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BL福袋交換会をやってみた

福袋と言えば年明けですが、もう5ヶ月も経ったこの爽やかな初夏に、あろうことか福袋を買いました。買った、というか交換した。BL福袋です。

 

本当は1月頃にやろうとしてたものでした。

 

 

BL福袋とは、決められた予算の中で各々が自分が好きでおすすめしたいBL、または未読だけど面白そうなBLを買ってきて、タイトルを明かさないまま持ち寄って、それを交換するというもの。

 今回は私ともうひとりの方と一対一の交換になりました。1500円前後という予算で、それぞれBLを購入することに。これ、選ぶのめっちゃ楽しかったです。

 おすすめしたいなと思ったものは、その発売週にレビューサイトのランキングに入っていたような話題作ばかりで、これも読んでそうだし、あれも読んでそう…と思うとなかなか決められませんでした。そこで、最近の作品を避けて、過去のお気に入り作品を買うことにしたのです。

私が買ったのはこちらの2冊。

 

オルタナ (ミリオンコミックス 10 Hertz Series 49)

オルタナ (ミリオンコミックス 10 Hertz Series 49)

 

08年…ということは7年も前だったのか!ってびっくりした古街キッカ先生の「オルタナ」。好きな人が別の誰かを好きだから、好きな人の好きな人と関係を結ぶ。変形三角関係の話です。変形三角関係大好きなのはこの作品のせいだし、今読み返してもテンポとか台詞とか大好きすぎて全然色あせてない名作。

僧職高校男子寮 (バーズコミックス ルチルコレクション)

僧職高校男子寮 (バーズコミックス ルチルコレクション)

 

 こっちは、個人的このBLがすごい2014で2位にしたやつ。持っている確率はちょっと少ないのでは…と思って買っていきました。

 

お渡ししてみた結果。

オルタナ」のほうは相手の方も持っていました。

……福袋になってない!かぶりを避けるためにあえて古い作品を出してきたのに、逆にかぶったというまさかの事態でした。でも、逆に、こんな古い作品に「私もこれ好きだったんですよ〜」って言ってもらえたからなんだか運命を感じてしまいました…。

私のほうがもらったのはこちらの3冊。

 

火傷と爪痕 (ディアプラス・コミックス)

火傷と爪痕 (ディアプラス・コミックス)

 

 

 

お久しぶりです、ダメな人(BABYコミックス)(POE BACKS)

お久しぶりです、ダメな人(BABYコミックス)(POE BACKS)

 

 こういう交換の醍醐味は、普段手に取らないけど気になっている作家さんの漫画が手に入ることなんですけど、まさにそれ!っていうラインナップでした。私としては。

腰乃先生と雨隠ギド先生の作品は本当にいつも気になってるけど手にとれずじまいのものが多くてタイミングを逃してたので、読めてよかったです。

未知との遭遇』は、女性モノっぽい下着を履く変態的な趣味を持つ受キャラがいますが、決してそれだけで引っ張るイロモノではなくて、腰乃先生の描くわちゃわちゃ男子感ほんとに面白いし、BL展開も一進一退の攻防があって、力技でセックスに至らない印象があるのでよかったです。

『火傷と傷跡』は攻の長年の片思いに決着をつけようと奮闘する受の健気なところがいい。黒髪ツンデレなところも好きでした。

そして、店頭で目にかかったことはない見落としてた面白い漫画を教えてもらえるのもよかった。それが『お久しぶりです、ダメな人』でした。どうして、私がダメな大人×そんなダメな大人に振り回される健気な子供っていうカップリング好きなの知ってるんですか?って感じでした……。よかった……。

毎週金曜日にBLを衝動買いすることがストレスと戦う上での日課になっていて、最近そんな買い物に行き詰まりを感じていたのですが、「BL福袋」やってみると新たな扉が開かれるので本当に楽しかったです。

あと、他の人の好みが知れるのもよい。ああ、こういうのが好きなんですね…ってにやにやもできます。

またやりたい。

次は、複数人で持ち寄ってみるのもいいかもしれません。「これ持ってる」てのがあったらその場で交換したりして。

激動の2014年現場総まとめ

2014年ももうすぐ終わるので、毎年恒例の現場まとめを書いてみます。小さなリリースイベントでも1現場に数えてます。

◎2014年に行った現場総まとめ……66

現場の内訳は下記の通り。今年は、ジャニーズより地味に女性アイドル現場の方が多かった年でした。

【推し内訳】

OCDと鈴木達央……25
長谷川正さん……10
中島健人くん……6

【OCD】

アニメ紅白
AtAツアーお台場
AtAツアー 福岡
MM限定渋谷
SwtRツアー札幌
SwtRツアー福岡
SwtRツアー大阪
SwtRツアー名古屋
SwtRツアー熊谷
SwtRツアーお台場
SwtRツアー新木場
SwtRツアー大阪
MM限定お台場

Free!イベ昼
VitdminRイベ夜
Free!関西上陸
攻殻機動隊舞台挨拶川崎、六本木、新宿
鯖祭り
お前らのためだろ夜
幕末Rock雷舞昼

echoAX
echo静岡
echoTDC×2
そしパレ市川
そしパレ仙台
FC限定鶯谷
年末TDC

【女性アイドル】
リリスクリリイベ錦糸町
リリスククルージングパーティ
リリスクワンマン
ライムベリーリリイベ秋葉原
Mixed up
ライムベリーワンマン
サワーソニック
ベビメタ武道館
乃木坂神宮球場
音楽湯会
LinQ定期
異端児Fes

セクゾン】
銀の匙舞台挨拶お台場
名古屋×2
大阪×2
さいたま×1
ガムシャラ×2


【その他】
寺島拓篤ゼップ
モテ福祭り
ジャンフェス ハイキューステージ
魅惑ツアーズイベ
bulb心斎橋
bulb池袋
プラズ渋谷
KREVAの音楽劇
スリルミー
私が嫌いな女の名前〜

今年印象に残った現場

・6月  攻殻機動隊舞台挨拶
とにかく達央くんがイケメンだった。

・9月   おまえらのためだろ
とにかく達央くんの女装ぶりっ子がかわいすぎたし性的だった。

・10月  Plastic Tree FC限定ライブ
有村さんと長谷川さんがまさかのまどまぎコスプレ合わせをしてきた震え上がった夜。セトリも最高でした。

・10月  OCD@Zepp Namba
ツアー追加最終公演。「日本一中途半端なボーカリストになろうと思った」Ta_2くんに、近年どこの現場でもなかなか見れない尊いステージの上の存在を目の当たりにしてる感覚あって震えました、色々な意味で。

