツキクラの活動はスタート。ツキクラの活動のお題目は「2.5次元芸能事務所ツキノ芸能プロダクション(通称ツキプロ)のアーティスト候補生としてツキプロへの正式所属を目指す」というもの。ツキプロには、これまでアニメイトグループが作ってきたドラマCDなどに登場していた二次元アイドルたちが所属しています。だからツキクラにも秋頃に全員担当キャラクターがつくらしいです。

ツキクラの活動の、この頃の主な柱はこの4つ

・定期的に配信されるLINEライブ

・週1回のテレビ番組「ツキプロch」で放送される、ダンスや演技の練習風景ドキュメンタリー

ツイッター、LINEブログ

・各地のアニメイトで開催される一部メンバーのトーク&名刺お渡し会

結成したてということでとにかくみんな仲良くしよう仲良くなろうというのが伝わってくる時期だった気がする。最初はツキクラ結成前から知り合いだったっぽい子同士でつるんでたけど、だんだんそれを超えて一緒にごはんに行った写真アップしたり。いきなり「ラーメン部」とか結成しだすのもサークルっぽくてかわいかった。 

 ツキクラの魅力は、みんなの出身がバラバラなところにあると思う。だから個性もバラバラ。おたくが高じて声優を目指した子もいれば、ファッション雑誌で読者モデルをやってて「アニメイトにはツキクラに入ってから仕事として初めてきました」という子もいる。

ついついアイドルとか何かの集団を見ると「スクールカースト」を適用してしまうんだけど、ツキクラは、言うなればこのカーストがぐちゃぐちゃに入り乱れた状態に見える。同じクラスにいたら絶対仲良しグループじゃなかっただろうなという子たちが普通に入り乱れて自撮りで集合写真とっちゃう。(と、共学校出身者なのか思ってしまう…うちの学校にはあったよ、カースト

 最近の子はそういうのがないのかもしれない。カーストに関係なくアニメイトに行くのかもしれない…私が学生のころはアニメイトに行くのは結構、デカいことだったんだよ…。

3)急展開のオーディション発表

そんな仲良しグループだったツキクラが一変したのは、「ツキプロch.」で放送された夏合宿での2つの発表でした。 

ひとつは、合宿中にオーディションを行い、そのうち5名がアニメに名前つきの役で出演できるというもの。(これは合宿放送の後編にさらっと結果が発表されました)

もうひとつは、ファン投票と運営からの日頃の活動評価で決まる上位8名がキャラクターのユニットとしてCDデビューできるというもの。 

すでに13人のオリジナル曲「未来のpiece」もあってみんなでダンスや歌のレッスンもしていたから、13人でデビューするんだろうとツキクラもおたくも思ってたので、この発表には衝撃が走りました。仲良しになってきたところで、合宿でいきなり「ここから選ばれたメンバーしか仕事が与えられません」と宣告された時の重たい空気よ…

 

正直……、見ていてめっちゃ面白くてぞくぞくしました。ASAYANかよ?

合宿でオーディションとかASAYANかよ!!!

 

ツキクラのファンの中には本当にこの「誰かが落ちなきゃいけない状況」がイヤで仕方なかった人もいただろうし、その気持ちもわかるのですが個人的にはここから俄然ツキクラ見るのが楽しくなってきました。

この発表を受けてからのメンバーの反応もそれぞれ異なっててその多様さも面白かった。 

ファン投票は1人1日一票入れられる仕組み。何が何でもデビューしたい!と毎日のように自分への投票を促す子もいれば、「みんなそれぞれの推しメンに投票よろしくね〜」状態の子もいる。

市川太一くんのブログが印象的でした。

まず、オーディションは声優をやってきてる以上、未経験組には負けられない!!

これは勝負事なので遠慮はしません!!

全力で挑みました!!!

その模様は来週放送されますのでお楽しみに~

そして、選抜CDですがこれは勝ち負けとはちょっと違う気がします。

オーディションと違ってファン投票ですし、改めて僕に出来ることはないというか…

多分ずっと言い続けますが、今まで通りやる事は変わらないと思うんです。

http://lineblog.me/tsukicro/archives/3672523.html

ファン投票に「自分にできることはない」って思うってすごく潔いなあと思いました。 

また、古畑くんはしきりに「デビューできるメンバーが限られてもツキクラは13人でツキクラです」って言ってた。13人をずっと強調していたのです。

13人もいればみんな考え方が違うのは当たり前で、その多様な姿勢が許されるのが、ツキクラのいいところだなと思いました。

そして中間発表では以下の結果に。

1位 井上

2位 大海

3位 市川、荒(同率)

5位 筆村

6位 小松

7位 西野、古畑(同率)

ここで選抜発表に漏れたメンバーの悔しさをにじませたツイートとかがかなりエモかったんですけど、今見たら結構削除されてました……。もともと歌を歌いたくて芸能界に入った糸川くんとか、悔しくて仕方なかっただろうし、うろおぼえだけど「実家の両親からも『夢を追いかけるタイムリミットが近づいてる』と言われプレッシャーになってる」などといったかなりリアルなツイートをするメンバーもいたんですよね。

でも、一方で「この選抜はツキクラがみんなで高め合うための試練だよね。選ばれても選ばれなくても」という声も散見されて、ただのライバル同士にならないのもよかった。

この頃、活動の柱に「ツキクラ裏語録」というウェブラジオも追加されて、中間発表後の放送で「まあ投票は勝負であっても勝ち負けじゃないよね、みんなで高め合ういい機会だよ」と言い放つ、選抜圏外だった徳武くんに、6位の小松くんから「ぶっこんでいい?ぶっちゃけ中間発表見てどう思った?」って聞いてたのも面白かった。本音はどうなのよ?って聞きたかったんだろうけど徳武くんはここで「なんとなくメンバーそれぞれこうなるだろうって順位は予想してて、俺も予想してたし…なんだろうね、ショックはなかったんだよな」という変わらない徳武くんの思いを小松くんが引き出してるやりとりも、結構本音で向き合ってる感じがあってよかった。

ここから聞けます↓

www.animatetimes.com

 更に、このころLINEライブで「自分たちの未来について真面目に話す」というテーマのもと、全員で笑顔なしのガチ反省会があって、「LINEライブが内輪のノリになりがちだから気をつけよう」って言い出したところにすごいなと思った。若手に限らずだけど生配信番組なんて内輪ノリが前提なところがあるのに。神妙な面持ちで、「得意ジャンルがそれぞれ違うんだから、もっとみんなで教え合っていこう」「それぞれの見せ場をお互いが作っていけるグループになろう」とか、マジでどっかの高校の部活のミーティングを覗き見してるみたいでほんと面白かった。 

4)集大成のクラフェス

そして、7/18に行われた初の単独ホールイベント「クラフェス」で、人気投票の最終結果が発表されました。

結果発表の前に、Anime Japanで初披露してボロボロだったオーディション課題曲の歌とダンスの発表があったんだけど、費やした練習時間が違うだけあって、段違いに上手になってた!更に、初期のころは不安だった「未来のpiece」の歌とダンスも安定してかっこよかった……!

