パノラマロジック

オタク怪文書

ジャニーズJrで短歌を詠んでみた


覚えたての遊びが楽しくて毎日飽きずにドンジャラやってる小学生の気持ちで向かう、短歌の会。第2回の短歌のお題はジャニーズJrでした。この夏ガムシャラで久々にジャニーズJr.って最高だな!と思ったばかりだったので楽しかったです。

まずは自分でつくってみた感想など。
私がつくったのは以下の4つです。つくった時系列に並べます。

1    暗闇の隅で見つけてくれたから今度は僕が君を見つける
2    炭酸の泡が消えぬ間に飲み干せ来月なんてあるようでない
3    何者でもない僕らの輪郭を縁どる蛍光ピンクの熱さ
4    汗走る腕が暗闇振り切ってスーパーノヴァを目に焼き付ける

ジャニーズJrとジュニア担の関係性ってお互いが見つけ、見つけられだよなあと思ってまず出てきたのが1。そのまんますぎるかな?と思ったけどこれ以上どうすることもできずこのままにしました。

2はそのまんま。
私はかつて、ジャニーズJrの好きな子はみんなどんどん上のライン目指して欲しいしデビューーだってして欲しい!と思っていました。しかしジュニア担に話を聞くと、「別にデビューはいいかな」というスタンスの人もいて、当時、実はあまり気持ちがわからなかったのです。
それから少しジャニーズに対する熱が冷めて、少し距離を置いてから、改めてガムシャラでジュニアを楽しく見てると、もしかするとジュニアを見るときって、未来なんて見ないほうが楽しめるのかな?と思うようになりました。儚さというか、短期集中だからこその魅力。
これは私がかつてほどデビューというものに夢を見れなくなったからなのかもしれないし、ジュニア担のみなさんから「担当してもいない人は気楽でいいよね」と思われても仕方ないけど、そんな感じです。
「来月」という言葉は少クラを意識しています。

3も2と同じ気持ち。デビューしてない彼らにはアイドル以外の未来がたくさんある、その何者でもない感じがいいなと。蛍光ピンクってのはうちわのことを詠んでます。

と、ここまでつくって「全部普通じゃん!」となりました。

とある短歌同人誌にあった短歌の作り方エッセイを読んだところ、「最後にちょっとしたポエジーを足す」って書いてあったので、そうか、なにか詩的な表現というやつを入れよう!と思って4。ぼくがかんがえたしてきなひょうげん。

4はなんとなくダンスしてるときの姿を思い浮かべて作りました。
暗闇というネガティブなものを振り切って踊る姿になにかすごいものをみてしまった!となる、あの感じ。

こみねさんが「スーパーノヴァ」の解説をブログに挟んでたのを読んで、自分の勘違いを知りました。なんとなく、「超新星爆発」だから星が生まれるときの爆発だと思ってたんですよ…。違いましたね。星が死ぬときですね。あんまりジュニアっぽくないかもしれないですね…。


その他、つくってみたけどボツにしたのはこちら。

来てくれてありがとうでも話すことないから黒いマスクで笑顔

ジュニアと言えば黒いマスク!黒いマスクで何か詠もう!と思ってこれ。ジュニアとオタの距離感て近いなと思うんだけど、でもジュニアの男の子達ってどっか自分に群がるオタと線引きしてるよなあと思って、これが出てきました。個人的にこのつれない感じジュニアっぽいなと思うんだけど、自分が思うほどその雰囲気詰め込めてないだろうよ、とも思いボツ。

みらいなど見なくていいよでも君がみたいと言うなら貯金を崩す

未来なんかなくていいよという気持ちを詠んだらこうなった。ジュニア担短歌っていうかサラリーマン川柳みたいですね。もしもわたしがジュニア担だったらこうなってる。

今回の短歌で私が好きだなあと思ったのは下記です。

・シャッターという名のまばたきさえ切れず まだ君はいるまだ君に会える

ジュニア担の心境が現れていて切ない。下の句のリズムが好きです。

・眼差しも襟を触る癖も知ってる人魚のきみの声を知らない

そうなんですよねお気に入りのジュニア、動きのくせは覚えても声だけわからなかったりする。それを人魚に重ねているところの技が見習いたいなと思いました。

・お小遣い貯めて買ったね あの夏に君が残した蝉の抜け殻

蝉の抜け殻をお小遣い貯めて買うっていう発想がいいなと思いました。お小遣いというワードのかわいいけどややゲスいとこと、蝉の抜け殻のものさみしい感じの組み合わせが好きです。
蝉の抜け殻っていうのは、君の抜け殻だったかもしれないし、君が大事にしていたもの(ハタからみたらただのガラクタ)という意味にもとれていいなと思いました。

特効の煙の匂いを覚えてる?あの夏まではきみがいた場所

こういうの詠みたかった。ジャニーズJrといえど男子中高生なわけでそこらへんの生っぽさを詠みたかったのですが、特効の煙の匂いという部分に彼らの生々しさがあっていいなと思います。ステージにいる子たちにとっては蚊取り線香の匂いばりにありふれたものだったのかもしれないですから。

・紫の上青田買いなんとでもいえばいいのそのうちみてろよ

これは、「そのうちみてろよ」といったのはジュニア本人なのかなと読みました。青田買いという言葉から、若さだけに価値を見出されてることに彼は不満で「今にみてろよ?」ってことでしょうか。かっこいい。

・暑すぎる夏を削ってブルーハワイ もっと笑って実在青少年

ブルーハワイと実在青少年で位相の異なる「ブルー」を扱ってるように見えて、その言葉選びが素敵だなと思いました。今回のものの中で一番好きです。

・今だってキャンをドゥーしてゴー出来る 輝く時代を生きた者たち

これはジュニア短歌というか、個人的には「ジュニア黄金期」短歌としてV6はじめにのちゃん松潤、横山さん、すばるくんなどなどに捧げられた歌なのかな?と思って読んでにやにやしました。


おまけ

ジュニア短歌をつくってる途中で、ボツにしたやつから派生してできたハイキュー東西短歌。BL短歌も今度詠みたい。

ソーダ味唇つたい零れ落ちシャツの裾染め君に噛み付く