・音楽温泉  そらゆね
初めての大森靖子とゆるめるモ。大森靖子の狂気的なパフォーマンスを銭湯の宴会場で触れそうな至近距離で見るというすごい体験をした日だった。あとあのちゃんかわいい。かわいすぎる…。

・11月 Mixed Up
ライムベリーとリリスクが出るイベントライブだったのですが、R.O.Dでフロアを混沌にさせる中で雄々しく吼えるJKのミリちゃんヒメちゃんは、めっちゃかっこよかったし、その後に出てきたリリスクもリリスクらしいわちゃわちゃさは失わずとも巻き込まれるパワーがあったし、すごく楽しかった。

印象に残った現場の詳細書いてると、だいたい10月ですね。年末に思い出すと、そうなっちゃうのもあるけど、ほんとに10月は現場が集中してました。

来年の目標は、脱・現場瞬間主義です。マジで。


<後編>私ひとりで選ぶ「このBLがやばい2015」

選者:ななりだけで選ぶ、ひとり「このBLがやばい2015」。後編は3位からの発表です。(前編はこちら)

3位 相愛えろ期/彩景でりこ 

相愛えろ期 (ジュネットコミックス ピアスシリーズ)

相愛えろ期 (ジュネットコミックス ピアスシリーズ)

 

2014年に読んだBLの中で3本の指に入るインパクトといえばこれなんだけど、この作品を入れようとすると、もはや「このBLがやばい」ってそもそもどうやって選べばいいのかわからなくなってくるんですよ。なにせとにかくセックス、セックス、セックスにつぐセックス漫画。

もう、この作品に出てくる太郎と充という俺様×ツンデレメガネのカプリングのやることなすことすべて私の性癖ど真ん中豪速球投げてくるので抗えないんですよね…。なんなんでしょうか。彩景さんが描く男性の絶妙なツルツル感のある体つきが好きなのもあるし、乳首がツヤツヤしてるのもいいし、ツンデレメガネがやっぱり大好きってのもあるし、そんなツンデレメガネと女装セックスもあるし、ツンデレメガネの自慰シーンもある、大好きなものがつまりまくってる。方言もいい。あと彼氏である太郎の言葉責めが程良くゲスいのも最高。

いいBLはやはり理性で語るのは不可能なのではと思えてくる一冊でした。

2位 僧職高校男子寮/コウキ。

僧職高校男子寮 (バーズコミックス ルチルコレクション)

僧職高校男子寮 (バーズコミックス ルチルコレクション)

 

 「農業高校」とか「音楽大学」とかちょっと個性的な設定だけで展開する漫画って設定の面白さだけで突き進んでいくイメージがあり、このBLもそんな感じだろうなと思っていたのですが、これは全然「仏教系高校」って設定の特別感に頼ってない!BLとして、もっというと青春漫画としてすごく面白かったのです。

親に言いたいことも言えないまま、なりゆきでお坊さんの跡継ぎ息子が多く通う仏教系高校に通い寮生活をすることになった主人公の一茶。そこで、自分の将来とさまざまに向き合う同級生達と出会い、彼らとふれあいながら少しずつ自分の弱さと向き合って成長していく様子が、明るく丁寧に描かれます。一茶を成長させてくれるものが、同級生達が教えてくれる仏教のありがたい考えや、お寺の手伝いということで、そこで仏教系高校という舞台設定を活かしてくるのもぐっときます。

後半から少しずつ色濃くなる一茶と、同室の明人とのBL展開も、いきなり好き合っちゃうありがちな飛躍がなく、落ち着いて安心して読めました。というのも、前半部分で一茶の悩みを晴らす存在としての明人が丁寧に描かれてるので、一茶が明人に対して無邪気に「俺、もう明人がいないとダメだなー」と冗談まじりに言うシーンは偽りがないし、その一茶が本当にかわいくて、ああ、こんなこと言われたらそら同性の同級生と恋に落ちるわ…と腹オチするわけです。

そして自分の恋心にお互いが気付くのですが、その恋の進展もゆっくり。男子寮の同室だからって、すぐセックスには至らない。なんとなくたまにキスする寮の同室の友達、みたいなフワフワした期間があり、明人の入院もあり、ゆっくりと恋心を深めていくところが、読んでて安心できます。そうそうBLってこういう感じだよねーってなんか基本に立ち戻ったような気になるBLでした。

1位  美しい野菜 

美しい野菜 1 (Feelコミックス オンブルー)

美しい野菜 1 (Feelコミックス オンブルー)

 

 発売されてからもう1年以上経ってますが、いまだに、「美しい野菜」を超えるお気に入りBLに出会ってないかもしれない…それくらい大好き…。

心が狭くて内向的なもっさりしたメガネの受、太郎(もうこういうキャラ大好き)がひょんなところから年下の八百屋、治樹と知り合い、なりゆきでSMプレイをして自分の中のマゾ性を開花させていく物語。

この作品の面白いところは、大変いやらしいSMプレイの描写と、治樹が自分の八百屋から持ってくる新鮮な野菜を使って簡単な手料理を太郎に振る舞うところが、同列に扱われているところです。夜はSとして太郎をおもちゃのように扱う治樹ですが、昼になると、不健康な生活を送る太郎のために家事を片付け手料理を作ってあげる甲斐甲斐しさを見せます。SMプレイと美味しい料理で太郎はどんどん解放されていき、気持ちが楽になると仕事がうまくいくようになり、内向的な殻を少しずつ破っていくのです。

衝撃でした。SMプレイのBLは数多くあれど、こうした日常の暮らしの中にあるSMを描くものは初めて読んだし、それが行き詰った主人公を救う手段にすぎないなんて。

更に、太郎さんの救済の物語だけでなく、太郎と治樹の恋の駆け引きも真っ最中なのがよいです。こんだけハードなSMやっておいて、太郎とは「恋人じゃないよ、ただのかわいそうな友達」と言って恋の駆け引きを仕掛けてくる治樹と、自分がまともに相手を思いやる恋愛が出来てないと思っていて、治樹にきちんと恋できてるのか自分で不審がってしまう太郎。まだ全然付き合ってないし関係性の核心に触れてない!