この「未来のpiece」のサビのフレーズは(これまたうろおぼえだけど)「止まらない僕らの未来へ」「まだ見ぬ希望の世界へ」 「ともにこの場所から助走つけてFLY AWAY」「みんないるよ怖がらないで君は孤独なんかじゃない」っていうツキクラ自身の、何者かよくわからないけどとにかく未来へ進んでいかなきゃ!って姿をそのまま描いてる気がしました。

そして、選抜結果の最終発表。

1位 井上

2位 小松

3位 松岡

4位 大海

5位 大島

6位 徳武

7位 古畑

8位 糸川

中間発表メンバーの半分が入れ替わるというすごい結果になった。たぶん、圏外だったメンバーのファンの人たちがめちゃくちゃ頑張ってたんだろうなと。圏外からジャンプアップしたメンバーみんな号泣してて、絶叫のように宣言していた。「選んでもらったからにはがんばります」と。徳武くんも中間発表後は「ショックじゃなかった」って言ってたけど、選抜で名前が呼ばれた時に「やっぱり自分も負けたくないって気持ちがめちゃくちゃあって」と話していたことに胸がきゅっとなった。

そして、中間で入ってたのに漏れてしまったメンバーの言葉も印象的で、ブログでは「ファン投票なので改めて自分にできることはない」と書いていた市川くんさえやっぱりがっかりした様子だったし、筆村くんは悔しさに涙声で「僕はまだ夢の途中だなって思ったのでこれからがんばります」って言ってた。ここで泣ける筆村くんも強いし、中間も最終も圏外だった菊地くんは決して悔しさを見せまいとしてあえて明るく「今後のイベントも決まったのでこれからもよろしくお願いしますー!」みたいな挨拶をしていて、その姿を見ても強いなと思った。菊地くんも、今は見れないんだけど中間発表後はかなり悔しさをにじませたツイートをしていたから。

この選抜発表のとき、選ばれる選ばれないに限らず、名前を呼ばれたメンバーの背中をみんな嬉しそうに叩いて「おめでとう!」「よかったじゃん!」てやりとりをしていたのも最高でした。

 

人気投票による選抜発表とか使い古された手法だし、題目としては声優を目指してるグループにこんなアイドルのリアルドキュメンタリーみたいな手法をくっつけるのってほんとによくわかんないんだけど、投票によって、何者かになろうとしてる若い男の子たちそれぞれの姿が浮き彫りになるのはやっぱり見ていて面白かったです。

一言で語ろうとすれば難しいし、ほんとよくわかんない活動ばっかりしてるけど、とにかく多様性が許されて、みんな個性があって、わちゃわちゃしつつ真剣に頑張ってるので、リアル部活動モノのストーリー見てるみたいで楽しいツキクラ。

ぼちぼちみんな、舞台とか、Mマスとかほかの仕事も決まり始めて来てるので、これからのツキクラも楽しみでしかないです。

朝井リョウの「武道館」をBLとして描くときっと吉田ゆうこ作「BLT」になる

※BLTネタバレありなのでご注意ください※

 

「禁じられた愛」というのはBLの醍醐味のひとつでした。

それは、BLにおいて長らく、「男性同士だから」という理由づけのもとに成り立っていたものです。しかし、昨今の商業BLはこの男同士の性愛を禁忌的に描くものが、体感として少なくなっている気がします。

むしろ男同士で愛し合うことの何がいけないのか? というほどに受と攻はハードルなく好き合って結ばれていくように思います。当たり前のことだけど「男性同士だから」は愛が禁じられる理由にならず、それにBLの設定も追いついてきた結果なのかなと思います。

しかし、「禁じられた愛」の物語をやっぱり私たちは求めてやみません。そこで、世の中を見渡すと、実は非合理に恋愛を禁止された人たちがいることに気づきます。そう、アイドルです。

アイドルの「誰かひとりのものになってはいけない」という空虚なルールをBLの醍醐味である「禁じられた愛」に適用してきたのが吉田ゆうこさんが描くアイドルものBL、「BLT」です。

アイドルものBLは数多くあれど、今までこんなアイドルBL読んだことない。

すごく斬新なアイドルBLでした。 

 

BLT<BLT> (あすかコミックスCL-DX)

BLT (あすかコミックスCL-DX)

 

 

「BLT」のあらすじをざっくりと説明すると、同じアイドルグループ「BLT」に所属するみさきと浩輔が、ある事件をきっかけにお互いの気持ちに気づき、戸惑いながら惹かれあって最終的に二人でアイドルを辞めて恋人同士になる物語。

吉田さんはハロプロがお好きだそうですが、おそらくそんな吉田さんだからこそ描けたアイドルBLが「BLT」だと思います。主役のみさきと浩輔が織りなす、「禁じられた愛」の物語はもとより、アイドル描写のディテールや、セリフなどから吉田さんのアイドル観が透けて見えてくるのです。

例えば、作中で「BLT」が最初にライブを行っている会場は「PALOOZA」。たぶん柏パルーザでしょう。オールスタンディングで450人しか入りません。

柏PALOOZA

次に描かれるライブの舞台はツアー先のZepp Sapporo。そして、最後に描かれる浩輔の卒業コンサート中野サンプラザです。

ハロオタの吉田さんがツアーファイナルの会場に中野サンプラザを選んだのは納得せざるをえないし、パルーザ→Zepp Sapporo中野サンプラザというハコの変遷を考えると、パルーザからツアー先の札幌でZeppを抑えられるようになるまで、オタクがめちゃくちゃ増えたんだろうなと勝手にあたたかい気持ちになります。