食べることもセックスすることも地続きのひとつの生活の中にあり、その生活の中でゆっくり二人の恋が進展していく。そういう性愛の捉え方がBLの中では新鮮で、面白いなと思います。

ほんと松本ミーコハウス先生は生活感と変態の隣り合わせを描くのがうまいし、ご飯の描写を大切にするし、受と攻のどちらかに偏らない、お互いがお互い気恥ずかしくなっちゃう均等な力関係のBLを描くところが大好きです。

2巻の発売が待ち遠しい…。

おわりに

10冊紹介するだけなのにたくさん書きすぎましたので2つに分けることに。このBLがやばい2015に先駆けて、私的このBLがやばい2015を書いたブログのエントリが意外と少ないというか見つからないのですが、これから増えるのかな…。

ちなみにこのBLがやばい2016の1位筆頭候補が早くも決定しています。「夜はともだち」。これも、あーその発想はなかった!という変形SMもの。こういう、今までとちょっと変わったBLが読めるとほんといい買い物したなと思います。

夜はともだち (POE BACKS Babyコミックス)

夜はともだち (POE BACKS Babyコミックス)

 

 

来年はどんなBLが読めるのかいまから楽しみです。

<前編>私ひとりで選ぶ「このBLがやばい2015」

このBLがやばい2015が発売してしまいました。

 

このBLがやばい! 2015年度版 (Next BOOKS)

このBLがやばい! 2015年度版 (Next BOOKS)

 

たくさんの人の投票によって選ばれるランキングで1年間の商業BL全体を俯瞰することができるので毎年楽しみなランキングなのですが、BLってやはり個人の嗜好に「よかった」「つまらなかった」をたいへん左右されるジャンルなので、当然、自分の推し作品がめっちゃ順位低くて、うーん…ってなったりとかありますよね。

そこで今回は個人的な「このBLがやばい2015年度版」を後出しジャンケンっぽさに負けずに書いてみます。いや、本当は1週間前に決めてたんだけど、ぐずぐずしてたら本家が発売してました…。

本にならって、2013年10月~2014年9月に発表されたBLの中で面白かったものを10冊ピックアップします。

 

10位 晴れときどき、わかば荘あらあら/羽生山へび子 

晴れときどき、わかば荘あらあら (H&C Comics  ihr HertZシリーズ 144)

晴れときどき、わかば荘あらあら (H&C Comics ihr HertZシリーズ 144)

 

 わかば荘に集うさまざまなカップルの恋模様を追う短篇集。どの作品も、とてもテンポがよくするするっと読める面白さでした。中でも一番面白かったのは、競馬のジョッキーBL。職業BLは数あれど、ジョッキーをテーマにしたものを読んだのは初めてでした。過去にトップスターだった選手と、その人に憧れていた現トップスターの後輩っていう後輩攻BLがほんと大好きです…攻が受に憧れている感じが。

 9位 ラクダ使いと王子の夜/緒川千世

 表紙と内容が全然ちがうじゃねえか!!!!!!!…最高でした。

これ、表紙のかわいいアラブものを期待して買うと、中身を読んだときにすごくガックリするんではないでしょうか。表紙のアラブBLは1冊の中で半分以下のページ幅となっており、大半は作者の方の趣味なんだろうなと思わせるフェティッシュでハードな設定のBLばかり。

溺れる魚」は水泳部が舞台で、緒川千世さんの作画の美しさと水の描写があいまってうっとりします。あと、「俺のことを好きじゃないオマエがすきだよ」と言われて一緒にいたせいで、必死に好きじゃないフリをする、て物語が、まあある種テンプレだけど私はマジでマジで大好きです。指先で顎を触るだけで感じてしまう受の描写があるのですが、緒川さんの描く人物の細かい造形が美しいので妙なエロさがある。素敵です。

「いびつな欠片」「くさった螺旋」は掌編ながらびっくり変態人間のオンパレード。私は、神経質な黒髪秀才メガネくんが大好きなのですが、そんな秀才眼鏡くんが、 愛でも恋でもなく、ただ自分の醜い自尊心を守るために、狂った弟を挑発し犯されてあげてるんですが、最終的に自分がかわいいキャラ大好きなので最高です。無節操な変態趣味に走りたくなる時期が腐女子は誰にでもあると思っているのですが(え、あるよね?)、これはそんな厨2魂をくすぐってくれる作品でした。

そんな複雑なBLばっかりある中で、心が清らかな人しかいなくて性のにおいもない、タイトル作品である「ラクダ使いと王子の夜」の清廉さが際立つのです。短篇集ってあまり好きじゃないけど、この組み合わせだからこその面白さがこの本にはありました。

8位 ひずむ三角、ほどけて絡む/碗島子

ひずむ三角、ほどけて絡む (バンブーコミックス Qpaコレクション)

ひずむ三角、ほどけて絡む (バンブーコミックス Qpaコレクション)

 

 3度の飯より三角関係BLが好きです。しかも、ただの三角関係じゃないやつ。

この作品では、ちょっと頭が足りなくて性欲に流されやすい愛すべき受の市村が、学園の至るところで二人の男から襲われまくるのですが、実は市村のことを取り合う攻の二人、大庭と蔵に、「好き」だけでは形容しがたいBLならではの関係性が存在しているのです。そう、これ!こういう三角関係大好き!

大庭は本心があまり見えないし、蔵は根暗だったりと複雑なキャラ同士で、その間にある愛情もわかりにくいですが、二人の間に挟まれる市村が愛すべきバカだから、シリアスになりすぎずに3人で幸せになれよ…とあたたかい気持ちになります。まるでこのおバカさん市村が複雑な大庭と蔵の関係を取り持っているようにも見える。「チョコレートストロベリーバニラ」も流行ったことだし、こういう複雑な3人の関係性が見えるBLがもっと読みたいです。

7位いとしの未来くん/吉田ゆうこ 

いとしの未来くん (Canna Comics)

いとしの未来くん (Canna Comics)

 

 表紙からは陰鬱な香りしか漂ってこないですが、ただの鬱BLではなく、読後さわやかなBLでした。

未来くんという心優しくて流されやすい少年が、さまざまな男性と流されるままにお付き合いして、性的な関係を持っていくストーリー。ビッチというまでではないけれど、確実に無垢な未来くんがさまざまな男の手によってどんどん性的な存在になっていく描写が、たまりません。こうして書くと身も蓋もないエロBLみたいですが、性描写はまったくきつくなくて、吉田ゆうこ先生の映像的な漫画表現にうっとりしながら読めました。

最終的に、未来くんにとってのたった一人の最愛の彼によって未来くんはやっぱり純真無垢な存在として描かれるのでラストは安心しました。

ちなみに、今回の選考対象外だった「プレイバック」のほうは更に吉田先生の映像的な表現が強まり、キャラクターの描かれ方はこちらのほうが好みでした。攻の子が8ミリカメラを覗きながら受を見つめるコマの描写がすごく好き。

プレイバック (Canna Comics)

プレイバック (Canna Comics)

 

 6位両想いなんて冗談じゃない/カサイウカ 

両想いなんて冗談じゃない!! (Canna Comics)

両想いなんて冗談じゃない!! (Canna Comics)

 

 おじさん好きの!おじさん好きによる!おじさん好きのためのBL!!!