(更に札幌の会場がZeppなら、東京で行われた浩輔の卒コンが中野サンプラザなんて、かなりの激戦だったにちがいない…と邪推してしまいます)

少し話がそれましたが、こういうコンサートのハコの大きさまで言及したアイドルBLってそういえばなかったなと思います。長らく『男性アイドル=ジャニーズ=ライブならアリーナとかドーム』というイメージがあったので、ハコの大きさまで言及する必要がなかったんでしょう。

これを見れば明らかに、吉田さんが描こうとするアイドルグループ「BLT」は、ぼんやりとしたイメージによって出来ているのではなく、吉田さん自身がリアルタイムで見ているものを下敷きにしていることが伝わってきます。

また、作中でみさきはラブソングを歌うことへこんな戸惑いを吐露していました。

 

「最近悩みがあってね。俺、恋愛したことないじゃない?する気もないけど。でも恋愛の歌っていっぱいあって…ちゃんと気持ちが入らないっていうか、うまく歌えてない感じがする」

『BLT』p.11、12

 

これと似たようなことを高橋愛ちゃんも発言していたことを思い出します。

 

演技に目覚めたのは22歳のころ。恋愛禁止なのに歌うのは恋愛の曲ばかりで、何となくもどかしさを感じていた時、ドラマに主演させてもらいました。そこで「経験がなくても演じればいいんだ」って思ったらぐっと楽になって、同時に、演じることがすごく楽しく思えた。

http://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/kibou/005_2

 

みさきほど、「アイドルは恋愛しちゃいけない」を内面化しているアイドルキャラってBLにおいては珍しい気がします。このあたりも吉田先生が、恋愛禁止の呪縛が男性より強い、女性アイドルのファンであることと結びついているのかもしれません。

そして、このみさきのラブソングへの素直な戸惑いの吐露が、みさき自身が浩輔に恋してしまった時の切なさにつながってくるのです。

 

「人を 浩輔を独占したいと思うなんてだめだ。ましてや浩輔は"みんな"のもので、自分も"みんな"のものだから……」

『BLT』p.126、127

 

みさきに向かって浩輔が「(コンサートに来たファンより)お前の方が大事だから」と伝えるシーンでも、みさきは罪の意識を覚えてしまいます。

 

「だめだよ浩輔 浩輔は"みんな"のものなのに……」

『BLT』p.131

 

みさきの中で、「アイドルは誰かひとりのものになってはいけない」が強く内面化されているからこそ、二人がお互いの気持ちに目を背けていられなくなって結ばれる瞬間が、息が苦しいほど切ないシーンになっています。

この、”みんなのもの”でなくなることを選択するアイドルの姿って、朝井リョウさんの「武道館」でも描かれていました。

 

武道館

武道館

 

 

「武道館」でも、主人公であるアイドルの愛子は、幼馴染の大地と、友達としての一線を越える時に、アイドルである自分のことや周囲の人たちを思い出しつつ、目の前の大地を選びとります。

 

だって、私は今から、大地を選ぶ。ダメだってことくらい、わかっている。応援してくれるファンがいる、武道館を一緒に目指す仲間がいる、支えてくれている事務所の人たちがいる。アイドルが恋をしてはいけないなんてことは、もう十分知っているし、誰かの手によって、十分すぎるくらいに、分からされてきた。

『武道館』p.218

 

そして、「BLT」でも「武道館」でも目の前にいるたったひとりを選び取ったアイドル達は、アイドルを辞めてしまうんですよね。みさきは浩輔とともにBLTを電撃卒業してしまうし、愛子もNEXT YOUを卒業コンサートを行わずに脱退します。

でもたぶん、朝井さんも、吉田さんも恋愛が発覚することで彼/彼女らがアイドルを辞めることに対してネガティブな見方をしてはいないと思うのです。

「武道館」では、脱退してその後、結婚した愛子がNEXT YOU元メンバーとして武道館のステージに立ち、スポットライトの下でアイドルとして歌い踊るシーンで終わります。

対して「BLT」ではグループを脱退した浩輔とみさきが、現在のBLTメンバーの看板が見えるカフェで幸せそうにデートしているシーンで終わります。

ステージと街中という違いはあれど、「BLT」も「武道館」も、ただただ、アイドルとして活動していた彼ら、彼女らがその活動を辞めて自分の人生を幸せに生きていくことに対して肯定的です。アイドルをアイドルとして縛り付けていないのです。

吉田さんが「武道館」を読んだかどうかはわかりませんが、こういうところから「BLT」はきっと「武道館」と似たテーマを描いているのだろうと思います。

 

「俺たちの歌は信じるには美しすぎる愛の歌ばかりだけど、信じる価値はきっとあると思うよ」

『BLT』p.102

 

作中でみさきが浩輔に投げかけるこの言葉には、吉田先生のアイドル観が秘められているように思います。アイドルは表層しか見えない、偶像的な存在だということが受け止められていて、でもそのうえでアイドルが歌う愛は信じるに値すると唱えている。

この言葉は「BLT」の帯では「僕たちの歌は信じるには美しすぎる……」だけ引用されてるんですよね。

だから、帯だけ読んだらキラキラと偶像的に輝くアイドルの、スキャンダラスな実態をただ暴くだけの物語っぽくとらえられると思います。実際そういうストーリーでも読者はいたのかもしれません。

でも、アイドルをただの偶像で終わらせず、その人の裏側の人生まで丸っと肯定する姿勢が、吉田さんのアイドル愛の形なのかもしれません。その美しすぎる愛をきちんと信じようとした結果、彼らがたとえステージを降りても、それは悲しいことではない。「BLT」のラストは、そんな印象を受けました。

 

ということで、アイドルファンなら絶対楽しめるBLだと思います。おすすめです。某BLレビューサイトでめちゃくちゃ評価が低いのが残念……。

音楽と歌声だけで次元を超える試み ツキプロライブ2016in中野で見たGrowth

2次元の男性アイドルキャラクターを、3次元である声優がパフォーマンスするライブイベントが、ここ数年で盛んに行われるようになりました。こうしたライブイベントでの声優の立ち位置は不安定なところにあるなと常々思います。

「声優の歌ってるところがみたいわけじゃーんだよな」

という非難の声が上がるのも無理はないと思います。声優はキャラクターの声を担う役者でしかなく、あくまでもイベントにおけるご本尊様はキャラクターですから。しかし、パフォーマンスをするのは本来キャタクターの「一部分」でしかない声優。この次元の壁をどう超えて、お客さんにコンテンツをライブ体験として届けるのか、さまざまな2次元アイドルコンテンツのイベントに参加していると、それぞれのコンテンツが試行錯誤を重ねていることが見て取れます。

今年の始めに開催された「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVELIVE 5th STAGE」は、その圧倒的な人気と規模の大きさだからこそできる、試行錯誤のひとつの到達点を見せてくれた気がします。3次元の男性アイドルさながらの難度の高いダンスや、ワイヤーアクション、花道を車に乗っての移動などのド派手な演出を取り入れることによって、単なる声優のイベントを超えた「アイドルのステージ」を作り上げ、次元の壁を融解させようとしていました。そのステージは、アニメで見たきらきらしたライブ映像を3次元で再現していく試みだったように思います。

 

 

ただし、どのコンテンツもうたプリのような規模の大きさがあるわけではありません。それぞれのコンテンツで、ライブのあり方を模索しているところだと思います。そのひとつである、架空の二次元芸能プロダクション「ツキノ芸能プロダクション」(通称ツキプロ)の所属アイドルのステージイベント「ツキプロライブ2016in中野」に行ってきました。

ツキノ芸能プロダクションもまた、2次元と3次元の壁を超えることをさまざまな形で試行錯誤してきたコンテンツです。2次元アイドルが歌う曲を、ダンサーが歌っているかのようにパフォーマンスしたり、声優がキャラクターを演じつつアドリブでラジオ番組の公開生放送したりと。そして、この日のステージでまたひとつ、声優とキャラクターという次元の壁を融解させる試みが見れたような気がしました。それは、ツキプロに所属するGrowthというユニットのライブパフォーマンスで感じました。

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この日のGrowthのライブが特徴的だったのは、まず衣装が完全な2次元キャラクター衣装の再現ではなかったところです。ライブイベントにあわせたキャラクター達の新規イラストも、ライブTシャツに私服のアレンジを加えるというラフなものになっていて、それに出来る限り声優側も着るものを近づけている、という印象でした。他のイベントでは、すでに存在するアイドルのイラストの衣装に限りなく似せた2次元的な衣装を声優が着ることが多く、3次元でのライブには衣装をいかに2次元的にするかが結構重要な要素だと思っていたので、新鮮な印象がありました。(以前からGrowthはあまりデコラティブな衣装を着てはいませんでしたが、この日は逆にキャラクター達が3次元的な衣装に近づけていたように思います)

スタイリングこそ3次元的ではあったけれどGrowthとしてステージに立った声優4人は完璧にGrowthでした。彼らをステージ上でGrowthたらしめていたのは、楽曲の力だったと思うのです。

以前、男性声優楽曲大賞2015でも書いてましたがGrowthの楽曲は非常に特徴的です。大手の芸能事務所に所属していたアイドルの卵だったキャラクターたちが、新しい自分たちの音楽を始めたいと思い結成したのがGrowth。その楽曲は作曲者のじょん自身が「ありふれたアイドルソングへのアンチテーゼ」と言うように、他のアイドルコンテンツではまずない難解な変拍子やハモり、スキャットが多用され、ワールドミュージックのような特異なメロディーが印象的なものばかりです。

 


ALIVE side.G(Growth) vol.4収録楽曲クロスフェード試聴

 

そうした難度の高い楽曲を生でパフォーマンスするからこそ、Growthの出演声優である土岐くん、山谷くん、山下さん、寺島さんそれぞれの音楽と向き合う真剣な表情が見られたのですが、それがまさにGrowthの昂輝、剣介、涼太、衛たち、キャラクターそのものに見えました。Growthは現在のところ、ドラマCDと楽曲しかなく動いてしゃべるキャラクター達がまだいないところにアドバンテージはあったかもしれませんが、この4人にまるでキャラクターが当て書きされていたんじゃないかと思えるくらい、Growthがステージにいたのです。

重要なところで完璧に美しい歌声を響かせる土岐くんの姿はストイックな昂輝だったし、ひとり自由に体を揺らし、楽しそうに音楽に身をまかせる寺島さんがしっとりと低い歌声を響かせる姿は、おっとりして隙があるけど天才的な音楽センスを持つ衛でした。山下さんは「自分と涼太は真逆なので!」とよく言ってたけれど、山下さんの持つすごく真面目な部分がGrowthの曲と向き合うことで引き出されていたような気がしてクールビューティーな涼太の表情を見せていたと思います。

何より印象的だったのは、夜の部で最後の曲「空想のレトロ」を歌い上げた後の4人の表情です。難度の高いハーモニー重視のセットリストの最後に歌われた「空想のレトロ」は、Growthの曲の中で珍しくほとんどがユニゾン。緻密なハーモニーを4人で作り上げる他の曲とは別の方向性で「4人で作り上げる」という意味の強い曲でした。(そういう曲を最後に持ってくる采配も素晴らしい!)ただし、とてもキーが高く(開演前に、この曲ライブでやったら尊敬するわwって話してたほど)生でのパフォーマンスは相変わらず難しいものだったと思います。

この曲を歌い終わってアウトロが流れるなか、山谷くんが、やり遂げた開放感に満ちた顔でみんなの顔を見回して喜びを分かち合おうとする姿が、Growthのムードメーカーの剣介でしかなかったのです。それに呼応して、皆がお互いの顔を見合って満ち足りた表情をしているのを見ていたら、GrowthのドラマCDで聴いていた、パフォーマンスした後の4人の表情ってこんな感じだったのかな?と思えました。

また、4人で曲にあわせて簡単に振り付けのようなものを考えてパフォーマンスしていったという話も、まるでGrowthのドラマCDにありそうなエピソードだと思いました。それもひとえに、真剣に4人が楽曲と向き合ったことで生まれた発想だったのだと思います。空想のレトロの「君がいるから/僕もいるんだ/離さないよに/指を結んだ」という歌詞に合わせて小指を4人でつきあわせて上にあげる振り付けは、もし今後Growthがアニメ映像化されることがあれば再現して欲しい部分です。衣装や演出こそ簡素だったけれど、楽曲と歌声で次元を超えるところを見せてくれて、このシーンは見ていて胸が熱くなりました。