高校の時から親友の隆次に片思いを続けて25年、片思いをこじらせまくった42歳時造。しかし、ひょんなことから離婚した隆次と一緒に住むことになり25年モノの片思いに進展が…。というお話。

タイトルからしてこの先の展開が完全に読めてしまうと思いますが、とにかく、好き合ってるのはわかったのだが、お互いのプライドが邪魔をして、素直に「好きです、ハイ付き合いましょう」とはならずにえんえんとケンカしてる42歳のオッサン同士ってカップリングが最高です。はい。

口喧嘩してるけど最終的に「仕方ないだろ!好きになっちまったんだから!」ってお互い顔真っ赤にして相手の目を見れない構図って。かわいすぎか……。プライドの張り合いを早々に終わらせて早くイチャイチャさせる展開もあったのだろうけど、この漫画では、本当に最後までなかなかカップルっぽくならないところがいいです。

また、この二人の不器用合戦をハタから見物してるバイトの若者くんが、邪魔することなく面倒な二人の物語を進展させてくれる上に、笑えるものにしてる絶妙な立ち位置を担ってるのもよかった。

5位 IN THE APARTMENT/絵津鼓

IN THE APARTMENT (H&C Comics ihr HertZシリーズ 156)

IN THE APARTMENT (H&C Comics ihr HertZシリーズ 156)

 

 江口寿史風味のおしゃれな絵の中、街中にリアルにいそうな男の子達が、ごはん食べたり、ゴミ出ししたり、お風呂入ったりしてる、そんな日常を生きてるBL。経験則ではこういうBL好きなんだけど、そこまで自分の中ではヒットしないだろうなと思っていました。でも、IN THE APARTMENTは違いました。

同じアパートに住む妹尾と杉本の平和なご近所暮らしが描かれていくうちに、二人とも過去に振り返りたくない傷を抱えていることがわかります。抱えた傷の救いを求めていくうちに、ただの友達だった二人がふと、気の迷いのように口づけをして肉体関係になるのですが、この着地がやや唐突な印象はあるものの、低体温な二人が唯一本能的になる瞬間で、いいなと思いました。BLはあらゆるあらすじがセックスの手段になりがちですが、これはその後に控えるあらすじを追う手段としてセックスが挟み込まれている感じ。

そして、二人とも最終的に過去の傷と向きあうんですよね。その向き合い方もしつこくなく、淡々と追ってて、キャラクターそれぞれの人生を応援したくなる。BLのために生きてる二人じゃなくて二人の人生を生きてるキャラ同士のBL。BLが後景化しているので、微妙っていう感想もあるかもしれませんが、いい意味で予想を裏切られたところもあって、お気に入りの作品になりました。

4位 マリアボーイ/木村ヒデサト

マリアボーイ (マーブルコミックス)

マリアボーイ (マーブルコミックス)

 

 正直、最初に読んだ時はそこまでBLとしは萌えなかったし、今回の「私的このBLがやばい2015年度版」を考えるにあたり、1週間前に最初に順位を考えた時点では9位でした。では、なぜこんなにランクアップさせたかというと、先日やっと、すごいすごいと評判の、カバー下の手書き草稿(びっちり詰められた文字のみ)を読んだんですよ。

なにこれ…!!!早く読めばよかったです。この草稿を読む後と前でまったく作品の印象が異なるすごい草稿をなぜカバー下に隠した…。

なぜ「マリアボーイ」っていうのか全然わからなかったのです。表紙を見る限り、弟を溺愛するあまりにストーカーになった、男相手に体を売りまくる美容師のヨシキのことを指すのはわかっても、それのどこがマリアなの?と。草稿見てやっと意味がわかり、マリアボーイって漫画の震えるほどの面白さに気づきました。

どうしてこの草稿は漫画として収録されてないんでしょうか。そこらへんの意味のわからなさがおもしろすぎて、この順位です。

展開がしっちゃかめっちゃかだし、表現は”耽美”とは真逆の意図的な下品さがあるし、確かに人を選ぶBLなのかなと思いますが、表題作の「マリアボーイ」で描かれる美容師ヨシキと奔放なノンケの年下加藤くんのカップリングはまっとうに萌えるBLです。常に寂しさを抱えた依存体質のヨシキが、能天気な年下の加藤くんから愛を与えられて救われていく。その前に収録された「好きだよ、秘密だよ」では弟を溺愛するあまりストーカーになる危ない人物でしかない兄が、加藤くんに手料理をつくってもらって、まっとうな愛を与えられ人間的な幸せを手に入れていくのですが、その描写が本当によい。ヨシキが玉ねぎを持ちながら「人のチンコを数えきれないほど握ったこの汚い手が 自分で傷つけて勝手に休養してるこの手がなんと今玉ねぎをむいている」というシーンで玉ねぎがアップになるんですけど、このふざけてるんだけどリリカルなところがいいのです。漫画が全体的にふざけたテンションで進むんですが、ちょいちょいこんな風に鋭く斬り込むリリカルさが絶妙に見え隠れするのが木村ヒデサト先生の味なんだなと思います。

だから、登場人物がどれだけ頭のおかしい行動をとろうと、それが実はものすごく普遍的で純粋な気持ちに裏打ちされていることがわかる。(カバー下の草稿も、美容師ヨシキの突飛な行動が純粋な愛に裏打ちされてることを補足する内容でした)。出てくるキャラクターがすごく人間くさい。最初はそこまで萌えなかったのに、じわじわ気になっちて気づいたら好きになっていた「マリアボーイ」の面白さって結局そこなのかなと思ってます。

 

後編はこちら↓


<後編>私ひとりで選ぶ「このBLがやばい2015」 - パノラマロジック

 

2014年男性声優楽曲大賞にエア投票してみました

師走といえば楽曲大賞です。ジャニーズも女性アイドルもあんまり聴かなくなってしまい、投票が出来ない2014年となってしまって寂しいので、完全にこのブログの後追いですが、男性声優楽曲大賞を私も考えてみました。