ツキプロの楽曲はどれもクオリティと声優のキャスティングが素晴らしくて、限りなくそのキャラクターと声優のパーソナリティが密接に結びついているように思います。

例えば、この日披露されたSolidSのDARK MOON ANGELは江口さん特有の低音と花江くんの女性声かっていうほど高い上ハモが絶妙で、この二人のハーモニーをライブで聞けるというのがとてつもなく幸せでした。ていうかこの男性声優ドラムンベース本当にかっこよすぎです。この曲にのせて花江くんと江口さんの二人に高低極まったハーモニーを歌わせようとしたその発想がすごい。


SolidS vol.2収録楽曲クロスフェード試聴

 

それからSolidSの楽曲はほとんど、かっこよく決める低音パートは梅原さんが担ってるのも確信犯的。さらに、この日のライブで一番びっくりしたのは、音源で聴いてていい意味で目立たないというか馴染んでいた歌い方だった斎藤壮馬くんが、完全に歌詞をモノにして遊ぶように歌っていたところでした。歌詞にあわせた手振りや表情をつけたり、歌い方を変えてみたり。叩き出す正解が常に100点満点!っていう天性のパフォーマーって感じ。そういう表情が見られたのも、楽曲の良さのなせるところなのかなと思います。

SOARAについては、申し訳ないことにこの日ほぼ初めて聴いた楽曲が多かったのですが、SOARAもまた、楽曲が持つ青春のイメージを、豊永さんと小野さんのおどけたパフォーマンスが体現していてよかったです。途中から歌に加わってくる沢城くん、古川くん、村田さんと5人でステージのあっちこっちわちゃわちゃするのもまた男子高校生っぽくて。古川くんは歌うことが大好き!というのが全身からにじみ出ているようで、歌に夢中になりすぎて、みんなで肩組もうとしてるのにひとりだけそれに気づかなくて豊永さんに「おーい」って呼ばれてたところがかわいかったです。


ALIVE side.S(SOARA) vol.4収録楽曲クロスフェード試聴

 

ツキプロライブを見ていると、クオリティの高い楽曲と、歌に真剣に向き合う声優の姿があると、それだけで声優のパーソナリティとキャラクターの個性が溶け合って素晴らしい2.5次元イベントになるんだということを感じました。今後はさらに大きな会場でのライブになるのでしょうか。この先も進化をし続けて、新しい2次元アイドルコンテンツのライブのあり方を見せて欲しいなと思っています。




って冷静なふりして書いてみたけど読み直してみるとやっぱただただツキプロ大好き!!!な内容でしかなかった!ごめん!じょん最高!ありがとうじょん!!!

OLDCODEXがVeni, Vidi, でViciだった

OLDCODEX2度目の武道館公演「Veni Vidi」に行ってきました。

https://www.instagram.com/p/BBpER3uATix/

ライブの面白い、つまらないを決めるのはその日のメンタルとか見てる場所とかに左右されがちで、すごく主観的な話なので、自分の今のこの高揚感が単なる自己暗示なのかもしれない気がしてこわいんだけどすんごく良かったしライブタイトルになぞらえて言うならば、勝利してた!おるどこでっくす!勝ちました!!!!

 
というのも、1週間前に「ああ来週武道館だなあ」と思って、やっと昨年の武道館公演「Capture」のブルーレイを開封して見ていたんだけど、やっぱり映像で見ても、去年の武道館つまんなかったなって思い出がよみがえってきてしまい、正直なところ今年の武道館にはそんなに期待してなかったのです。
 
なんとなくだけどいつもやってる2000人規模のスタンディングのライブハウスでやることをそのまま武道館でやろうとしていたような気がして。これならスタンディングでみんなでわーっともみくちゃになったほうが絶対楽しくない?この武道館の広さなくてよくない?椅子いらなくね?って思ってた。
 
今年のライブがよかったのは、まず左右にのびたステージの脇にリフトがついてて、まあ上下するだけなんだけど、そこに武道館の広さを使おうとしている気概が感じられたし、実際Night Flightはあそこに立って煽られてると、今確かにナイトフライトしてる!って感じで良かった。
 
何よりよかったと思うのは、感覚的にだけどおるどこでっくすの曲ってだんだんBPM遅い曲が増えてきていて、今年の武道館のセトリはここ1〜2年の曲がほとんどで構成されていたこと。広い椅子ありの会場で聴いても満足感があって、フロアの人波にのまれる高揚感を必要としない曲が増えてきたのもあるのかなあと思いました。
 
あといつもと決定的に違うのはここ最近のライブで腐るほどやってきた盛り上がり必至のダンスロック、kick outが封印されてたこと。kick outといえば、お客さんをステージにあげる曲として私達に刷り込まれてしまったがために、それが簡単にできない武道館にはむいてないという判断がくだされたのかもしれない……想像だけど。去年はたしかお客さんをステージにあげるかわりに菅谷さんに歌わせたことでスペシャル感はあったけど。今年は同じ手は使えないでしょってことで。
 
kick outがないことで、今日みたOLDCODEXはとっても新しいものに見えた。定番の煽り曲に頼らないってすごいことだ。新しいんだけど、しっかりかっこいいし地に足がついてる。武道館の2日目で、Ta_2YORKE.と、バンドメンバーみんなで最後に肩組んでたのも、初めて見た気がした。バンド!!!!!!だったのだ。当たり前だけど。バンドなんだよね。そういえばMCのときに「いつもみたいなことしようぜ」とかなんとか言ってTa_2くんがいきなりLimp Bizkitのmy generation歌い出してみんなで演奏しだしたのも、バンドだった。なんとなくのノリでその場で曲やっちゃうとか、バンドのライブでは当たり前に見る光景で、当たり前であるがゆえに、よくわからない感動に包まれました。だっておるどこでっくすは、ボーカルとペインターの二人で活動してる人達で、ボーカルの人は声優の鈴木達央さんでもあるから。
 
昨年の武道館でTa_2さんは、あの広いステージのうえでなんともなさげに「武道館、こんなもんかって思った」とあっけらかんと言い放った。でもあのあっけらかんとした感じがが逆にものすごい強固な鎧をつくっていた気がする。ものすごいただの強がりで平静を装ってたのだと思う。そう考えると、いきなりLimp Bizkit歌い出しちゃったTa_2さんは本当に去年に比べてステージが自分のものになってたんだろうね。なんか、調子こきすぎで笑っちゃうくらい。
 
そして本編のラストへ、畳み掛けるように演奏されたEyes in chase。この曲は、思い返せば昨年の武道館の終了後に、次回作の予告映像で流れた新曲だったはず。たった一年で新曲が、本編ラストに据えられて堂々としている。Eyes in chase以外の選択肢なんてないように思えてくるほど。だって、最後にTa_2さんの咆哮で終わるこの曲は、まさに武道館にリベンジを挑んできたバンドの勝利宣言のために書かれてたんじゃないかと思った。広い会場にフィードバックノイズのように漂う、人の肉声。あの瞬間に「勝った」って思った。
 
Ta_2さん自身も去年のリリースのペースを「気が狂ったようなペースで」って言ってたけど、本当にそのペースで曲を作ってライブをしてきたお陰で、OLDCODEXはバンドとして確かな強度を得たのだと思う。大きなタイアップがついて、新規のお客さんがたくさんついた一曲があると、だいたいそこばっかりが輝きがち。バンドもそこに頼ってしまいがち。でも、OLDCODEXはこの一年でリリースしてきた曲をやってるときが最高にかっこいい。最近の曲そんなに好きじゃない私がそう思うから間違いないわ。バンドがやりたいことと、バンドがかっこいい瞬間がマッチしてるって、いいことだと思う。Rage Onがもはや色褪せて聴こえる。
 
最後にTa_2くんがかっすかすの聞き取れない声で「いっぱいいっぱい曲書いてツアーもやるからついてこいよ」的な言葉を叫んだ瞬間が、もう、子供かよって感じで爆笑しちゃったんだけど、そうやって届かない声でいっしょうけんめいに叫んでる姿が愛しくてたまらなかった。ああこの人の小さな体ひとつで武道館にいる全員に届けたいんだなと。届けたい気持ちだけが先走りすぎてる。
 
かわいい。
怒られるかもしれないけど、かわいいの一言しか言えません。
これからも無理のない範囲でたつくんのこと追いかけたいと思いました。

個人的「このBLがやばい2016」な11冊を選んだ

このBLがやばい2016が発売されてもう一ヶ月近く経とうとしており、タイミングを逃した感がものすごいですが、めげずに今年も私的「このBLがやばい2016」を発表したいと思います。

このBLがやばい! 2016年度版 (Next BOOKS)

このBLがやばい! 2016年度版 (Next BOOKS)

 

 

このランキングは毎年気になってはいるのですが、BLって結局、読む人の趣味や性癖がその作品の評価を左右するものなので、多くの人の意見がランキングとして統合されるよりは、自分と感覚が合う人の「今年の10冊」みたいなレビューがたくさん読みたい気がします。ということで、私と趣味が似ているどこかの誰かに向かって。

「BLだけどそういうの得意じゃない人にもふつうにおすすめできる面白い作品」とかそれって結局BLじゃなくてもいいよなーと思ってしまうので、そういうのを抜きに考えてみました。

今年はどうしても10冊に絞れなかったので、11冊挙げます。

 

11位    「ギヴン」キヅナツキ 

ギヴン (1) (ディアプラス・コミックス)

ギヴン (1) (ディアプラス・コミックス)

 

男子高生のバンドものBL。バンドでギタリストをしている主人公の立夏が、天性の歌声を持った不思議ちゃんなボーカルの真冬と運命的な出会いを果たしていくところからストーリーが展開していきます。迷い犬のように突然現れた真冬、実は過去にギター絡みの悲しい過去があり……というのが第1巻。

バンドものBLと聞いてだいたいの人が想像するような展開だとは思いますが、この作品の何が画期的かというと、主人公がやってるバンドが、大学生と組んでるインストバンドなんですよ。今まで、女性向けコンテンツにおいてバンドものなんて星の数ほどあったと思いますが、主人公がやってるバンドがインストバンドなんて史上初ではないだろうか。もともとインストしかやってなかったバンドなのに、真冬の歌声が欲しくて立夏がバンドに引き入れたストーリーがBLとして生きてきます。

その他、各キャラの好きな音楽と持ってる楽器から使用しているイヤホン、ヘッドホンのメーカーまで設定が存在するのですが、主人公の男子高生、立夏の好きな音楽の設定が「オルタナ、グランジ、エモ、スクリーモエレクトロニカアンビエントダブステップ」。同じバンドのベースの大学生、中山くんの好きな音楽は「邦楽ロックとかダンスミュージック系」しかも映画専攻でフランスのヌーヴェルヴァーグが好き。なんつーかこういう設定とか、いんすとばんどだとか、リアルだしそのうえで、ファンタジック!ですよね。

キヅナツキさんの漫画は同人でもよく読んでたのですが、女子のファンタジーフィルターを通して見た「男子のリアル」を掬い取るのがとってもうまいなあと思います。キャラクター設定に限らず、例えば立夏がクラスメイトとおしゃべりするその瞬間の男子のわちゃわちゃ感までいきいきとしてるのです。

何を描いてもはずれがない作家さんだとは思いますが、キヅナツキさんの魅力のリリカルさとか、男子のわちゃわちゃ感がこんなに生きるバンドものBLってどんぴしゃだったのではないかと思いました。

10位「五人のセフレとカグヤ王子」流星ハニー 

五人のセフレとカグヤ王子 (ビーボーイコミックスデラックス)

五人のセフレとカグヤ王子 (ビーボーイコミックスデラックス)

 

 姫野カグヤくんというきゃるんとしたカワイイ総受キャラを5人の男達が奪い合う、乙女ゲーかよっていうBLなんですが、やっぱBLなので、5人とお姫様キャラで6Pします。さらに、ライバルだった5人の男の子たちの中にも愛が芽生え、その中でさらにカップリングができていくんです。どうですか、世界は愛で満ちているでしょう。

「箱推し」っていう集団を愛でる文化があるじゃないですか。BLでも流行ってほしいんですよね、箱推しできるBL。5人いたら5人の中でしっちゃかめっちゃかに愛し合って、最終的には5人で愛し合えばいいじゃないかなと思います。

お姫様なカグヤくんが5人からの求愛を断れないのは、過去に義父にいたずらされてそれを拒むと家族が壊れると思っていたから…というトラウマが理由なのも、闇が深くて能天気な世界観とのギャップが良いし、1話からセックス、セックス、性行為三昧なのに最終的に「カグヤ、もうセックスしなくていいんだよ…そんなことしなくても俺たちは君が好きだ」と言ってセフレから脱却するのもよかったです。