超個人的男性声優楽曲大賞2014(後編)and i like betty*

ハニコさんほど手広く漁ってないので結構かぶってるのですが…でも楽曲大賞エントリってみんなかぶるよね?そういうもんだよね?っていうことで、少し長いですが15位から発表です。

15位 REASON FOR…

「TVアニメ『 神々の悪戯 』エンディングテーマ「 REASON FOR... 」」収録/アポロン(CV:入野自由)、ハデス(CV:小野大輔)、月人(CV:上村祐翔)、尊(CV:豊永利行)、バルドル(CV:神谷浩史)、ロキ(CV:細谷佳正)

Elements Gardenです。今年うたプリの曲でピンと来るものがなく、あんなに絶対唯一神と崇めていたカルナイへの信仰心はどこへ…カルナイ楽曲のユニゾンとシンセの織り成すアイドル的”なんか強そう”感が好きだったのですが、そこらへんはこの曲が持っていたなと思いました。


TVアニメ『神々の悪戯』ED「REASON FOR...」 - YouTube

 

14位 Like a Long Lance

「『弱虫ペダル』キャラクターソングCD Vol.7収録」/泉田塔一郎(CV:阿部敦

とにかくロックばかりの弱虫ペダルキャラソンの中で異質だったEDMな泉田キャラソン。長く美しい睫毛とアンバランスな分厚い胸筋がチャームポイント、という泉田のいかがわしい感じをキャラソンに落とし込もうとしたとき、このEXILE TRIBEが歌ってもおかしくないチャラめなEDMという選択はすごくぴったりではないかなと思います。さらに曲中に「アブ、アブ、アブ、アブ」ってずっと言って、しかもそれが違和感ないのがキャラソンとして優秀すぎ。更に冒頭に挟まれるウィスパーボイスが本気でかっこいいので、不覚にも飛び道具キャラだと思っていた泉田の真面目なかっこよさを知ってしまう一曲になっています。

何よりびっくりしたのはこれがR.O.Nくんの曲だったってことですね。

弱虫ペダル キャラクターソング vol.5

弱虫ペダル キャラクターソング vol.5

 

 

13位 Way to victory

「TVアニメ 黒子のバスケ SOLO MINI ALBUM Vol.3 緑間真太郎-Shooting My Luck-」収録/緑間真太郎(CV:小野大輔)高尾和成(CV:鈴木達央

黒バスのキャラソンにこんな男性アイドルっぽい華やかな曲あったのかっていう驚きがありました。曲もいいけど、途中途中に挟まれる「ジャンケンポンっ」もかわいい。「勝利決めるからな~っハーン」ていう高尾和成がいかにもいれそうなスカした歌いまわしを入れてくる鈴木達央さん本当に天才だと思う。 

TVアニメ 黒子のバスケ SOLO MINI ALBUM Vol.3 緑間真太郎-Shooting My Luck-

TVアニメ 黒子のバスケ SOLO MINI ALBUM Vol.3 緑間真太郎-Shooting My Luck-

 

 

12位 Rainy Day

ツキウタ。シリーズ デュエットCD 蝶々P×年中組」収録/卯月新(CV:細谷佳正),皐月葵(CV:KENN)

ツキウタのキャラソンはどれを聴いてもだいたいかっこよかった。ツキウタってシリーズ自体は知ってたのに、なんでキャラソンにこんなに力入っているってハニコさんの楽曲大賞ブログ読むまで知らなかったのだろうか…。

男性アイドルや男性声優にロックは数あれど、ピアノの旋律が絡まり、高低差のあるこういうギターロックって、あまり聴かないような気がします。KENNくんと細谷さん歌い方が対称的過ぎて面白い。細谷さんの歌声がいつもより輪をかけてシンプル。たとえばこれがKENNくんみたいなボーカル×2でデュエットしていたらちょっとしつこかったと思うので、お互いがお互いのない部分を補完しあってたよいデュエットだと思います。

11位 ORIGINAL COLOR

「so funny」収録/Trignal

歪んだ音のイントロから一転して、楽曲派が絶対飛びつくと思われるファンク風味さわやかJ-POPになるのがとてもよいと思います。 全員かわいい少年ぽい役ができるTrignalの声にクセのない王道J-POPて本当に合う。

so funny(豪華盤)(DVD付)

so funny(豪華盤)(DVD付)

 

 

10位 共鳴進歌

幕末Rock超絶頂(エクスタシー)★ソング 沖田総司」収録/沖田総司(CV:小野賢章)

幕末ROCKは本当に、幕府側の曲しか好きになれなくて困った…。サビのメロディがとにかくいい。どことなく10年前くらいの邦楽ロックっぽい。賢章くんの声はこういうしっとりとして裏声まじりの曲のほうが似合ってるなと思います。


『幕末Rock』超絶頂(エクスタシー)ソング 沖田総司(CV:小野賢章) CD試聴 - YouTube

 

9位 スリーピング・ビューティー

弱虫ペダル キャラクターソング vol.5」収録/東堂尽八(CV:柿原徹也)

この曲はペダルのアニメと漫画に手を出す前にとにかく聴いてくれ、と言われて聴いたのですが、思えばこれがきっかけでペダルを早く読まなきゃ!と思えたすごい曲。

R.O.Nくんのカロリー高めな直球ロックに乗るには大正解と言えるテツヤカキハラのナルシスティックな癖のある歌声。そんな歌声で「君に問う 世界で一番美しいのは誰 もちろんオレだろう」といわれれば、肯定するしかない。天井知らずの自信家なキャラクターの気持よさを曲と声が最大限に生かしてると思いました。 

男性声優って癖が強めな歌い方の人が多くて苦手意識あったんですけど、癖こそが最高に気持ち良いと気づいた時、一番気持ち良いのがテツヤカキハラの歌声だと思った。

弱虫ペダル キャラクターソング vol.5

弱虫ペダル キャラクターソング vol.5

 

 

8位 ダンディギ

「ダンディギ・ダン」収録/柿原徹也

そんなテツヤカキハラの往年のビジュアル系っぽい癖のある歌い方がラップ(?)をすると、こんなに小気味よくて気持ち良いのか!とびっくりしたのでスリーピングビューティーよりも上にしました。楽しい。さらっとブラのホックはずそうとする歌詞も柿原さんしか歌えないよ。テツヤカキハラの、「なんか細かいことは気にしないけど楽しいほうがいいじゃん?」をドヤ顔で言ってるようなこの不思議な陽性のオーラなんなんですかね。好きです。

ダンディギ・ダン(豪華盤)(DVD付)

ダンディギ・ダン(豪華盤)(DVD付)

 

 

7位 Party Parade!

「Re-Quest!」収録/棗(CV:前野智昭)、侑介(CV:細谷佳正)、風斗(CV:KENN)

Partyだけにきらびやかな王道の90年代男性アイドルポップス。こういうの否応なしにテンションが上がるのでこの順位です。ブラコン未視聴ですが3人が徹底的にキャラ歌唱してることだけは伝わってきます。特に、細谷さんが健気に音痴に歌ってるのが本当に愛しくなる…。

 

6位 CATWALK

「peace」収録/吉野裕行

Do itも入れたかったけど、楽曲の洗練度でいうとこっちかな…?と思ったので敢えてDo itは入れずにこっち。ピアノと打ち込みだけのアーバンなイントロが始まったと思いきや吉野さんが歌い出すとホーンが入って歌謡ディスコファンクに華やかに展開していくところが好きです。

吉野さんのちょっと高めで昭和のアイドルのような歌声が女性目線のアダルティな歌詞とすごくマッチしてます。

Peace(豪華盤)(DVD付)

Peace(豪華盤)(DVD付)

 

 

でもDo itも捨てがたかった…。吉野さんのいい意味でうますぎなくて隙がある”大人のオジサン”的な歌声が、とりあえず飲んじゃえばハッピーみたいな歌詞にこれまた合う。

5位 だってまだまだアバンタイトル

ツキウタ。シリーズ デュエットCD 年少組1・だってまだまだアバンタイトル」収録/師走駆(CV:梶裕貴),如月恋(CV:増田俊樹)

さつきがてんこもりと言えばエビ中の「ほぼブラジル」「売れたい!エモーション」から、女の子ならではなかわいさを引き出す曲を作ってる人という印象があるのですが、この曲はエビ中に提供した曲以上に女性声に最適化されてるような気が。男性声と相性悪いと思われるピコピコサウンドから生まれる、この「なぜか男性声優が歌ってる…」違和感が最高です。なんか女装見てるみたいな感じです。最高です。

梶くんは、まあ安定のハニーボイスなのでそこまで違和感はないんですが、問題は増田くんですよ。増田くん、こんなかわいい声出せたの?ってめっちゃびっくりしました。テニミュであんなにラスボス感のある幸村を演じていた人が将来的にこんなに女性アイドル感のあるぶりっこな曲歌ってるという事実に、震える。

2015年は増田俊樹さん売れて欲しい。

 

4位 明日へのLast Race

Free!キャラクターソングvol.6」収録/山崎宗介(CV:細谷佳正

この曲で山崎宗介さんのことを3次元として推すことを決めました。

Free!本編では肩の故障によりひとりだけ未来が描かれず不遇だった山崎さんですが、こうしてキャラソンで「まるで全然別のアニメのOP楽曲か?」と思えるほどにいい曲をもらってるので報われました。奥のほうで鳴ってるストリングスが美しい、ちょっとネオアコっぽいクソ爽やかな曲をまさか山崎宗介が歌うとは…ですよ。アニメではまったくそんな爽やかさを感じさせなかった宗介が。

アニメの宗介の低くて冷たい声はどこかへ消え、「大学のサークルのちょっと歌がうまい男子」感のある絶妙なリアルさと透明感のある声だったのがいい。細谷さんの歌声最高。これは”サークルの男友達”としての山崎宗介くんに片思いをするしかありません。


『Free!-Eternal Summer-』キャラクターソング Vol.6 山崎宗介 (CV.細谷佳正 ...

 

3位 optimistic negative thing

「A Silent, within The Roar」収録/OLDCODEX

R.O.Nくんが抜けた後のOLDCODEXって、そこまで目新しいことをしていないような印象があったのですが、この曲だけは、攻撃的なバンドサウンドと四つ打ちのエレクトロサウンドが折り重なるように合わさったおもしろい構成になっていて、楽曲として攻めの姿勢を見せつけた1曲だったのではないかなと思います。最初のTa_2さんのシャウトのあたりは、なんか洋楽でこういうの聴いたなと思って類似の曲探そうと思ったくらい(でも30分探しても思い出せなかった)紛れもなくかっこいい。声優風情のバンドと思って埋もれるのには惜しいかっこよさ。

ライブでの演出も最高だった。

A Silent,within The Roar(初回限定盤)(DVD付)

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2位 JUMBLE TOWN

「PRISM」収録/寺島拓篤

男性声優楽曲で、そういえば今の流行りっぽい80sを意識した曲ってないかもなと思ってたら完全にJUMBLE TOWNがそれでした。シンセの使い方、間奏で突然挟まれる女性声のラップパートといい、今一番流行ってる音楽を取りこぼすことなくキャッチしてる感じがひしひし伝わってきます。

あとハニコさんも褒めてましたけど、ほんと、歌詞がプロが作ったのかっていうクオリティですね。

いい曲しかない寺島拓篤さんのアルバム、男性声優ファン以外の人にもぜひ届いて欲しいものでした。てか思ったんですけど、男性声優って作曲者に有名な人をクレジットすることで話題になるインパクトはどれほどなのだろうか…。

あとshinosukeさんもっとジャニーズに曲書いてください…と思っていたら最新アルバムの松本潤ソロ書いてるのですね。知らなかった。

PRISM(DVD付)

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1位 FUTURE FISH

「FUTURE FISH」収録/STYLE FIVE

やっぱりSTYLE FIVEがナンバーワン。

今年のFree!のEDは「そう来たか」と驚いたほど期待を上回るいい曲でほんとによかった。ローテクな感じの打ち込みとシンセの音がなかなかオシャレで今っぽいチョイスなのではないかと思います。加えて、いろんなところでいろんな音が鳴るガチャガチャ感が、STYLE FIVEのアイドル感とあいまって楽しい。NEO BLUE BREATHINGも好きだけど、あっちはSTYLE FIVEというアイドルが、既存のアイドル曲をなぞってみただけな気もしていて、であれば既存の男性アイドルがあまり歌ってない雰囲気のこっちが大賞だろうと思いました。

Free!本編で、「どこまでいらぬ腐敗を進めるのこのアニメは?!」っていう底なしの沼感を味わった後で脳天気に流れてくるウィアウィア…に対して「ウィアウィアじゃねーよ」と突っ込んだオタが日本に何万人いるんだよと思う、印象的なイントロもいいです。


TVアニメ『Free!-Eternal Summer-』ED主題歌,CW 試聴動画 - YouTube

 