9位 「ヤングコーンの王子様」ナリ

ヤングコーンの王子様 (POE BACKS)

ヤングコーンの王子様 (POE BACKS)

 

 平凡だけど料理上手な男子大学生の雅七が、ひょんなことからヤクザに料理を教えることに。ヤクザ達になぜ料理を学びたいのかを聞いたら、彼らが敬愛する「若」においしい料理を作ってあげたかったらしい。その「若」が雅七を気に入り、雅七は若をめぐるヤクザの抗争に巻き込まれていく…というあらすじ。

この雅七が凛々しくてかっこいいけどかわいさもある受で、とても自分好みな上に、コメディとしても十分面白かったです。雅料理を教わるヤクザ達がクセものでかわいい。ヤクザ物語のバイオレンスさと、料理というほがらかなテーマの組み合わせ方のバランスがすごく良い作品でした。

8位「犬と欠け月」ウノハナ

犬と欠け月 (マーブルコミックス)

犬と欠け月 (マーブルコミックス)

 

 怪我で引退したボクサーだった過去を持つトレーナー×現役でチャンピオンベルトを追うボクサーのBLです。

スポーツもののBLはやっぱりウノハナさんの真骨頂だなと思います。ウノハナさん多作だけど、やっぱスポーツBLがずば抜けて素晴らしい気がします。一見いかつくて朴訥としてるんだけど、純粋で、わんこなボクサーの岳が不器用にトレーナーである一弥に寄り添っていく姿はいじらしいし、それをかわしていく一弥の、大人であるがゆえのずるさとか臆病さもいい。ウノハナ先生の描く男性ってなんか独特の骨っぽさがあってみんなかっこいいんですけど、中でも岳と一弥は格別だなと思います。

あとこの作品は好きすぎてCDも買ったんですけど、羽多野さんの子供を惑わすオトナ声の一弥は最高だし、増田さんの、ちょっとコミュ障感のある口下手な岳もよかったです…。だーますさんの声はいい意味でちょっと生っぽいところが、ウノハナ先生の描く骨っぽい男性像に合ってました。

7位「寄越す犬、めくる夜」のばらあいこ

寄越す犬、めくる夜 1 (Feelコミックス オンブルー)

寄越す犬、めくる夜 1 (Feelコミックス オンブルー)

 

ヤクザ、裏社会、暴力のBLは結構流行ってますがこの作品が描く世界にはとにかく救いがないのが良いです。チンピラの菊池がカジノのお金を横領したのがバレて組からリンチされるのですが、お金がないからまた繰り返しちゃう。その救いようのなさ、弱さに、一見お人好しキャラの新谷は興奮して性行為に及ぶのです。不憫萌えなのだろうか。菊池の不憫さもいいですが、お人好しキャラが自分のどうしようもない業を突きつけられるのもたまらないです。

さらにこのカップリングだけじゃなくて、新谷のことを気に入ったやヤクザの会長の「オンナ」である須藤も出てきて今後たぶん三角関係に発展しそうなのも最高。須藤のビジュアルがまたすごくて、長髪でガリガリのやせ細った身体に両乳首ピアスで、黒ビキニとストッキングだけ履いて出てくる。この凶悪な感じ!ラスボス感のある雌猫のような受!最強ですね。

この最凶の雌猫の須川が新谷を押し倒して性行為に及んでるときに須川の飼い主の会長がやってきて、新谷の口の中に銃口をつっこむシーンの緊迫感もすごいし、それが終わって新谷が須川のストッキングを破ろうとするんだけど、「変態!」って須川に叫ぶ新谷と、「新谷くん、人のこと言えんの?」っていうすべてを見透かした須川のやりとりもすごい。須川みたいな凶暴なビッチ待ってた。2巻が楽しみです。

6位「プレイバック」吉田ゆうこ

プレイバック (Canna Comics)

プレイバック (Canna Comics)

 

 大学生のはじめが、出会い系で知り合ったサラリーマンの都築と、サークルの友人の安芸と二人同時に関係を持ち、二人の間で揺れ動く物語。しかし、都築と安芸は実は知り合いで、安芸は都築の存在を知りながらはじめに近づいていったので、はじめと安芸の恋が主軸になっています。

映画的なコマ運びに定評がある吉田さんの作品ですが、プレイバックはその美しさが極まってる作品だと思います。はじめが都築に入れ込んでいることを知って自ら近づいていった安芸が、カメラを覗きながら屋上で「その人と別れて、俺と付き合ってください」と言うシーンとか、安芸とはじめがやっと結ばれるシーンでラジオから流れる音とともに二人が抱き合うシーンとかうっとりします。

また、二人の距離感が近づいていく仕掛けが、実ははじめの交通事故によるものなのですが、その展開が少しSFというか日常の枠をほんの少しだけはみ出してて、よかったです。日常の半径を出ないBLって結構あるけどこういう仕掛けも必要ですね。

 5位「ロマンティック上等」森世

最近商業でも増えてきたオメガバース設定のBL。オメガバースといういわば男性の中でオスとメスを決めてしまうような設定を利用して、オスに経済的に寄りかかって生きようとする「腰掛けOL」のような受キャラを生み出したのがすごい。初めてこの作品の第1回を読んだ時は、BLという思考実験も、行き着く先に現実世界の世知辛さを描き出すのか……とつらくなったものでしたが、ちゃんと最後まで読むとこれほどBLっぽい話はないなと思います。オメガバースの世界で真に「BL」なるもの、それはβとかαとかを超越した愛!