おわりに

キャラクターや声優の文脈を踏まえた上で感じる「いい曲」と、単純な「いい曲」って別で、すべてのアニメやキャラクターを把握しているわけではない状態で男性声優楽曲大賞ってものを選ぼうとすると、曲によって評価基準がややバラバラになるのが実感できました。

なので順位は正確ではないかもしれないけど、なるべく文脈を踏まえなくてもわかる「いい曲」を選ぼうとはしてみました。書いてみてわかったけど、これは、男性声優に見向きもしなかった1年半くらい前の自分にあてて書いてるようなものかもしれない…。

来年はもうちょっと意識して手広く聴いていきたいと思います。

 

ハマって1年、25回の現場でわかってきた鈴木達央の魅力13選

鈴木達央さん、31歳のお誕生日おめでとうございます。
 
昨年の11月11日の時点では、ジャニオタだった自分がついうっかり横道に逸れてハマってしまった声優さんくらいにしか思ってなかったので、浮気3日目のような浮ついて調子こいたテンションでこんなブログを書いていたわけですが。
 


夏に現場がなかったジャニヲタが鈴木達央さんにハマった理由 - パノラマロジック

 
書いた私でさえ、この浮ついた気持ちは半年と持たないと思ってたんですよ。
なのに気づいたら昨年の11月から、25回も達央さんがいる現場に足を運んでいました。
 
気づけば「きゃーすきすき!大好き!でもキタナイ!Diaryがリリカル!wwww」みたいな浮気3日目のテンションも落ち着き、今ではライブやイベントなどの前に
「もう正直、鈴木達央なんてほんとどうでもいいわ……」
とのたまってからの、終演後
「ああ……やっぱりたつくんが愛しい。もっと私はたつくんの笑顔を見ていたいし、守っていきたい(両手を顔の前で組んでお祈りしながら)」
と泣きそうになりながら祈りを捧げるプレイまでするようになりました。
 
そうです、もはや声高に愛を叫ぶ必要はなくなったがいないと絶対に困るし生きていけない存在だから婚姻関係と言っていいかもしれません。

【◯◯と結婚している】
好きになってからしばらく経ち、最近ではそこまで激しい萌えは感じず、別のジャンルに目移りしたりもしているけれど、どうしても離れがたいジャンルに対して使う。

【第2弾】細かすぎて伝わりにくいし汎用性も無視した腐女子用語選手権より

ということで去年の秋にうっかりハマってしまった私が1年かけてさまざまな場所で知ってしまった鈴木達央さんの魅力を挙げてみたいと思います。
 

1. 踊れる

うたプリライブ3rdで初めてダンスしながらの歌唱を披露した達央さんなんだけど、これが、意外とキレッキレだったんですよ!欲目1000%かもしれないけど、ガシガシ踊れてた。さらにトロッコに乗って外周まわってファンに手を振る完全にアイドルな姿もこの日見られて、この日は「たつくんに降りる…」しか言ってませんでした。

2. オタクの転がし方をよくわかってる

ノブナガン上映会でのこと。共演者みんなに達央さんがあだ名をつけるコーナーで、ワンコアピールの激しい島崎信長さんにあだ名をつける順番を、わざわざトリに持ってきて、ぶっきらぼうに「お前は犬だろ」って言ったときの、客席のどよめきがすごかった。信長くんの「ワン!」という返事も、めちゃくちゃあの場をわかっていた。いいコンビネーション芸でした。

3. すぐ物を投げる

声優イベントでもライブでもよくこの人モノ投げてるなあと思うんですけど、ステージからモノを投げるのってそこに受け取ってくれるファンの存在を認識してないとできないことで、それをやってるときの達央さんは本能で自分に需要がありまくることに自覚的なんだろうなと思った。ああかっこいい。
初めて思ったのはVitaminRの2月のイベントのとき。自分のつけてたアクセサリーとかホイホイ投げ過ぎてましたね。あの時は藤重一真としての需要を理解していたってことなんだろうけど、役を入れた上で「求められてる俺」に自覚的になるのって面白い。普段からそういうことやってるって感じでもないから、役があるからバーストするかっこよさ。いいですね。

4. メガネが似合う

たまにメガネで登場する達央さん。攻殻機動隊の舞台挨拶に行ったときは、あの草薙素子の恋人役だけあって「かっこいい男」でいなきゃいけないと思ったのでしょう。黒いウェリントンのようなメガネにビシッとジャケットで登場して、このイケメンぶりに国がひとつ傾きそうだと思った。

5. 女装とぶりっこが似合いすぎる

9月に行った「お前らのためだろ45」夜の部にて、白いモフモフのうさ耳に、白いロリータファッションで登場した達央さん。お辞儀をするときもファンに手を振るときもカワイイ女子になりきっておしとやかな達央さんSooooooCute!!!!でした。誰に言われたわけでもないのにいきなり、ひとりで少女のように片足あげてステップ踏んでブリブリアピール。道重さゆみさんもびっくりのスウィートガールぶりでした。
思えば、Free!の中野のイベントでも、SPLASH FREEに乗せてノリノリで東京女子流みたいなかわいいダンスしてたよね。kawaii!!!!!
どこらへんが女子流だったかはこのブログに詳しく書いた。


Free!スペシャルトークイベント昼の部の感想 - パノラマロジック

6. なのにいきなりライブでダイブしたりする

そんな女装の達央さんを見た1週間後くらいにOCDのライブに行ったら、あのときすね毛をツルツルに剃ってブリブリのダンスをしていた人が、一転して荒々しいロックバンドのボーカリストとして狭いハコでがなってた。このギャップ最高。
楽しくなっちゃったのかこの日は突然ダイブしてましたね。女の子ばっかりで全然達央くんのわがままボディ泳がせられなかったけどね…。

7. おててがモチモチしている

アニメイトのアルバム購入特典握手会で初めて達央さんと握手会したのですが、目の前に現れた30歳男性は清らかな愛らしい笑顔で「今日はありがとう!」って言って握手してくれました。手が白パンのようにあったかくてモチモチしてました。

8. 計画なしにいう一言が壊滅的につまんない

OCD追加公演なんばHatchで「全然関係ない話していい?」と言っていきなり話し始めた内容が「昨日風呂で考えてたんだけど、俺たちの「The Misfits Go」て曲あるじゃん?その頭文字とったらTMGじゃん。これ、たまごか〜と思ったらたまご食べたくなってきちゃったんだけど、なかったから麦茶飲んで寝た」
 