そうだ。そうなんだよな。忘れてました。オメガバースという設定はBLにおいて男性同士の性愛を容易にすすめるために、「制度としての男性同士の性愛」を導入するものだと思っていましたが、本来BLっていうのは制度を超越した愛を描こうとしてたはず。BLの定型セリフとして「お前が男だろうが女だろうが関係ない、お前だから好きなんだ」というやつがあって、それを結局オメガバースでやるなら「お前がΩだろうがαだろうが関係ない!お前だから好きなんだ」ということ。もう、ならばオメガバースなんてなくてよくない?と思ってしまいました。オメガバースのシステムエラーを暴いてくれたすごい作品だなと思います。

森世さんと言えば、墓場に頭を打ち付けられながらそういう行為に及んでしまう非常に衝撃的なシーンがある「みっともない恋」もすごかったです。しかし、「ロマンティック上等」は一転して直球のラブストーリー。この振れ幅がすごいしどのアイデアも面白いので次回作も楽しみです。 

みっともない恋 (BABYコミックス)

みっともない恋 (BABYコミックス)

 

 

4位「起きて最初にすることは」志村貴子

両親の再婚で突然兄弟になった夏央と、ゲイの兄、公崇。弟は、兄が自室に同級生を連れ込んでいたしているところを目撃してしまった時から兄をキモいと言って遠ざけ、学校で兄がゲイであることを言いふらし、それが発端で兄は学校を辞めてしまいます。それにもかかわらず、兄は昔から変わらず弟が大好きで、拒否されてもめげずに性的な目で弟を狙っており…という話。

弟が自分を拒否するのは自分がそういう場面を見せてしまったからだ、という罪悪感から「オレちゃんとかっこよくなるから夏央の兄でいさせて」と泣いて懇願するだめすぎるお兄ちゃんもかわいいし、今までついてた悪態がすべてお兄ちゃんへの「好き」の裏返しだった夏央もかわいい。家族だからって、夏央の悪態が遠慮なくていいです。気を許してるからこそのわがままさ。だめでやっぱり気持ち悪いお兄ちゃんと、口の悪い弟のやりとりが志村さん特有の淡々とした語り口で描かれていくのが良かったです。

結局カップルになるのか、性的な関係は維持されていくのかなんとも曖昧になって終わってて家族愛と性愛の境界がよくわからないんですけど、固まりきらない関係性を描けるのはBLならではなんじゃないかなと思います。

3位「赤松とクロ」鮎川ハル

赤松とクロ (マーブルコミックス)

赤松とクロ (マーブルコミックス)

 

 男子大学生同士の直球なTHE日常BL。うだうだ考えて好きな気持ちを封印しようとする黒川と、それを持ち前の明るさとバカさで問答無用にこじあけて心の中に入り込んでいく赤松の、すんごい王道なBLなんですけど、やっぱこういうの好きだな…てしみじみ思いましたわ。

クロはその仏頂面でぐだぐだと煮え切らないモノローグ垂れ流してる暗い感じがキャラ萌えとしてドツボでした。ていうか赤松もクロもかっこいいんですよ。ふつうにそこらへんにいる大学生としてのかっこよさがある。そのうえで描かれるクロの受としての表情が妙にエロい。日常に潜むエロ。なんかでもこの漫画って架空の少年漫画のキャラの二次創作っぽくもあるかもしれません。それほどキャラがはっきりしてるってことでもあるのかな。

2位「片恋家族」ちしゃの実 

片恋家族 (バンブーコミックス Qpaコレクション)

片恋家族 (バンブーコミックス Qpaコレクション)

 

 ひとつ屋根の下に暮らす、ブラコンの志信と、その志信が愛する兄の将生と、将生の息子の和臣。実は和臣は叔父である志信を性的対象として見ていて、父の将生に嫉妬しており、ついに父の目を盗んで志信と肉体関係を持つことからストーリーが展開します。

志信は兄にも甥っ子の和臣にも家族愛を振りまいているんだけど、そこに和臣は性愛を返していくんですよ。この家族が故の片思いが切ない。

そして、一見家族として愛し合っている志信と将生にも家族であるがゆえのすれ違いがあり、それを家族であり恋人でもある和臣が救うのですが、もうここまでくると家族愛と性愛の境界が曖昧なんですよね。最終的には志信と和臣はカップルとして、そして家族としてまた同じ屋根の下で暮らすことになり、和臣と将生のライバル的な親子関係も前向きな感じで落ち着きます。家族愛の発露にセックスがたまたま入っちゃってるだけな感じ。私は昔、近親相姦が苦手だったんですけどこれが読めるのは、多分根底に流れてるのが家族愛だからなのかな?と思います。

でも、志信と和臣がキッチンでやっとの両思いセックスにいそしんでるところを将生に目撃されてしまうシーンはやっぱ背徳感あって、家族間の中に発生したエラーみたいでした。なんなんでしょうね……。

1位「夜はともだち」井戸ぎほう 

夜はともだち (POE BACKS Babyコミックス)

夜はともだち (POE BACKS Babyコミックス)

 

男子大学生同士のSM関係を描くBL。この作品が面白いのは、Mの人をいたぶるSの人が実はSMにそこまで入り込めてなくて、少し迷ってる様子のモノローグが出てくるところ。

ゲイでドMな飛田くんが好きで、Sを買って出た真澄だったけど、真澄はSになりきれなくて、SMをしていてもどこか二人の関係はぎくしゃくしています。でもドMの飛田くんにプレイとしてひどいことを散々してきたから、本当に真澄が悪態をついても、それも飛田くんにとってはプレイとしてご褒美のように受け止められてしまう。この関係性の不和の描かれ方が、素晴らしいなと思います。SMという役割を介した関係でいったんつながって、でもそこで役割以上の関係性がない不和に気づいて、それを乗り越えていくラブストーリーでした。

結局二人はおそらくわかりあえてないんだけど、最後は寄り添ってはいるのです。その静かなつながりの深まり方がわかるシーンとか読んでて胸がいっぱいになります。不和も含めて、つながりとするあたりがBLの醍醐味だと思いました。

 

おそ松さんもそうなんですけど、振り返ってみると2015年はとにかく「ひとつ屋根の下」な家族愛スレスレBLばっか好きになってた年でした。11冊には入らなかったけど秀良子さんの「STAY GOLD」も家族もので良かったなあ。

STAYGOLD 1 (IDコミックス gateauコミックス)

あと、11冊にはこれも入らなかったけどやっぱり木村ヒデサトさんのBLはすごい。「おれ、被害者」は短編集だったのであんまりぐっとくるものがなかったんですが、相変わらず面白かったです。でもアイデアは面白いけどBLじゃなくてもいいのかもしれないな…ってやつもあったので今年の新刊楽しみにしてます。

おれ、被害者 (シトロンコミックス)

おれ、被害者 (シトロンコミックス)

 

 2016年はもっとこまめにBLレビュー書けるといいなと思います……。

(取り急ぎ「ROMEO」めっちゃ面白かった)