それがツアーファイナルでいうことかよ…。やばいかわいさ。

9. かわいいって言われるとキレる

これは何の公演で言ってたってわけじゃないんですけど、OCDのライブで例えば何かを言い間違えたりしたときに、お客さんが「ヒュー」とか言ったり「かわいいー」とか言ったりするたびに「うっせ!」「しね!」って小学生男子のごとくややマジギレしてるのが最高にかわいい。こういうのもしかして本人はめっちゃ嫌がってるのかもしれない。でも嫌がってるからこそ言うよ。そこで自分のかわいさに自覚的になって調子に乗り出したらかわいさが半減するよ。だから今のうちに言わせてもらおう、かわいいと。

10. 真面目すぎる

アルバムが発売される前のライブでしきりに「手にとって、よくなかったら割ってください」と言ってたTa_2さん。言うことがいちいち極端だよね。ゼロか100かしかない。ほんとこういうクソ真面目というか、あえて伸ばされた手を遠ざけようとする言い方好きだなと思うんですよこの人。大好きです。

11. 「日本一中途半端なボーカリスト」って自分で言う

二足の草鞋でバンド活動を続けるOCDのTa_2さんとして、時には心ない言葉を浴びせられることもあって自分の立ち位置に悩んだりする…という心情をツアーファイナルで吐露していたときに自称していた言葉。
多分本気で中途半端がいいと思ってる人はあえてこんなこと自称しようとしないだろうと思うんですよ。負けたくない気持ちから出発して負けないように決意をもって開き直るその意地らしい部分が本当に大好きだよ。

12. Night Flightで見せる笑顔が世界一かわいい

あ、ごめんまた「かわいい」って書いちゃった。今年の夏からのアルバムツアーのアンコール1曲目はこのキラキラした楽しい曲で始まることが多いんですけど、この曲で笑顔でステージを跳ね回るTa_2さんはあの瞬間、世界一で一番生きてて楽しい人間なんだろうと思うほどめっちゃいい顔するのであの顔を見にお金も、交通費も、フロアの熱気と圧縮に耐え抜く根性も捧げてるんだと思います。

13. 歌がうまくて声がいい

はい。やっぱりこれに尽きます。どんな現場に行っても思うんですよこの人の歌の表現力は本当に素晴らしいし努力の積み重ねで神様から愛されるようになった声帯を持ってるんだろうなというのが。
鈴木達央さんの魅力の一番はこれだと思います。
 
そんなわけで私みたいなにわかファンの愛情なんていつまで持つかわかりませんがこれからも世界一愛しい鈴木達央さんが見れるならその活動を無理のない範囲で応援していきたいと思います。
(ご本人のMCのぶっきらぼう感を踏襲)

遊郭パロ妄想が捗る鯛よし百番に行ってきた

突然ですが遊郭もののBLが好きです。正確に言えば、遊郭パロ妄想をするのが好きです。遊郭という言葉からイメージする艶やかさと非日常性、そして「遊女はここから出られない」という閉鎖的な環境に、ファンタジーとしてうっとりしてしまいます。

 ちょっと前になりますが、そんな遊郭パロ妄想が捗りまくって仕方ない場所に行ってきました。それが大阪は西成区にある料亭の、鯛よし百番です。飛田新地遊郭として大正時代に建てられた建造物を改装して作られた料亭です。


鯛よし百番 (たいよしひゃくばん) - 天王寺/居酒屋 [食べログ]

 

この日は動物園前駅から商店街のアーケードを通り、飛田新地の料亭が立ち並ぶ道を通り抜けて行ってしまったのですが、男性同伴だったからよいものの、女性同士で行く場合はこのルート、マジでおすすめしません。

本当にタイムスリップしたかのような昭和的な大阪の商店街が見れて感激はするものの、「ああ…ここが大阪のアンダーグラウンド」と思わざるをえない怖い雰囲気だったので女性同士で行くときは天王寺からタクシー使ったりしたほうがいいと思います。

(でも料亭街の雰囲気もまた、それはそれでいい参考になった)

お店自体は飛田新地のはずれにあり、普通のお客さんもたくさんいるので心配ないところです。甲斐みのりの「乙女の大阪」というレトロモダン乙女ちっく好きにたまらないガイドブックで紹介されていたくらいなので。

お店の外観はこんな感じ。

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入るとすぐ通される待合室。

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 ちなみに載せる写真はすべてアプリを使ってスマホで加工している画像なので荒い部分もありますが、このアプリだと手軽に映画『さくらん』の世界かと思うほどの極彩色のケバケバしい写真が撮れました。(まあそりゃニナミカアプリだもんね)

蜷川実花監修無料カメラ加工アプリcameran

蜷川実花監修無料カメラ加工アプリcameran

  • Recruit Holdings Co.,Ltd.
  • 写真/ビデオ
  • 無料

 

待合室の右側にちょっと映ってるのは、豪華絢爛な陽明門。日光東照宮のやつを真似て作ってるのでしょうか。

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 この門の向こう側の部屋がこんな感じ。遊郭時代にはお客さんの待合室として使われてたのだろうか。

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カメラアプリで加工しなくてもこんなにレトロな雰囲気です。

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階段があり2階にあがれます。

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2階の廊下にある謎の応接間。

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この周りが掠れた加工はHipstamaticという、フィルムやレンズを入れ替えてアナログカメラの雰囲気を楽しめるiPhoneのカメラアプリで撮ってます。

Hipstamatic

Hipstamatic

  • Hipstamatic, LLC
  • 写真/ビデオ
  • ¥200

 

ここはとにかく廊下に風情がある。

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廊下を歩いて行くとこんな太鼓橋も。

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細かい装飾までが凝っていて、どこを眺めても飽きないのでした。

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帰る頃にはすっかり日も暮れてました。

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大正初期に建造されたようですが、大人の遊び場として当時からしてもケバい美的価値観のもとに装飾がなされたのではないでしょうか。

関東民からすると完全に非日常でしかないスーパー玉出の電飾を見ていると、大阪独特の、毒々しい華やかさがどちらも根底にあるのかもと思ってしまいます。観光地化された新世界の串揚げやら何やらの看板達もそんな印象。

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もともと私は、この本で鯛よし百番のことを知りました。

この本の影響で私は大阪に多大なロマンチックな幻想をいだいているのです。もう遠征はしばらくやめようかなと思ってるんだけど、やっぱり大阪が好きでまた行きたくなってしまう。


Amazon.co.jp: 乙女の大阪―デート、食べ歩き、お菓子・おみやげ探し、クラシックホテル・レトロ建物巡り…乙女心の大阪案内 (MARBLE BOOKS): 甲斐 みのり: 本